Level III Contents

【CFA Level III】Private Wealth

今回の内容

【R28】個人資産管理(Overview of Private Wealth Management)

【R29】税金と個人資産管理
(Taxes and Private Wealth Management in a Global Context)

【R30】相続計画
(Estate Planning in a Global Context)

【R31】一つの資産に集中している場合の管理方法
(Concentrated Single Asset Positions)

【R32】個人投資家のリスク管理
(Risk Management for Individuals)

Contents

【R28】個人資産管理:Overview of Private Wealth Management

個人投資家IPSについて[頻出]

  • Investment Purpose Statement: IPSは非常に重要ですので必ず抑えるようにして下さい!
  • IPSは投資家とアセットマネジャー間のコミュニケーションツールとして利用されます。
  • 投資家の「リスク許容度(Risk)」と「必要リターン(Return)」そして、それらを判断する上で基となる、「税務面(Tax)」「投資期間(Time Horizon)」「法務面(Legal)」「流動性(Liquidity)」「その他特殊事情(Unique)」を問題文を読んで整理出来るようにしておきましょう。
Investment Purpose Statement(IPS)の項目


R
isk Tolerance(リスク許容度)
Return(必要リターン)
Tax(税務面)
Time Horizon(投資期間)
Legal(法務面)
Liquidity(流動性)
Unique(その他特殊事情)

勉強仲間(男)
勉強仲間(男)
RRTTLLU!(アールアールティーティーエルエルユー!)って念仏のように唱えよう!
勉強仲間(女)
勉強仲間(女)
問題文からこれらの項目を読み解けるようになる必要があります!

リスク許容度(Risk Tolerance)について

  • Risk Toleranceは、投資家の能力(Ability)と意思(Willingness)の状況から、1. Above Average、2. Average、3. Below Averageのどれであるかを判断します。試験では問題文からAbilityとWillingnessの状況を読み解いて、このRisk Teleranceを判断することになります。
  • Willingnessは問題文に書かれた投資家の行動パターンからRisk Teleranceを読み解く必要がありますが、Abilityを決定する要素は類型化可能ですので、以下にまとめておきます。
投資家の能力(Ability)を下げる要素
  1. 投資可能期間が短い場合(損失が発生した時に回復するまでの猶予期間が少ない)。
  2. 重要なゴール設定がある場合(成し遂げなければならない場合、制約条件が増える)。
  3. 高い流動性が必要な場合(限定的な運用に制約される)。
  4. 投資ポートフォリオが唯一の収益である場合(損失が発生した時に別に補填出来る収益がない)。

試験では問題文から如何に読み解くかが鍵です。覚えておけば直ぐに判断出来るケースも多いので過去問題を解きつつ問題自体に慣れておきましょう!

サイト運営者
サイト運営者
この四つの項目は必ず覚えておきましょう!

リターン(Return)について

個人投資家が必要とするリターン(%)について、各パターンで計算出来るようにしておきましょう。解答作成時には「税引前 or 税引後」、「インフレ調整前 or インフレ調整後」の選別に気をつけて答えを出すようにしましょう。

退職後のキャッシュフローを確保するために必要な運用リターンの計算

以下の情報が与えられた状態で退職後に必要なキャッシュフローを確保するために必要な投資資産のリターンを求める問題です。問題文を読んで以下の項目に正確に当てはめることが出来るかが鍵です。

  1. 現時点の資産:\(A\)
    金融資産に限る(不動産は除く)
  2. 退職時までのキャッシュインフロー:\(B\)
    給料や退職金
  3. 退職時までのキャッシュアウトフロー:\(C\)
    生活費や寄付等
  4. 退職時の資産:\(A+B-C\)
  5. 退職後に必要なキャッシュフロー:\(D\)
  6. 退職後に必要なキャッシュフローを確保するために必要な投資資産のリターン:\(\frac{D}{A+B-C}\)
サイト運営者
サイト運営者
税引前でリターンを計算する場合は税率で割り戻し、インフレ率を加味する場合は最後にインフレ率を足します。最後まで油断をせずに答えるようにしよう。

