最終更新日:2025年10月時点
Contents
CFAとは?(米国証券アナリストとは?)
- CFA(Chartered Financial Analyst)とは、国際的な金融プロフェッショナル資格で、世界共通の評価基準として認知されている金融分野の最高峰資格。
- 英国政府が認定した海外資格評価機関(ECCTIS)の調査では、資格保有者は、修士(Master’s Degree)レベルに相当すると評価。
CFAはどんな人におすすめ?
資産運用会社・投資銀行・ヘッジファンド・PEファンド・外資系金融機関などの金融プロフェッショナル人材や、当該領域へのキャリアチェンジを目指す、会計士・戦略コンサル・商社・事業法人の投資部署/経営部署勤務者などが目指すことが多い。

CFA資格を目指す理由は?メリットは?
- 高額な報酬を目指せるグローバル金融領域へのキャリアアップが可能
- 金融大学院(Master in Finance)と同等評価の資格をコスパ/タイパよく取得可能
- グローバル金融領域の投資知識を体系立てて学ぶことが可能
- 世界160地域以上にあるコミュニティに所属可能(海外在住時の機会拡大)
- グローバル金融領域で認知度高く、初対面でも相手から評価されやすい
その他、詳細は以下投稿をご参照。


CFA試験の受験資格は?
CFA レベル1 受験資格
以下のいずれかを満たしていること
- 学士号(または同等の大学課程)を取得していること
- 学士号を取得予定で試験日が卒業まで23ヶ月以内であること
- 業務経験(有償インターンシップ等を含む、所謂社会人経験)を合計4,000時間以上、最低3年以上の連続した期間していること
CFA レベル2 受験資格
以下全てを満たしていること
- レベル1に合格していること
- 試験日が卒業まで11ヶ月以内であること
CFA レベル3 受験資格
以下全てを満たしていること
- レベル2に合格していること
- 試験登録時点で学士号を取得している、または、必要な業務経験(有償インターンシップ等を含む、所謂社会人経験)を合計4,000時間以上、最低3年以上の連続した期間していること
CFA資格取得要件は?
以下全てを満たしていること
- レベル1、レベル2、レベル3のすべてに合格すること
- 4,000時間以上の投資意思決定プロセスに関わる専門業務経験を最低36ヶ月以上経験していること
- プロフェッショナル・リファレンスを3名より取得すること(この3名はCFAホルダーである必要無し)、または、所属予定のローカルCFA SocietyのCFAホルダー2名による推薦
CFA登録料と受験料は?
CFA協会登録料
- USD 350
試験受験料
CFA レベル1 受験料
- Early Registration:USD 1,140
- Standard Registration:USD 1,490
CFA レベル2 受験料
- Early Registration:USD 1,140
- Standard Registration:USD 1,490
CFA レベル3 受験料
- Early Registration:USD 1,240
- Standard Registration:USD 1,590

CFA試験の開催日程は?
CFA レベル1 試験日程
- 毎年2月、5月、8月、11月に開催
CFA レベル2 試験日程
- 毎年5月、8月、11月に開催
CFA レベル3 試験日程
- 毎年2月、8月に開催
受験日程はそれぞれ6ヶ月間の間隔が必要。例えば、2月にレベル1に合格したらレベル2を受験可能なのは8月以降となる。不合格の場合も同様で次回レベル1受験は8月以降となる。
CFA試験の受験形式は?
- CBT(Computer Based Test)/コンピューターベース試験
- Prometric/プロメトリック株式会社の受験会場にて実施
- 世界各国主要都市で実施(日本は東京と大阪)
出所:Prometric
CFA試験各レベルの概要は?
CFA レベル1 試験概要
試験時間
- 前半2時間15分、後半2時間15分、合計4時間30分
出題形式
- 一問一答形式による3択問題
出題数
- 前半90問、後半90問、合計180問
出題科目と出題比率
出題科目 | 出題比率 |
倫理及び職業上の基準(Ethical and Professional Standards) | 15-20% |
計量分析(Quantitative Methods) | 6-9% |
経済(Economics) | 6-9% |
財務諸表分析(Financial Statement Analysis) | 11-14% |
企業発行体(Corporate Issuers) | 6-9% |
株式投資(Equity Investments) | 11-14% |
債券投資(Fixed Income) | 11-14% |
デリバティブとリスク管理(Derivatives and Risk Management) | 5-8% |
オルタナティブ投資(Alternative Investments) | 7-10% |
ポートフォリオ管理(Portfolio Management) | 8-12% |
合格目安
- 試験毎にCFA協会が最低合格点を算出するため、一概には言えないが、大体7割程度の得点率で合格すると言われている
過去合格率
年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2024/2 | 16,932 | 7,415 | 44% |
2024/5 | 21,116 | 9,666 | 46% |
2024/8 | 24,937 | 11,050 | 44% |
2024/11 | 26,404 | 11,293 | 43% |
2025/2 | 19,848 | 8,935 | 45% |
2025/5 | 24,227 | 10,916 | 45% |
2025/8 | 26,192 | 11,262 | 43% |

