USCPA

USCPAがやめとけと言われるのは嘘!誰におすすめの資格かを解説!

USCPA(米国公認会計士)は、国際的な会計資格として多くの注目を集めていますが、「やめとけ」と言われることもあります。その理由には誤解が多く含まれているのが実情です。この記事含め、様々な情報源から情報収集を行い、正しい情報を得るようにしましょう。噂だけで物事を判断してはいけません。

尚、USCPAを調査していると、投資分析や資産運用に特化したCFA(Chartered Financial Analyst)にたどり着くこともあるかと思います。こちらは、金融業界で高い評価を受けており、USCPAとの比較がしばしば話題に上がります。

この記事では、USCPAとCFAの違いや、それぞれの資格がどのような人におすすめなのかを詳しく解説します。資格選びに迷っている方は、自分のキャリア目標に合った資格を選ぶためのヒントにしてくださいね!

USCPAとは?

USCPA(United States Certified Public Accountant)は、米国で認められる公認会計士資格であり、国際的に高い評価を受けています。USCPA資格を取得することで、会計、税務、監査、財務管理、内部統制など、幅広い分野での専門知識とスキルを証明できます。この資格は、米国内だけでなく、多国籍企業や外資系企業でも非常に重要視されており、特に以下の分野でのキャリア形成において強力な基盤となります。

USCPAで活躍が期待される分野

会計

会計分野では、USCPA資格保有者は企業の財務状況を正確に記録し、意思決定をサポートする重要な役割を果たします。国際会計基準(IFRS)や米国会計基準(US GAAP)に基づく財務報告を中心にその知見を生かしたコンサル業務まで行います。

財務諸表の作成・分析

  • バランスシート、損益計算書、キャッシュフロー計算書などの作成および分析を行い、経営陣に適切な意思決定の材料を提供。
  • 会計基準(US GAAPやIFRS)に基づき、正確かつ透明性のある財務報告を実現。
  • トレンド分析や比率分析を活用し、企業の財務健全性を評価。

経理業務の管理

  • 月次、四半期、年次決算プロセスを監督。
  • 支払業務や売掛金・買掛金管理、固定資産管理などの経理プロセスを効率化。
  • ERPシステム(SAPやOracleなど)を活用して業務をデジタル化。

監査

監査分野では、USCPAの専門知識が信頼性の高い財務報告や内部統制の評価に寄与します。

外部監査、内部監査の実施

  • 上場企業や多国籍企業の監査業務に従事し、投資家や規制当局への信頼性のある財務報告を提供。
  • 会計基準や監査基準の遵守状況を評価。
  • 企業内部での業務プロセスを独立的に評価し、効率性の向上やリスクの低減をサポート。
  • サイバーセキュリティやデータプライバシーに関連するリスク評価にも対応。

 

リスク評価やコンプライアンスの監視

  • 企業のリスクプロファイルを分析し、重大なリスクへの対応策を提案。
  • コンプライアンス体制の監視と、規制要件への適合状況をチェック。

内部統制の有効性を評価

  • 内部統制のデザインおよび運用の有効性をテスト。
  • SOX法(サーベンス・オクスリー法)の遵守を支援し、企業の透明性を向上。

税務

税務分野では、USCPA資格保有者が企業や個人の税務計画およびコンプライアンス業務を担います。

米国および国際税務戦略の策定

  • 米国税法に基づき、税負担の最適化や節税プランを提案。
  • 国際的な税務戦略を設計し、移転価格やBEPSに対応。

税務申告および税務リスクの管理

  • 法人税、所得税、消費税などの申告書を作成し、税務リスクを最小化。
  • 税務監査への対応や、税務当局との交渉をサポート。

グローバルな税務コンプライアンスの対応

  • 多国籍企業の税務リスクを管理し、各国の税務要件を満たすための体制構築。
  • グローバル税務プロセスの効率化を図り、税務リスクを最小化。

コンサルティング

コンサルティング分野では、USCPA資格保有者が経営戦略の立案やM&A業務で重要な役割を果たします。

M&Aアドバイザリー(買収対象企業の財務評価)

  • 買収候補企業の財務諸表を分析し、価値評価やリスク分析を実施。
  • デューデリジェンス(財務・税務調査)を通じて、投資判断をサポート。

内部統制の設計・改善

  • 企業の業務プロセスにおける効率性と透明性を向上。
  • 不正やミスのリスクを低減するためのコントロールを設計。

財務戦略の立案および資本構成の最適化

  • 長期的な成長を目指した資本構成の最適化。
  • キャッシュフローや資本コストを考慮した財務戦略を提案。

USCPA資格の価値

USCPA(米国公認会計士)資格を取得することで、グローバル市場での競争力を高めるだけでなく、会計、監査、税務、コンサルティングなど幅広い分野で活躍できるスキルと知識を証明できます。例えば、以下のような内容があります。

