キャリア

インベストメントバンカーについて理解する

インベストメントバンカー(投資銀行家)とは

インベストメントバンカーは、財務サービス業界の専門知識、分析スキル、効果的で説得力のあるコミュニケーションスキルを組み合わせ、機関投資家の資本調達やM&A等の活動をサポートする投資の専門家です。

インベストメントバンカーは、スタートアップ企業から成熟企業、場合によっては政府組織まで幅広い顧客に対して企業金融サービスを提供します。

投資銀行もしくは金融機関の投資銀行部門で働いているかに関わらず、事業や組織、企業の財務的成長や発展において重要な役割を果たします。

インベストメントバンカーという役割は、エントリーレベルからエグゼクティブバイスプレジデントのような高い役職まで様々な役割を含めて使われます。

インベストメントバンカーは何をするのか

インベストメントバンカーとして成功をすると、高収入で豊富な人脈を得ることができ、企業の成長において目立つ役割を果たすことができるため、人気の高い職業です。

しかしながら、投資銀行の日々の業務は、過酷でスピード感があり、リラックスしたワークライフバランスを好む人にとっては、相当ストレスの多い仕事かもしれません。

もし週40時間の典型的な労働時間と柔軟なスケジュールを求めているのであれば、投資銀行業界は適していないかもしれません。

投資銀行業務

顧客との強いリレーション構築に加えて、インベストメントバンカーは下記のようなアドバイス業務が求められます。

1.資本調達

  • ブックビルディング
  • 目論見書等ドラフト作成
  • IPO
  • 投資会議ロードショー開催
  • 証券発行・売り出し

2.プライベート資本の調達

3.M&A、資本売却

4.企業の再編

5.債務・資本のアドバイザリー業務

6.債券発行・市場の債券価格設定

7.ヘッジファンド、投信、年金基金のアドバイザリー

業務の責任は、その役割や顧客のニーズによって変わります。

インベストメントバンカーになるには

ほとんどの金融関連キャリアと同様に、正規な教育と数年の職務経歴で財務専門知識の基礎を築いていれば、投資銀行業界には簡単に入ることができます。

典型的なインベストメントバンカーの経歴書には、過去の財務アドバイザリーや財務管理、財務取引、一般的なビジネスコンサルの経験が含まれることが多いです。

投資銀行は通常、経営学や金融学、商学、経済学、統計学等の分野に関連する学士号や修士号を求めます。

他のキャリアバックグランドから投資銀行業界に転身することは不可能ではないですが、定量的洞察力や説得力のあるコミュニケーションスキルが不可欠となります。

インベストメントバンカーになるまでにかかる時間は、その金融機関や役割の責任によって異なります。

一般的に、”US Bureau of Labor Statistics/米国労働統計局によると、インベストメントバンカーを含む財務管理の専門家は、学士号を取得し、関連分野において少なくとも5年の経験を持って業界に入ることが一般的です。

インベストメントバンカーへの適正

投資銀行業務への応募をする前に、「なぜ投資銀行業界なのか」という問いへの答えを考えてみてください。

この質問は、投資銀行業界のキャリアに進む面接で最初に聞かれる質問です。もし、この問いに対する答えを言葉にすることが難しい場合、以下の特性であなたに合ったものを強調することを検討してみてください。

データ主導の思考力

上記の通り、インベストメントバンカーは組織の重要な財務決定を行うための助言に役立つ分析能力が必要です。必ずしも数学者としてのキャリアが求められるわけではありませんが、価格設定や財務モデルに関連する数学スキルが必要です。

営業思考のコミュニケーション力

スタートアップ企業の資金確保支援の専門家や、資本調達を行うインベストメントバンカーには、対人スキルと説得力のあるコミュニケーションスキルが重要です。

インベストメントバンカーは顧客の代理人として、効果的な文章を書く能力や公の場でのスピーキングスキルが求められます。さらに、顧客サービスの専門家として、新規投資家や新規事業の獲得をするために、「ピッチブック」の作成・プレゼンをするスキルが必要です。

倫理とコンプライアンスの主導

・最後に、熟練のインベストメントバンカーは、自身の顧客の市場に関する専知識を吸収しようと努めます。顧客の業界を規制する法規制に深く注意を向けて、顧客が長期的に収益性高くかつ倫理的に健全な決定を行うことに高い関心を持ちます。

インベストメントバンカーのキャリアパス

多くの投資銀行は、大学生や新卒者向けに有給院単を提供しており、これは必要な業務経験年数としてカウントすることができ、人脈作りにも役立ちます。

一部の投資銀行企業は、ビジネススクールでの高度な学位を持つ候補者を好むことがあるので、進学を検討する前に自分の関心のある分野の職務要件を十分に調べることが大切です。

エントリーレベルのインベストメントバンカーは、広くは「ジュニアバンカー」と呼ばれますが、役職名には、真のエントリーポジションであることを示す「アナリスト」や、経験が必要な役職であることを示す「アソシエイト」という用語が使われることが一般的です。

逆に、経験豊富なインベストメントバンカーには、「シニアバンカー」が適用され、このカテゴリーの役職としては、「バイスプレジデント(VP)」、「シニアバイスプレジデント(SVP)」「ディレクター」「マネージングディレクター」といった用語が使用されます。