ある将来時点に一定金額の資産を確保するために必要なリターンの計算

現時点の資産価値(PV)、毎年の資産への拠出金(PMT)、将来時点の目標資産価値(FV)、現時点から将来時点の期間(N)が与えられ、これを満たす必要利回り(I/Y)を計算する問題です。問題を正確に読んで、以下の項目に数値を当てはめ、関数電卓を用いてI/Yを算出します。こちらも如何に問題文から正しく各項目を読み取れるかが鍵です。

現時点の資産価値:PV
毎年の資産への拠出金:PMT
将来時点の目標資産価値:FV
現時点から将来時点の期間:N
必要利回り:I/Y (CPT)

この系統の問題もインフレ調整前か調整後かを見極めて回答する必要がありますので気をつけましょう!

サイト運営者
サイト運営者
問題のパターンが決まっているので練習問題を解いて慣れておきたいですね!

IPSに沿ったポートフォリオ構築の実務

  • ポートフォリオを実際に構築する際の一般的な手順について見ていきましょう。先ず、IPSを満たさないもの、つまり、制約条件や目的を満たさないポートフォリオ構成は選択肢から除きます
  • 例えば、Required Returnを満たすか、Volatility(Standard Deviation)が想定以下か、Sharpe Ratioが想定以上か、Value at Riskが想定以下か、等の条件で照らし合わせます。
  • 当該方法でポートフォリオを何パターンかに絞ったら、リスクに対してリターンが最も高いものを選ぶのが一般的で、Sharpe Ratioや(Roy’s Safety-first Ratio)が高いものを選びます
勉強仲間(女)
勉強仲間(女)
実際の問題でもこれら指標を計算させて、どのポートフォリオが最適かを答えさせる問題をよく見るわね!
  • その他のポートフォリオ構築方法としては、60/40(Equity/Fixed Income)を標準的な個人投資家の最適ポートフォリオと見做して、そこから資産の構成比率を調整するという方法も考えられます。

モンテカルロシミュレーション:Monte Carlo Simulation(MCS)

  • 退職後のシミュレーションを行う上ではMonte Carlo Simulation(MCS)が有益なツールとして使用されます。MCSの特徴は以下の通りです。
MCSの特徴
  1. Multiple Simulation
    各種パラメーター(インフレ率、金利、為替、GDP成長率等のインプット項目)を自由に設定することで様々な条件でシミュレーション可能です
  2. Path Dependency Issues
    複雑で多岐に渡るシミュレーション経路を全て表現することが可能です
  3. Client Friendly Display
    直感的に理解し辛いVolatilityやStandard Deviation等の指標では無く、いつ資金が尽きる可能性があるのか等を時系列にシミュレーション可能です

【R29】税金と個人資産管理:Taxes and Private Wealth Management in a Global Context

税金の種類

  • 税金には大きく分けて3つの種類があります。
税金の種類
  1. Taxes on income
    (所得税等、収益に対して課税するもの)
  2. Wealth-based taxes
    (固定資産税、贈与税、相続税 等)
  3. Taxes on consumption
    (消費税 等)

税引後将来収益将来価値とTax Drag

  • 税引後投資収益将来価値(Future Value Interest Factor After Tax: FVIF_AT)の計算方法は以下の通りです。
税引後投資収益将来価値

\(FVIF_{AT} = {1 + r (1 – t )}^n\)
t・・・税率 (year)
r・・・税前収益率 (year)
n・・・投資期間 (year)

勉強仲間(男)
勉強仲間(男)
収益率\(r\)に\((1 – t)\)を掛けて税引後収益率にして、1を足して、投資期間\(n\)の累乗をするのか!
  • Tax drag (税金による収益減少額)とTax drag percentage(収益額に対するTax dragの比率)に関する整理も重要です。
Tax dragとTax drag percentage
  1. n > 1の場合、Tax drag percentage > tとなる。
  2. n か r が増えると、Tax drag percentageとTax dragは大きくなる