グローバルな会計知識

USCPAは、米国基準(US GAAP)および国際基準(IFRS)に基づいた高度な会計知識を持つ専門家として認められます。

米国基準(US GAAP)の理解

米国内での財務報告の標準であり、多くの多国籍企業が採用しています。US GAAPの専門知識を持つことで、特に米国市場で事業を展開する企業でのキャリアを築けます。

国際基準(IFRS)の理解

IFRSは140カ国以上で採用される会計基準であり、グローバル市場での財務報告に不可欠です。IFRSに精通していることで、国際的なプロジェクトやクロスボーダー取引に対応できます。

クロスボーダーでの価値提供

US GAAPとIFRS間の差異を理解し、コンバージョンプロジェクト(基準の移行)や国際基準に準拠した財務報告を支援できます。

実務的なスキル

USCPA資格保有者は、実務に直結した専門スキルを有しており、企業の経営や運営において重要な役割を果たします。

財務分析スキル

財務諸表の作成・分析や業績評価を通じて、経営陣の意思決定をサポート。キャッシュフロー、資産評価、収益性分析などを行い、企業価値向上に貢献。

監査スキル

外部および内部監査における計画・実施をリード。内部統制の有効性を評価し、不正リスクの軽減や業務改善を支援。

税務スキル

米国税法および国際税務戦略に基づき、税務リスクを最小化。グローバル企業の複雑な税務要件に対応し、税務コンプライアンスを維持。

リスク管理スキル

金融、業務、コンプライアンスリスクを分析・管理。サイバーリスクや環境リスクを含む広範なリスク評価を実施。

コンサルティングスキル

M&A、財務戦略、業務プロセス改善においてクライアントに価値を提供。デジタルトランスフォーメーションやERP導入プロジェクトを支援。

キャリアの選択肢を拡大

USCPA資格は、多様なキャリアパスを提供し、特に以下の分野での活躍が期待されます。

外資系企業

米国基準や国際基準に準拠した財務報告を行う企業での経理・財務ポジション。グローバル市場での税務戦略や財務管理を担当。

監査法人(Big 4など)

外部監査、内部統制評価、デューデリジェンスなどの業務で活躍。特に米国企業や多国籍企業の監査業務において需要が高い。

コンサルティングファーム

M&Aアドバイザリー、企業再編、業務改善プロジェクトに携わる。財務戦略やリスク管理の専門家としてクライアントを支援。

税務専門家

グローバル税務戦略の策定や複雑な税務問題の解決。国際税務や移転価格対応のエキスパートとして企業をサポート。

企業内の経理・財務部門

財務諸表管理、予算編成、キャッシュフロー管理を担当。CFO(最高財務責任者)や経営企画部門へのキャリアパスも視野に。

USCPAの試験構成(2024年以降)

2024年から、USCPA試験は以下の「コア+ディシプリン(Core + Discipline)」モデルに基づいて行われます:

コアセクション(必須の3科目)

FAR(Financial Accounting and Reporting)

財務報告の基礎、US GAAP、IFRS、その他の会計基準に基づく深い知識を問う科目。範囲が広く、試験全体の基礎となる。

AUD(Auditing and Attestation)

監査基準や手続き、リスク管理、内部統制に関する知識が問われる科目。監査業務の実務的な内容が中心。

REG(Regulation)

米国の税務や商法に特化した科目で、税務コンプライアンスや計画策定に必要な知識が求められる。

ディシプリンセクション(選択科目)

受験者は以下の3つの選択肢から1つを選択します:

BAR(Business Analysis and Reporting)

高度な財務分析やデータ解釈に特化
コーポレートファイナンスや経営分析を深く学びたい方向け

TAX(Tax Compliance and Planning)

税務計画や国際税務の対応に重点を置いた内容
税務専門職を目指す人におすすめ

ISC(Information Systems and Controls)

ITシステムのセキュリティ、内部統制、リスク管理を中心に扱う
デジタル会計やIT分野でのキャリア形成に適している

新しい試験制度により、受験者のキャリア目標に合わせた柔軟な学習と試験選択が可能になりました。これにより、USCPA資格の実務的な価値はさらに高まっています。

USCPAがやめとけと言われるのは嘘!おすすめの理由

グローバルキャリアに活用可能な資格

USCPAは、会計分野での国際基準を証明する資格として広く認知されています。特に、外資系企業や多国籍企業でのキャリアアップに直結します。国際的なプロジェクトや米国基準の会計業務を扱う企業では、USCPA保有者の価値が非常に高いです。

