米国駐在が決まり、現地で証券業務に関わることになったら、最初に知るべきは「どの資格試験を、どの順番で受けることになるのか」です。必要になるのは SIE(証券業界の共通試験)、Series 7(一般証券外務員)、Series 63(州法の試験)の3つで、原則この順に受けます。

そのうえで、日本の感覚と最も違う点がひとつあります。これらは個人が自由に申し込める資格試験ではなく、勤務先を通じた登録制度の一部だということです。SIEは18歳以上なら誰でも受験でき合格は4年間有効ですが、Series 7以上はFINRA加盟会社に所属し、その会社のスポンサー(Form U4の提出)を受けていることが受験の条件になります。つまり、赴任前に自費で先に取っておけるのはSIEまでです。

この記事では、3つの試験がそれぞれ何を問うものなのか、FINRA登録の仕組み、問題数・試験時間・合格基準・受験料、日本の証券外務員資格との違い、そして米国駐在の金融パーソンがなぜCFA®︎(米国証券アナリスト)に向かうのかまでを、FINRAとNASAAの公開情報をもとに日本語で整理します。

結論:必要になるのはSIE・Series 7・Series 63の3つ。先に取れるのはSIEだけ

米国駐在が決まった金融機関の方から、「向こうで必要になる資格を今のうちに取っておきたい」というご相談をいただくことがあります。まず、必要になる試験を並べます。

  • SIE(Securities Industry Essentials)——証券業界の共通試験。すべての登録の入口
  • Series 7(General Securities Representative)——一般証券外務員。株式・債券・投資信託・オプションまで扱える登録
  • Series 63(Uniform Securities Agent State Law)——州法の試験。大半の州が課す

このうち自分の意思だけで先に取れるのはSIEだけです。理由は、米国の証券外務員登録が個人の資格試験ではなく、所属する証券会社(broker-dealer)を通じた登録制度だからです。FINRAは、Series 7のような登録外務員レベルの試験について「FINRA加盟会社または他の自主規制機関(SRO)の会員会社に所属し、その会社のスポンサーを受けていることが受験の条件」と明示しています。会社がForm U4を提出し、そこで初めて受験の手続きが動きます。

一方でSIEは2018年10月に導入された共通試験で、業界との関係を問わずに受験できます。18歳以上であれば米国市民である必要もなく、合格は4年間有効です。この4年という有効期限があるため、赴任の1〜2年前からSIEを先に片づけておくという段取りが現実的な選択肢になります。

そもそもSIE・Series 7・Series 63とは何か

3つとも証券外務員になるための試験ですが、役割はそれぞれ違います。日本の資格に引き寄せて言えば、SIEとSeries 7を合わせたものが一種外務員資格に近く、そこにSeries 63という「営業する州ごとの許可」が乗ってくる——この対応関係を先に頭に入れておくと、以降の話が整理しやすくなります。

SIE|証券業界の共通試験。ここだけは誰でも受けられる

SIE(Securities Industry Essentials)は、2018年10月にFINRAが導入した共通試験です。それまで各試験に散らばっていた「証券業界で働く人なら誰でも知っているべき基礎」を1本に切り出したもので、どの登録を目指す人も最初に通ります

問われるのは、証券市場の仕組み(発行市場と流通市場、規制当局の役割)、商品の種類(株式・債券・投資信託・オプション・変額商品など)とそれぞれのリスク、顧客口座と取引の基礎、禁止行為とその帰結です。個別商品の細かい実務ではなく、業界の地図を問う試験だと考えてください。

この試験だけはスポンサー不要で、18歳以上なら誰でも受けられます。ただしSIEに合格しただけでは、どの業務も行えません。Series 7などの登録外務員試験とセットで、初めて登録が成立します。

Series 7|一般証券外務員。扱える商品の幅が最も広い

Series 7(General Securities Representative Exam)は、証券会社の担当者として顧客に商品を勧誘・販売するための登録試験です。登録されると、株式、社債、地方債、投資信託、変額年金、オプション、DPP(直接参加型プログラム)など、扱える商品の範囲が最も広くなります。

出題の中心は、顧客との関係(口座開設、適合性の判断、注文の受託と執行、顧客資産の管理)と、商品ごとの知識・規制です。日本の一種外務員資格に最も近い位置づけですが、オプションと地方債(municipal bonds)の比重が大きい点が日本と決定的に違います。ここが日本語話者にとっての難所になります。

受験には勤務先のスポンサーが必要です。またSIEとは「共通要件(corequisite)」の関係にあり、General Securities Representativeとして登録するには両方の合格が必要です。

Series 63|州法の試験。FINRAではなく州の要件

Series 63(Uniform Securities Agent State Law Examination)は、FINRAの要件ではありません。NASAA(North American Securities Administrators Association/北米証券管理者協会)が作成し、FINRAが実施する試験で、各州が自州で営業する外務員に課している登録要件です。