CFA レベル2 試験概要
試験時間
- 前半2時間12分、後半2時間12分、合計4時間24分
出題形式
- Vignetteと呼ばれるケース文を前提とした3択問題
- 大問1問あたり小問4問で構成
出題数
- 前半大問11問(小問44問)、後半大問11問(小問44問)、合計大問22問(小問88問)
- 出題問題の内、大問2問はダミー問題で採点されない
出題科目と出題比率
出題科目 | 出題比率 |
倫理及び職業上の基準(Ethical and Professional Standards) | 10-15% |
計量分析(Quantitative Methods) | 5-10% |
経済(Economics) | 5-10% |
財務諸表分析(Financial Statement Analysis) | 10-15% |
企業発行体(Corporate Issuers) | 5-10% |
株式投資(Equity Investments) | 10-15% |
債券投資(Fixed Income) | 10-15% |
デリバティブとリスク管理(Derivatives and Risk Management) | 5-10% |
オルタナティブ投資(Alternative Investments) | 5-10% |
ポートフォリオ管理(Portfolio Management) | 10-15% |
合格目安
- 試験毎にCFA協会が最低合格点を算出するため、一概には言えないが、大体6割後半の得点率で合格すると言われている
過去合格率
年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023/11 | 14,585 | 6,377 | 44% |
2024/5 | 14,304 | 8,386 | 59% |
2024/8 | 8,879 | 4,166 | 47% |
2024/11 | 13,589 | 5,324 | 39% |
2025/5 | 15,000 | 8,062 | 54% |

CFA レベル3 試験概要
試験時間
- 前半2時間12分、後半2時間12分、合計4時間24分
出題形式(2つ)
- 3択問題:Vignetteと呼ばれるケース文を前提とした3択問題/大問1問あたり小問4問で構成(レベル2同様)
- Essay問題:上記Vignetteを前提とした記述問題/大問1問あたり小問3問〜4問で構成
出題数
- 前半:3択問題6問、Essay問題5問 or 3択問題5問、Essay問題6問
- 後半:3択問題5問、Essay問題6問 or 3択問題6問、Essay問題5問
- 出題問題の内、2問はダミー問題で採点されない
出題トピックスと出題比率
共通科目と選択科目で構成される。選択科目はポートフォリオ管理、プライベート市場、プライベートウェルスから試験申込時に選択。
出題トピックス | 出題比率 |
倫理及び職業上の基準(Ethical and Professional Standards) | 10-15% |
デリバティブとリスク管理(Derivatives and Risk Management) | 10-15% |
ポートフォリオ構築(Portfolio Construction) | 15-20% |
アセットアロケーション(Asset Allocation) | 15-20% |
パフォーマンス指標(Performance Measurement) | 5-10% |
選択科目:ポートフォリオ管理(Portfolio Management) | 30-35% |
選択科目:プライベート市場(Private Market) | 30-35% |
選択科目:プライベートウェルス(Private Wealth) | 30-35% |
合格目安
- 試験毎にCFA協会が最低合格点を算出するため、一概には言えないが、大体6割後半の得点率で合格すると言われている
過去合格率
年月 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2023/2 | 14,858 | 7,102 | 48% |
2023/8 | 16,035 | 7,585 | 47% |
2024/2 | 13,619 | 6,734 | 49% |
2024/8 | 16,947 | 8,081 | 48% |
2025/2 | 11,131 | 5,441 | 49% |

CFA試験の結果通知方法は?
- 試験終了後、5-8週間で試験結果がメールにて通知されます(CFA協会ホームページの個人アカウントでも確認可能です)。
- 通常、Level1が最も早く、Level2、Level3の順番で結果がリリースされます。
- 試験結果を受け取るにはPSM(Practical Skills Modules)と呼ばれるオンラインコースを完了させる必要がありますので、結果発表までに終わらせておきましょう。
CFAと日本の証券アナリスト(CMA)との比較
証券アナリスト取得者がCFAを目指す理由
- CFAは金融プロフェッショナルのグローバルスタンダードとして評価されており、認知度も非常に高く、キャリアアップ上有効です。
- 日本の証券アナリストは国内では高い認知度と評価を受けていますが、残念ながらグローバルでは認知されていません。
- グローバル金融領域での活躍機会と高い報酬を目指す方が証券アナリストと共に目指すケースが多いです。
CFAと証券アナリストの類似点
- 証券アナリストで学習する内容の多くは、CFA Level1とLevel2の学習内容と重複しており、多くの知識がそのまま利用可能です。
- 以下相違点に気をつけて学習をすれば効率的に学習を進めることができます。
CFAと証券アナリストの主な相違点
- 全て英語で試験が行われること
- 会計基準が日本基準ではなく国際会計基準(IFRS)と米国会計基準(US-GAAP)であること
- オルタナティブ投資の範囲がより広く深いこと
- 倫理規範および職業行為基準が独特で全く異なるものと考えた方が良いこと など
詳細に関しては以下の投稿もご参照