<補助>
Tax drag(税金による収益減少額)
= Gain with no taxes – Gain after taxes

Tax drag percentage(税前収益額に対するTax dragの比率)
= Tax drag ÷ gain with no taxes

サイト運営者
サイト運営者
税金の支払いが無い場合の収益と有る場合の収益の差額がTax dragですね!
上司
上司
税金の支払いが無い場合の収益に対してTax dragが占める割合がTax drag percentageだ!

税引後キャピタルゲイン収益将来価値とTax Drag

  • 税引後キャピタルゲイン収益将来価値(FVIF_AT)の計算方法
    (Cost BaseがBの場合)は以下の通りです。
税引後キャピタルゲイン収益将来価値

\(FVIF_{AT} = [(1 + r)^n (1 – t) + Bt]\)

B:Cost basis(購入価格) ÷ Asset value at start of period n.
(測定開始時点の価格と購入時の価格の比率)

サイト運営者
サイト運営者
B×tを最後に足しているのは、コスト分の税額は支払う必要が無いからですね!
上司
上司
キャピタルゲインの場合は売却時に一度だけだから(1-t)も一度だけ掛けるんだね!
  • Tax drag (税金による収益減少額)とTax drag percentage(収益額に対するTax dragの比率)に関する整理もやはり重要です。
Tax dragとTax drag percentage

B = 1.0
→ Tax drag percentage = t
B < 1.0
→ Tax drag percentage > t
B > 1.0
→ Tax drag percentage < t

サイト運営者
サイト運営者
購入価格の方が売却価格より小さい(つまり益が出ている:B<1.0)とTax drag percentageは税率tよりも大きいんですね!(逆も然り!)

混合税率について

  • Blended Taxation(Interest, Dividends, Capital gainの各収益に対する税金が絡む場合)について見ておきましょう。計算問題として出題される可能性があるので準備しておきましょう。
税引き後 キャピタルゲイン収益将来価値
  1. 3つの収益合計(Interest + Dividends + Capital gain)に占める、
    ・Interestの割合:\(p_i\)
    ・Dividendsの割合:\(p_d\)
    ・Capital gainの割合:\(p_{cg}\)
  2. Interestの税率:\(t_i\)
    Dividendsの税率:\(t_d\)
    Capital gainの税率:\(t_{cg}\)
  3. Weighted annual realized tax rate:
    wartr =\((p_i × t_i)\) +\((p_d × t_d)\) +\((p_{cg} × t_{cg})\)
  4. Return after realized taxes:
    \(r* = r (1 – wartr)\)
  5. Effective capital gains tax rate:
    \(T* =t_{cg} \frac{p_{cg}}{1-wartr}\)
  6. Future value of the investment:
    \(FVIF_{AT} =(1 + r^*)^n (1 – T^*) + T^* – (1 – B)t_{cg}\)
サイト運営者
サイト運営者
複雑で覚えるのに時間がかかりそうですが、覚えておけば得点源になるので、計算問題を何度も解いて体に染み込ませましょう!

累積見做し税引後利益

  • Accrual Equivalent After-Tax Returns(\(R_AE\))は、以下の式で表されます。
Accrual Equivalent After-Tax Returns

\(R_{AE} = (n年後 税引き後将来価値 / 当初投資額)^(\frac{1}{n}) – 1\)

累積見做し税率

  • Accrual Equivalent Tax Rates(\(T_AE))は、以下の式で表されます。
Accrual Equivalent Tax Rates

\(R_{AE} = r (1 – T_{AE})\)
↓(式変形)
\(T_{AE} = 1 – \frac{R_{AE}}{r}\)

サイト運営者
サイト運営者
こちらも、問題文で問われた時に計算出来るようにしておきましょう!

