あなた
Financial Timesのニュースを読んでもよく内容を理解出来ません!何か良い勉強法はないでしょうか。
サイト運営者
そうですね、英語力は十分あると思うので、やはり背景を理解していないのが原因じゃないかなぁ。
あなた
そもそも、世の中の動きを見る上での基本的な土台が出来ていない気がします。
サイト運営者
それなら国際情勢を俯瞰する学問でもある「地政学」について学んで見たらどうでしょうか!
- 2016年に起きたアメリカのトランプ現象やイギリスのEU離脱も、地政学上の「海洋国家」の持つ特徴を理解すれば説明が出来ると言われています。
- また、地政学を前提にドイツを考察することでEUの本質と今後の行方や、EUと対立姿勢を強めているロシアの「ユーラシア主義」、石油価格にも大きな影響を与える中東情勢の動向、膨張政策を強化している中国を動かす原理等を幅広に学ぶことが出来ます。
- 地政学について理解していると、異なる出来事も一つの理論に沿って生じているという見方も出来るようになります。こういった視点は、国際情勢の動きを理解する上で非常に役立ちます。是非一度学んで見ましょう。
Contents
地政学とは何か?
国際情勢を俯瞰する学問
- 地政学(ジオポリティクス)という名前は、ジオ「地球の」+ポリティクス「政治学」の合成語です。
- 地政学は、「世界の歴史には、正義も悪もない、各国はただ、生存競争を続けているだけだ」という1. 現実主義(リアリズム)に則った世界観に、2. 地理的条件を加えて国際情勢を俯瞰する学問です。
- 地政学は、ロシアやドイツ、中国等を中心とした大陸国家(ランドパワー)的発想と、アメリカやイギリスを中心とした海洋国家(シーパワー)の思想が中心で、このランドパワーとシーパワーのせめぎ合いによって、世界の歴史が作られてきたと言われています。
地理的条件に注目するのは何故か
- 「地理」を学ぶ意義は、「長い時間が経っても変化しない」という点がポイントになります。日本列島がユーラシア大陸と繋がったり、アメリカ大陸が急に分裂することはありません。その為、地理的な環境は、国家にとって所与の条件として考慮されることになります。
- 海のない国は「海がない」という地理的条件に、半島国家は「半島」という地理的要因に規定されています。国際情勢のように複雑な問題を解くためには、こうした「動かない要因」を前提に考えることが何よりも近道となります。
何故、学校では教えてくれないのか?
戦争遂行を正当化する理論として使われた過去があるから
- 地政学は誤った使い方をすると、戦争の道具となったり、自国の膨張を正当化したりする方便となってしまうからです。例えば、戦前の日本でも満州進出を正当化する為に、地政学の理論が用いられたと言われています。
- その為、戦後の日本では、地政学の研究を避ける傾向にあり、それが高校地理・歴史の教科書にも反映されていて、地理と戦争との関係は言わずもがな、地理と政治との関係についても扱われないのが実情のようです。
結果として地政学的な思考力は貧弱に
- 学校教育で扱われない為、日本人の地政学的な思考力は非常に貧弱になってしまったと言われています。ビジネスパーソンですら地政学に関する基礎教養は壊滅的で、世界地図すら持っていない人が大多数です。
- こういった事情が、日本の外交力の弱さや企業のグローバル化対応の遅れにも現れていると言われています。
今こそ地政学を学ぼう
- 地政学的な思考はビジネスパーソンにとって大きな武器になると思います。ニュースを見るだけでは読み解けないような国際情勢を理解することが出来るようになるとも言われています。
- Financial Timesを読んでも内容がスッと入ってこないのは、英語力だけが問題ではないと思います。裏にある地政学的な背景を理解していたからこそ内容を理解出来たということが多いです。是非、地政学について一度学んでみるといいでしょう。
- 以下記事でも取り上げましたが、Financial timesを読み解く鍵は、「物事の背景にあることを理解する」ということです。国際情勢を読み解く上での基礎的知識、是非学びましょう。

国際金融の世界で活躍したいならFTをまず読む!
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国際金...
- 地政学について、以下に参考書籍と動画を載せてありますので是非一度ご覧ください。
参考書籍

駿台予備校世界史科講師の茂木氏が、対話形式で「地政学」について分かりやすく解説しています。ストレス無く初めから最後までスムースに読めると思います。地政学の全体像を理解するのに良いと思います。
著者 | 茂木 誠 文化放送 |
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発行所 | 株式会社PHPエディターズ・グループ |
初版発行日 | 2016年10月4日 |

上で紹介した書籍の内容を図解で説明したものがこちらの書籍になります。各項目が見開き1ページで説明されていて、ニュースを読む中で関連する箇所を見つけた際に背景を学ぶ上で勉強になると思います。
著者 | 茂木 誠 |
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発行所 | 祥伝社 |
初版発行日 | 2017 年1月10日 |

地政学は世界史を通じて間接的に学ぶことが出来ます。地政学について全体を学んだ上で世界史を見ると、その背景がとても良く分かると思います。国際情勢を読み解く上では過去の歴史を知ることはとても重要で、地政学に合わせて世界史も同時に学んでおきたいところです。
著者 | 茂木 誠 |
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発行所 | ビジネス社 |
初版発行日 | 2016年10月1日 |

世界史を学ぶという観点ではこちらの書籍もお勧めです。作家で元外務省主任分析官の佐藤さんによる書籍です。「資本主義と帝国主義」「民族とナショナリズム」「キリスト教とイスラム」という三つのテーマを集中的に学習することで現下の国際状況を捉えます。
著者 | 佐藤 優 |
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発行所 | NHK出版 |
初版発行日 | 2015年1月10日 |

新旧政治家の比較考察から、各国に特有の論理を読み解く歴史的アプローチと地理を踏まえて各国の戦略に迫るアプローチ、双方の合わせ技で国際情勢の本質を一気に把握します。上の4つを読破した上で一気に読むと更に知見が深まります。
著者 | 佐藤 優 |
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発行所 | NHK出版 |
初版発行日 | 2016年11月10日 |