この記事では、2024年を期にアップデートされるCFAプログラムの変化についてまとめています。それぞれどのような点が変わるのか、それらが何を意味するのかについて、確認しておきましょう。2024年以降の受験を考えている方は、チェック必須です！
Contents
アップデート概要
①大学生のCFA受験資格が拡大！
大学生に対するCFAプログラムの受験資格が拡大されます。これまではCFAの受験には学士課程を修了する必要（厳密には修了見込み：つまり最終学年であること）がありましたが、卒業2年前の学生でもレベルⅠ受験が認められるようになりました。CFA協会によると、CFA受験を志す学生の声に応えると同時に、倫理的でプロフェッショナルな人材を求める業界のニーズも反映した変更だということです。実際に、CFA協会との提携を通じて、CFA受験の準備をサポートしている大学も多数あります。
②実践スキルモジュール (PSM) の追加
CFAプログラムに、受験者がカリキュラムで学んだことを現場で応用できるよう、実践的なスキルトレーニングが追加されました。これは、実践スキルモジュール (PSM) と呼ばれ、ビデオ、多肢選択問題、ガイド付き演習、ケーススタディから構成される、10～15時間のトレーニングプログラムです。これは全レベル共通の変更点であり、レベル Iでは2024年2月の試験から、レベル IIでは2024年5月から、レベル IIIでは2025年から（月は未定）追加されます。
たとえば、レベルⅠでは、以下の2種類から好きなプログラムを選択肢して学習します。
→企業価値を評価するために、Excelを使ってPL, BS, CFの3つの財務モデルを構築する方法を学ぶ
→Pythonの基礎と、金融関連のデータサイエンスのプロジェクトを作成・共有するためのプラットフォーム：Jupyter Notebookの使用方法を学ぶ
参考としてこちらの動画をご覧ください。
注意しなければならないのは、試験結果を受け取るには、各レベルで最低1つのPSMを完了させなければならないことです。受験登録後、試験勉強期間中いつでも取り組むことができるため、試験結果が発表される前に必ず完了させるようにしましょう。
③レベルⅠの学習項目が一部変更に
以前までレベルⅠで学んでいた内容の一部が学習項目から外され、付属参考資料として個別に提供されるようになります。学習項目から外れる内容は、お金の時間価値、基本的な統計、ミクロ経済学、企業会計の概要などです。そして、その分、試験ではより高度な演習の概念が増え、実践的なスキルモジュール（PSM）に費やす時間が増えると発表されています。これらのトピックに触れたことのない受験生は、付属参考資料で前提知識のギャップを埋めておく必要があります。
④練習パックの提供が開始
CFA協会の調査によると、CFA合格につながる3つの要素は「学習計画の長さ」「解いた練習問題の数」「解いた模擬試験（Mock Exam）の数」であり、練習問題を1,000問解き、70%の正答率を目指すことが一つの目安だと言われています。
これに伴って、2024年からレベルⅠの練習パックが提供されるようになります。練習パックには、受験登録後に受け取る学習教材に加えて、さらに1,000問の練習問題と6回分のMock Examが含まれています。特に、このMock Examは、実際の試験を作成するのと同じチームによって作成されています。まさに試験レベルの練習問題！試験前に必ず解いておきたいですね。
⑤レベル III：コースの選択が可能に
これまで、CFAプログラムのカリキュラムは、主にバイサイドの仕事に向けた学習コンテンツが中心でしたが、2025年よりレベルⅢの試験において、プライベート・ウェルスとプライベート・マーケットの2つのコースが追加されます。受験者は、自分の興味やキャリアに応じて、現在のポートフォリオマネジメントに上記2つを加えた3つのコースから学ぶ内容を選択できるようになります。これらは、レベル IIIカリキュラムの共通学習分野に、各コースに特化したコンテンツがそれぞれ補足される形で提供されます。
⑥レベルⅠ、レベルⅡの証明となるデジタルバッジの導入
CFA資格の認知戦略の一環として、レベルⅠ、Ⅱ取得者でも利用可能なデジタルバッジが導入されます。これらのバッジは、ワンクリックでソーシャルメディアで共有でき、受験者の信頼性や実績の証明となります。レベルⅠ、Ⅱの取得者が、学んだスキルと経験、専門性、倫理的実践をアピールする材料になりますね。
まとめ
いかがでしたか？最新のトレンドや市場の要望に応えるため、CFAプログラムには定期的な変更が加えられています。これらのポイントを押さえた上で、試験勉強に臨むようにしましょう。