税務繰延口座と税務免除口座:Tax-Deferred Accounts(TDA) vs Tax-Exempt Accounts(TEA)

TDA & TEA

TDA
・最後の引き出す際に税金がかかります。
TEA
・最初の預け入れ時に税金がかかります。

    • どちらに預ける方が得になるかは、現時点の税率と将来の税率の関係で決まります。
    • 将来税率が高くなると予想されるのであれば、今税金がかかった方が得なのでTEAに入れます
    • 将来税率が低くなると予想されるのであれば、将来税金がかかった方が得なのでTDAに入れます
サイト運営者
サイト運営者
TDAはDefferredだから後!って覚えておきましょう!

税引後収益の標準偏差

  • 税引後収益の標準偏差は、税引き前収益の標準偏差をσとすると、σ(1 – t)で表されます(つまり、標準偏差は税引後の方が低くなります)。
サイト運営者
サイト運営者
税引き後の方がボラティリティが低いのね!この知識を前提に問われる問題があるので気をつけて!

投資損失の活用:Tax Loss Harvesting

  • Tax Loss Harvestingとは、投資損失を利益と相殺することで課税収益を減らし、税金額を少なく出来るというものです。税率が変わらないのであれば、最終的にかかる税額も変わりませんが、早めに税務額を減らすことで浮いた分を早い段階で再投資可能な点がメリットです。
サイト運営者
サイト運営者
早い段階で使える手元資金を持てる方が良いですもんね!現金の現在価値の観点ですね!

【R30】相続計画:Estate Planning in a Global Context

財務資本と人的資本について:Financial CapitalとHuman Capitalについて

  • 個人の資産バランスシートを考える上では、Financial CapitalとHuman Capital(生涯を通じて得る収益の現在価値)を足して考える必要があります。
  • 同様に負債バランスシートについてもFinancial LiabilityとImplicit Liability(生涯を通じて必要な経費等の現在価値)を足して考える必要があります。
  • この将来の収益や経費の現在価値も加味した資産と負債の差額をExcess Capitalと言います。負債バランスシートの合計(≒生涯を通じて必要なお金)はCore Capitalと呼びます。
  • このCore Capitalを計算するために、Mortality Probabilitiesの表を利用して、夫と妻の生存確率を確認し、将来必要な経費を計算の上現在価値に割り戻すということをします。
  • 生涯を通じて必要な資金にバッファーとしてSafety reserveを追加して資産運用を考えることもあります。
サイト運営者
サイト運営者
Excess CapitalとCore Capitalの問題はよく聞かれるので練習しておきましょう!

Gift(贈与) vs Bequest(相続)について [頻出]

  • 次世代にお金を渡す場合、今贈与(Gift)した方が良いのか?、それとも、死ぬまで待って相続(Bequest)した方が良いのか?という話題です。
  • Giftする場合には贈与税(\(T_g\))が、Bequestする場合には相続税(\(T_e\))がかかります。
  • 贈与した場合には、受け取った側の期待収益率(\(r_g\))でその後は運用されます(つまり受け取った人が運用します)。
  • 相続する場合には、死亡するまでの間渡す側の期待収益率(\(r_e\))で運用されます。
  • この期待収益率は税後で考える必要があるので、各人の所得税(\(t_{ig}) と (\(t_{ie}\))も関係してきます。
  • 例えば、30年後にお亡くなりになるケースで考えると、今直ぐに贈与するか、30年後に相続するかを比較します。
  • つまり、今直ぐ贈与税を支払って受け取った側が30年間運用するのか、相続するまでの間(30年間)運用した上で相続するかの比較になるわけですね。
  • この贈与と相続を比較するのが、以下の式です(受け手が税金を支払うケース)。
  • 贈与(Gift)の方が価値が大きいと1より大きくなり、相続(Bequest)の方が大きくなると1より小さくなります。(分母が相続、分子が贈与です!)
  • ポイントは、贈与税(\(T_g\))と相続税(\(T_e\))の比較各期待収益率の比較(\(r_g\)と\(r_e\))各所得税(\(t_ig\)と\(t_ie\))の比較です。全て同じ数値だったら同じ数式になりますので、贈与も相続も同じ効果と言えますね。
  • ちなみに、この比較の手法は、分子を色々と変えることで色々と応用されます
  • 例えば、贈与税の税金を受け取る側では無く渡す側が支払う場合は以下の数式になります。(\(T_gT_e\)の項が増えます)
  • 加えて、慈善寄付(Charitable Donation)する場合はこうなります。
サイト運営者
サイト運営者
分母(相続)は全て同じなので分子を中心に覚えよう!

