USCPAホルダーであり、USCPA受験生の受験コンサルを行なっている「US-CPA職人」さんから質問を頂戴しましたのでこの記事にて回答させて頂きます!
現在、USCPAを保有されている方やこれから目指されようとしている方に取ってきっと有益な内容になっていると思いますのでぜひ参考にしてください!
USCPAホルダーがCFAを取得することのメリットは?
キャリア面
投資・金融の世界へシフトが可能
CFAが加わることで、投資銀行(M&Aや資本市場領域)やアセットマネジメント、プライベートエクイティ、ベンチャーキャピタル、などUSCPAで得られた財務関連の裏付けをエッジにしながら投資・金融領域へのチャレンジが可能となります。
投資・運用・ファイナンスのグローバル標準資格
海外ファンドやグローバル企業の財務部門、外資系投資銀行、プライベートエクイティ、ヘッジファンドなど、CFAは投資・運用・ファイナンスのグローバル標準資格とみなされており、これら領域で自身が働く場合やカウンターパーティとして相手方になる場合でもかなり評価が高いです。
ファイナンス領域でのリーダーシップ
USCPAだけでも、FP&AやFASなどのキャリアは可能かも知れませんが、CFAを掛け合わせることでより、CFOや投資戦略部門のヘッドとしてキャリアが広がります。企業価値評価や資本コストの理解、リスクマネジメントやポートフォリオ戦略など、会計・分析の専門家に留まらず、より高いレベルでのリーダーシップを発揮可能になります。
学習面
USCPAとCFAの内容で重複する内容はこちらの記事でまとめていますのでご確認下さい。結論だけお伝えすると、FARとBARの項目は大部分が被っており、AUDは一部分が被っています。USCPAで身に付けた英語で問題を解く力だけでなく、内容自体も活用できますのでかなり親和性が高いと言えます。