短期間で取得可能

試験は各科目、独立して受験が可能です。忙しい社会人でも計画的に学習を進められ、平均1年~1年半で資格取得が可能です。他の国際資格と比べて短期間で取得できる点が魅力です。

幅広いキャリアパス

USCPAを取得すると、以下のような分野で活躍できます:

経理・財務部門:企業の財務諸表管理や予算計画
監査業務:内部統制の評価や監査対応
コンサルティング:経営戦略やM&A業務への関与
税務:国際税務戦略の構築

USCPA取得後にCFAを目指す人も多い

USCPA取得者の中には、さらなるキャリアアップを目指してCFA資格に挑戦する人も多くいます。CFAは投資分析や資産運用の高度な知識を提供し、USCPAで得た会計スキルを金融業界で応用することができます。特に、会計と金融の両方に精通した人材は、企業内で非常に高い評価を受けます。

一般的にUSCPAがやめとけと言われている理由は?

受験料が高い

USCPA試験の受験料や登録料、さらに教材費や学習講座の費用を含めると、総額で数百万円に達することがあります。しかし、資格取得後の年収アップやキャリアの広がりを考えると、この投資は十分に価値があります。

難易度が高い

試験は英語で行われ、範囲も広いため、難易度が高いと感じる人もいます。ただし、適切な教材や学習プランを活用することで、合格率を高めることが可能です。オンラインプラットフォームや模擬試験を活用することで、効率的に学習を進めることができます。

キャリアアップに繋がりづらい?

「日本では認知度が低い」との声もありますが、外資系企業やグローバル企業でのキャリア形成においては非常に高い評価を受けています。特に財務部門や監査部門でのスキルが求められるポジションでは、USCPA資格が大きな強みとなります。

尚、このような意見もありますので下の記事もご参照ください。

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USCPAとよく比較されるCFAとは?

CFAとは、Chartered Financial Analystの略で、グローバル金融の世界で圧倒的な存在感を誇る投資専門資格です。1963年に認定が開始された資格で、CFA資格保有者は、市場変化が激しいこの投資業界において最も必要とされる投資分析スキルを備えた専門家として世界で認知されています。

外資金融(アセマネ, 投資銀行, 他)や日系金融(証券会社, 商業銀行, 保険会社, 他)、商社、コンサル、事業法人、そして海外駐在や留学中の方など、キャリアアップを目指して受験する方が多い資格です。

USCPAとCFAがおすすめな人の特徴

USCPAがおすすめな人

会計・監査分野でのキャリアを目指している人

財務諸表の作成や分析、監査対応、税務処理など、会計実務で必要な知識を習得したい方に最適です。

外資系企業や国際的な業務に興味がある人

米国基準(US GAAP)や国際会計基準(IFRS)を学ぶことで、外資系企業や多国籍企業での活躍が可能です。

短期間で国際資格を取得したい人

1年~1年半で取得可能なため、忙しい社会人やキャリアチェンジを急ぐ方にもおすすめです。

コンサルティング業務に興味がある人

M&Aアドバイザリーや内部統制の構築、経営戦略の立案などの業務に興味がある方に向いています。

CFAがおすすめな人

投資や資産運用の分野に興味がある人

資産評価やポートフォリオ戦略、リスク管理などの専門知識を深めたい方に向いています。

ファンドマネジャーやリサーチアナリストを目指している人

投資信託や機関投資家向けの運用戦略を立案する仕事を目指している方に最適です。

金融業界での高度な専門性を求めている人

デリバティブ、株式分析、債券運用など、金融業界で必要なスキルを証明したい方におすすめです。

国際的な金融業界で活躍したい人

世界170カ国以上で認知されているため、グローバルな金融市場でのキャリアアップを目指している方に向いています。

USCPAを取得した後に金融業界での専門性を高めたい人

USCPAで会計の基礎を築いた後、CFAで投資や資産運用の知識を補完することで、会計と金融の両方での専門性を兼ね備えた人材になることができます。

まとめ

USCPAは、グローバルな会計スキルを習得し、短期間で国際資格を取得したい方に最適な資格です。一方で、CFAは投資分析や資産運用の高度な専門性を証明し、金融業界でのキャリアアップを目指す方に適しています。

USCPAを取得後にCFAに挑戦することで、会計と金融の両分野での専門性を兼ね備え、キャリアの選択肢を大幅に広げることが可能です。どちらの資格も、それぞれの分野で評価が高く、目指すキャリアによって選ぶべき資格が異なります。

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