相続時に取り得る戦略について

  • 相続時に取り得る戦略としては以下の方法があります。
相続時に取り得る戦略
  1. Generation Skipping
    子供では無く孫に直接相続します(親→子供→孫だと二回税金がかかるから)
  2. Spousal Exemptions
    配偶者への資産移転に税金がかからない場合はそれを利用します。
  3. Valuation Discounts
    時価があるものであれば価格が下がった時に相続します(その方が移転する資産の価値が低くなり税金も低くなるからです)
  4. Charitable Gifts
    非営利法人や慈善団体へ寄付した場合、寄付金額分だけ税金を計算するときの個人所得から控除できるケースにはこれを利用します。
  5. Trust
    法定相続プロセスから独立した形で委託者が資産の利用方法を指定出来ます。

    Revocable trust

    事後的に撤回可能で、委託者の所有物と見做される。第三者より相続権を主張される可能性があります。

    Irrevocable trust

    所有権やコントロールを放棄します。取消不可。Trusteeが資産の所有者と見做され、第三者より主張を受け付けません。
  6. Life Insurance
    保険金に税金がかからない場合は保険を利用して相続することも検討します。

徴税種類について

  • Income Taxes(収益にかかるもの)とWealth Transfer Taxes(資産を移転する際にかかるもの)の徴税種類としては、Source Jurisdiction(所謂、源泉税)とResidence Jurisdiction(居住者税)があります。

二重課税について

  • 二重課税(Source Countryで税金が引かれた上で更にResidence Countryで税金が引かれちゃう状況)を防ぐための手立てとして主に3つの方法が存在しています。
二重課税を防ぐ手段
  1. Exemption method
    Residence Countryでは税金がかかりません。つまり、Source Countryの税金分だけを支払う格好です。
  2. Credit method
    Residence Countryで支払うべき金額からSource Countryに支払った金額を引くことが出来ます。つまり、Source CountryとResidence Countryの高い方の税金分だけを支払う格好です。
  3. Deduction method
    Source Countryに支払った金額をResidence Countryで支払うべき金額を計算する際の課税所得から引くことが出来ます。つまり、Source Country Tax + Residence Country TaxからSource Country Tax × Residence Country Taxを引くことが出来ます
サイト運営者
サイト運営者
それぞれの方法で税額を計算出来るようにしておこう!Deduction methodだけちょっと面倒くさいですが!

【R31】一つの資産に集中している場合の対応:Concentrated Single Asset Positions

  • この項目では個人の資産が一つの資産に集中してしまうケースを考えます。
  • 例えば、起業家であれば自社株ばかりになってしまったり、不動産投資で財を築いた人の資産が不動産しかないといったケースです。以下内容が主なテーマです。
主なテーマ
  1. 集中リスクを減らすにはどうしたらいいか
  2. 流動性を持たせるためにはどうしたらいいか
  3. 税金を極小化するためにはどうしたらいいか

売却せずに現金化を実現するケース

  • 売却する場合、税金の支払いや資産コントロールの喪失等が発生してしまいますが、それを回避しつつ現金化(Monetization)するためには、OTC Derivativesが利用されるケースが多いです。
  • ただ、裏付資産のトレーディング実績がなかったり、デリバティブがそもそも存在しない場合には実現しないです。