USCPAホルダーがCFA試験にチャレンジする上で気をつけるべきことは?
ListeningとSpeakingはCFAでも不要
CFAもUSCPAと同じでListeningとSpeakingは不要です。基本的にはReadingがメインでレベル3だけWritingが必要になります。USCPAホルダーのみなさんであればReadingはほぼ問題無いと言えるでしょう。大変なのはレベル3のWritingになると思います。
レベル別の問題形式について
レベル1
一問一答形式(MCQ)で3択問題です。USCPAの4択問題に比べて選択肢は少ないので、USCPAホルダーであれば、すぐに慣れるかと思います。前半90問 / 後半90問でそれぞれ2時間15分ずつ、合計で4時間30分の試験になります。1問当たり90秒で問題を解かなければいけないので、質問文を読んだら直ぐに解法を思い浮かべられるぐらいまで習熟しておく必要があります。
レベル2
Vignetteと呼ばれるケース文を読んだ上で、3択問題を4問ずつ解くことを前半11問 / 後半11問で行います。合計で88問解くことになります。時間は前半/後半それぞれ2時間12分で合計4時間24分です。小問1問当たり3分で解く必要があります。ケース文を読む時間も含めての解答時間ですので、レベル1と同様、質問文を読んだら直ぐに解法を思い浮かべられるぐらいまで習熟しておく必要があります。
レベル3
試験全体の内、半分がレベル2と同様でVignetteと呼ばれるケース形式の問題、残り半分がWritingが必要なEssay問題となります。Vignetteの対策はレベル2と同じですが、Writingに関しては、自身で答案を書く形式になるので、単純な暗記・計算力だけでなく、文章読解力や論理的表現力が問われます。但し、長文は不要で「キーワード+短文」で十分で採点者は「解答の質よりも得点となる要点が含まれているか」を重視しているので、ネイティブ並みの英語力は不要で、構造的に答える訓練が必要と言えます。
対策をしっかりと立てれば英語力はそこまでなくても大丈夫
レベル3のEssay問題は特に、英語力がないと難しいのでは無いかと感じるかもしれませんが、CFA協会自体が明言している通り、CFAは英語の試験ではありません。Essay問題と呼ばれはしますが、こなれた英語表現など長文は不要で「キーワード+短文」で聞かれていることを端的に答えればそれで十分です。英文法などの誤りも特段減点対象になりません。内容理解をしっかりして、採点者に要点が伝われば良いのです。
その他、USCPAホルダーに関係なく諸々の質問
海外勤務・外資金融にどの程度有利?
海外事業M&A・PMI担当・経営企画、海外アセットを対象にしたファンドなど、海外駐在のポジションでそれらの役割を担うケースも多く、グローバル領域でのビジネスでかなり重宝されているようです。外資系金融機関ではほぼ必須のクレデンシャルと言われており、知らない人はいないほどの資格と言えます。CFA資格が必須・歓迎スキルとして多数掲載されています。(出所:株式会社コトラ)
CFAのレベルはどの程度まで取得するのがいい?
レベル1合格
CFAレベル1に合格すると、金融・投資分野に関する基礎的な知識と倫理観を習得していることの証明となり、特に実務未経験者やキャリアの浅い若手にとっては、学習意欲とポテンシャルを示す際にかなり有効です。新卒1年目で証券リテール部署やIT部署に配属された方が、レベル1合格後に投資銀行部署への異動を勝ち取った事例、社会人3年目で大企業RMだった方がレベル1合格後に業界1位の他社M&A部署に転職を勝ち取った事例、アセマネ会社でオペレーション部署勤務だった方がレベル1合格後に運用部署に異動したケースなど、様々な事例があります。
レベル2合格
レベル2に合格すると、企業分析、株式評価、ポートフォリオ管理などの知識を実務に応用する能力があるとみなされます。特に、企業の投資分析部門やリスク管理部門などで即戦力と評価され、レベル1よりも更に幅広い専門領域でのキャリアアップが可能となります。US-CPA × CFAレベル2合格のステータスがあれば、大凡の投資・金融領域でのキャリア転向のチャンスはあるのでは無いかと考えられます。
レベル3合格
最終関門であるレベル3に合格し、CFAホルダーとなると、投資運用プロセス全体を統括し、戦略的な意思決定ができる専門家として認められ、資産運用会社のポートフォリオマネージャーや投資銀行の上級アナリスト、あるいは企業の財務戦略責任者といった、より責任ある立場への道が開かれます。特に、国際的な金融機関やグローバル企業の上級職や管理職のポジションでは、CFA保有者が優遇される傾向が顕著であり、より高い年収や責任ある役割に挑戦できる可能性が高まります。
(参考:JAC Recuruitting)
CFA取得してよかったなと思うことは?
FA-Academy受講生の生の声をまとめていますのでこちらの記事をぜひ一度ご覧ください!キャリアの幅が広がる点、グローバルに金融プロフェッショナルのネットワークが構築可能できる点、金融専門知識を深下可能な点などが挙げられます。

予備校なども存在する?独学は可能?
独学でも合格は可能ですが正しい勉強法で進めていかないと、高い受験料と教材費が全て無駄になる可能性もありますので、弊社(FA-Academy)のような予備校を利用して、受験者の状況に応じた最低な戦略プランで学習を開始するのがおすすめです。日本では弊社とTACがサポートコンテンツを提供しております。弊社サービスと他社サービスの違いについて、しっかりと内容を吟味の上、決定されるのが宜しいかと思います。


試験は英語のみ?CBT方式?年何回受けられる?
試験は全て英語で行われます。US-CPAと同様でCBT(Computer Based Test)で、東京ですとお茶の水のPrometricセンターで受験することになります。レベル1は年4回(2月,5月,8月,11月)に実施、レベル2は年3回(5月,8月,11月)、レベル3は2回(2月, 8月)で行われます。試験を受ける間隔は必ず6ヶ月を空けないといけません。
数学や金融工学のバックグラウンドが必要?定量分析などの難易度は?
正直申し上げて、CFA試験では数学的素養はそこまで必要では無いかと思います。大学受験のような高いレベルでの数学力は不要で、一次関数/二次関数/簡単な確率問題レベルの計算力があれば十分かと思います。統計なども扱いますが、計算力というよりはどちらかというと知識を問う問題の方が多く、与えられた図表から何が言えるかを理解していることが重要になります。レベル2のデリバティブで一部金融工学(オプション価値理論)などは出てきますが計算させる問題ではなく、その意味を問う問題がメインですのでこちらも心配ないかと思います。