出所:日本証券アナリスト協会
CFAとUS-CPAとの比較
US-CPA取得者がCFAを目指す理由
- 一般的にCPA資格は、監査法人や経理財務部門に限定されがちですが、CFAを併せ持つと投資銀行、CFO・経営企画職、アセットマネジメント、Private Equity、Venture Capital、リサーチなど、キャリアの選択肢が一気に広がります。
- 特に年収アップを目指す際、金融領域への転職を考えることが多いですが、その際、US-CPAにCFAを掛け合わせることでキャリアアップを目指す方が多いです。
CFAとUS-CPAの学習項目類似箇所
- US-CPAで学習する、Financial Accounting and Reporting (FAR)、Business Analysis and Reporting (BAR)の財務諸表に関連する内容の多くは、CFAで学習する、Financial Statement Analysisと重複しています。
- また、Auditing and Attestation (AUD)で学習する景気循環の話題やコーポレートガバナンスの話題などはCFAで学習するEconomicsやCorporate issuersと重複しています。
その他、US-CPAとの比較は以下投稿を参照


出所:Blueprint
CFA資格予備校を選ぶ上で重要なポイント
- インプットに一次情報であるCFA協会テキストを重要視していること
- 演習問題に試験作成者であるCFA協会の公式問題を重視していること
- 日本語参考テキストを電子ベース(PDF)で提供していること
- CFAに関連する質問をオンタイムで可能なこと
- いつ申し込んでもタイミング関係無く学習開始可能なこと
- 無理なスケジュールにならないように個別相談に乗り正しいタイミングでの受験になるようにしていること
- 受講生と近い位置でアジャイルにサポート内容を構築し柔軟に提供していること
- キャリア支援コンテンツも提供していること
- 最新の情報を適時適切にコンテンツに反映していること
- 日本で最もCFA受験者を熱量高く応援していること
詳細は以下を参照

CFA試験合格者対談
CFAは金融業界転職・キャリアアップにどう役立つか
海外勤務・外資金融に有利
海外事業M&A・PMI担当・経営企画、海外アセットを対象にしたファンドなど、海外駐在のポジションでそれらの役割を担うケースも多く、グローバル領域でのビジネスでかなり重宝されているようです。外資系金融機関ではほぼ必須のクレデンシャルと言われており、知らない人はいないほどの資格と言えます。CFA資格が必須・歓迎スキルとして多数掲載されています。
(参考:株式会社コトラ)
CFAのレベルはどの程度まで取得するのがいい?
レベル1合格
CFAレベル1に合格すると、金融・投資分野に関する基礎的な知識と倫理観を習得していることの証明となり、特に実務未経験者やキャリアの浅い若手にとっては、学習意欲とポテンシャルを示す際にかなり有効です。新卒1年目で証券リテール部署やIT部署に配属された方が、レベル1合格後に投資銀行部署への異動を勝ち取った事例、社会人3年目で大企業RMだった方がレベル1合格後に業界1位の他社M&A部署に転職を勝ち取った事例、アセマネ会社でオペレーション部署勤務だった方がレベル1合格後に運用部署に異動したケースなど、様々な事例があります。
レベル2合格
レベル2に合格すると、企業分析、株式評価、ポートフォリオ管理などの知識を実務に応用する能力があるとみなされます。特に、企業の投資分析部門やリスク管理部門などで即戦力と評価され、レベル1よりも更に幅広い専門領域でのキャリアアップが可能となります。US-CPA × CFAレベル2合格のステータスがあれば、大凡の投資・金融領域でのキャリア転向のチャンスはあるのでは無いかと考えられます。
レベル3合格
最終関門であるレベル3に合格し、CFAホルダーとなると、投資運用プロセス全体を統括し、戦略的な意思決定ができる専門家として認められ、資産運用会社のポートフォリオマネージャーや投資銀行の上級アナリスト、あるいは企業の財務戦略責任者といった、より責任ある立場への道が開かれます。特に、国際的な金融機関やグローバル企業の上級職や管理職のポジションでは、CFA保有者が優遇される傾向が顕著であり、より高い年収や責任ある役割に挑戦できる可能性が高まります。
(参考:JAC Recuruitting)