Goal-based planning

  • Goal-based planningという考え方もここで覚えておきましょう。個人投資家の運用資産を考える際に3つのカテゴリーに分けます。
  • 1. Personal risk bucket2. Market risk bucketには日々の生活をカバーするだけの資産を入れておきます。残りの資産は3. Aspirational risk bucketに入れておきます。どのような資産で運用するかという点は以下の通りです。
Goal-based planningの資産運用
  1. Personal risk bucket
    低リスク資産で運用を行う
  2. Market risk bucket
    市場性のある株式や債券で運用を行う
  3. Aspirational risk bucket
    高リスク資産で運用を行う(通常、個人の資産が一つに集中してしまうケースはここに該当)

仮に1. Personal risk bucket2. Market risk bucketが足りない場合には、売却か現金化を行います。

集中資産が株式の場合

  • さて、次に株式に資産が集中している場合にどう効果的に管理するかという点で見ていきましょう。最適な戦略は投資家の状況によって異なりますが、投資家が
  1. 現金を必要とするか
  2. 資産へのコントロールを引き続き保有する必要があるか
  3. 税制面や規制面で考慮すべきことがあるか
  • の3つで変わります。ゴールは、顧客特有の制約条件等を満たした上で、コストを最小限に抑えつつアップサイドを最大限に狙うことです。
  • 個人で立ち上げたビジネスの株式に資産が集中している場合、どのように扱うかを見ていきます。ポイントとしては、以下4つを考慮しつつ戦略を考えます。
考慮すべき項目
  1. 当該ビジネスへの思い入れが強いということ
  2. 当該ビジネスをコントロールし続ける金銭的な理由が存在すること
  3. 市場性が無い株式をどう現金化するかを考える必要があること
  4. 出口戦略を考える際にその後のビジネスを誰が管理するのかも重要だということ

集中資産が不動産の場合

  • 一つに集中している資産が不動産の場合、以下のような戦略があります。
取り得る戦略
  1. Mortgage Financing
    ・不動産を担保にして資金を借りる方法。
    ・Loan To Value (ローン金額 / 不動産価格)を基準に貸金可能額が決定される。
  2. Sale and lease back
    ・不動産保有者が売却して資金を得た後にリース取引で不動産を借りるという取引。

【R32】個人投資家のリスク管理:Risk Management for Individuals

  • 先週見た通り、個人の資産バランスシートを考える上では、Financial CapitalとHuman Capital(生涯を通じて得る収益の現在価値)の両方を足して考える必要があります。
  • 一般的に、Human Capitalはキャリアの早い段階で最も高くなり、段々と退職に向けて減少していきます。逆にFinancial Capitalは退職に向けて上昇していきます。
  • この両者を睨みながら、生命保険や年金を購入しリスクマネジメントを行います。生命保険は早死にリスク(Mortality Risk)をヘッジし、年金は遅死にリスク(Longevity Risk)をヘッジします。つまり、生命保険はHuman Capitalの不足を、年金はFinancial Capitalの不足をカバーします。
  • 生命保険、損害保険の種類は聞かれる可能性がありますので確りと抑えておいた方が良いでしょう。生命保険で問われる、Net Payment Cost Index や Net Surrender Cost Indexの意味と計算方法も抑えておきましょう。
  • 保険はリスクをシェアするという考え方から加入するものであり、資産運用のためにあるわけではありません。また、全てのリスクに対して保険をかければ良いというわけではありません。その点を理解しておきましょう。
  • 具体的には、以下リスク発生頻度(低い)/リスク発生時の被害(大きい)の事象に対して保険を利用します。
リスク発生頻度 高い 低い 高い 低い
リスク発生時の被害 小さい 大きい 大きい 小さい
リスクとの関わり方 Reduce Transfer
(保険を利用)
Avoid Retention

 

上司
上司
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