問われるのは州レベルの証券規制です。州への登録手続き、不公正な取引慣行と詐欺的行為の禁止、州当局の権限と処分、各州が採用しているUniform Securities Actの考え方。SIEやSeries 7で扱う連邦法(SEC・FINRAのルール)とは別の層だと理解してください。

大半の州がこの試験を課すため、実務上はSeries 7とセットで準備し、続けて受験するのが一般的です。

FINRA登録とは何か|日本の外務員登録と何が違う

登録の主体は「人」ではなく「会社を通じた人」

日本で証券外務員として働くには、日本証券業協会の外務員資格試験に合格し、所属会社を通じて外務員登録を行います。会社を通じて登録するという骨格は米国も同じですが、米国のほうが「会社が先、試験が後」という順序がはっきりしています。

米国では、証券会社に採用されると、会社がForm U4(Uniform Application for Securities Industry Registration or Transfer)を中央登録機構(CRD)に提出します。このU4の提出によって受験資格が発生し、必要な試験に合格して初めて登録外務員(registered representative)になります。SIEについてはU4の提出なしで受験できますが、合格結果がCRD上の記録として取り込まれるのは、会社がU4を提出した時点です。

つまり、日本でいえば「内定が出てから外務員試験を受ける」流れが制度として固定されている、と考えると理解しやすいはずです。

SEC・FINRA・州の三層構造

米国の証券規制は、連邦のSEC(Securities and Exchange Commission/証券取引委員会)、自主規制機関であるFINRA(Financial Industry Regulatory Authority)、そして各州の証券当局という三層で構成されています。

FINRAはSECの監督のもとで証券会社と外務員を規制する自主規制機関(SRO)で、資格試験の作成・実施と登録の管理を担っています。これに対して、州ごとの登録要件を定めているのは州当局で、その試験を作成しているのがNASAA(North American Securities Administrators Association/北米証券管理者協会)です。Series 63がここに該当します。

日本では金融庁と日本証券業協会の二層で完結するのに対し、米国では州という層が実務上の手続きに直接効いてくる——ここが日本の感覚と最もずれる部分です。

試験の全体像|問題数・試験時間・合格基準・受験料

駐在する日本人金融パーソンに関係するのは、実質的に次の3つです。数字はいずれもFINRAが公開している試験情報と各試験の試験要項(Content Outline)に基づいています(2026年9月時点)。

SIESeries 7Series 63
位置づけ証券業界の共通試験一般証券外務員州法(NASAA作成)
採点される問題数75問125問60問
採点されない予備問題5問5問5問
当日出題される合計80問130問65問
試験時間1時間45分3時間45分75分
合格基準707260問中43問
受験料$100$395$147
スポンサー不要必要州の登録要件

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この表の読み方で、間違えやすいところが2つあります。

ひとつは合格基準です。SIEの「70」、Series 7の「72」は合格に必要な得点であって、合格率ではありません。ウェブ上には「Series 7の合格率は72%」という表記が日本語・英語を問わず出回っていますが、これはこの合格基準点を取り違えたものです。FINRAは各試験の合格率を公表していません。

もうひとつは予備問題(pretest questions)です。3つの試験はいずれも、採点対象の問題に加えて採点されない予備問題が5問混ぜて出題されます。どれが予備問題かは受験者には分かりません。したがって当日画面に出てくるのは、SIEが80問、Series 7が130問、Series 63が65問です。

これは時間配分に直接効きます。試験時間は合計問題数に対して与えられるので、1問あたりの持ち時間は採点対象の問題数ではなく合計で割って計算します。Series 7なら225分÷130問で1問あたり約1分44秒。125問で計算すると1分48秒となり、4分ほど余裕を見誤ることになります。

スポンサー要件|Series 7は「誰でも受けられる試験」ではない

赴任前に日本でできること・できないこと

ここが日本語の情報が最も少なく、かつ実務上いちばん重要な論点です。整理すると次のようになります。

やりたいこと赴任前理由
SIEの受験・合格できる18歳以上なら所属を問わず受験できる。合格は4年間有効
Series 7・63の予習できる出題範囲は公開されている。英語の証券実務用語を先に潰しておける
CFA®︎の学習開始できる勤務先のスポンサーは不要。Series 7と対象商品が重なるため相互に効く
Series 7の受験できないFINRA加盟会社のスポンサーとForm U4の提出が前提
Series 63の受験・州登録できない州への登録は会社を通じて行う

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赴任が決まってから現地の業務が立ち上がるまでの期間は、多くの場合それほど長くありません。その限られた期間に、英語で書かれた試験を、英語で初めて触れる米国固有の商品を含めて突破することになります。だからこそ、スポンサー不要のSIEを先に終わらせておく価値があります。

SIEの4年ルールをどう使うか

SIEの合格は4年間有効です。さらに、いったん業界に登録した後に離職した場合は、離職から4年間という扱いになります。

赴任が2年以内に見えているなら、SIEを先に取っておくのは合理的です。逆に、赴任の可能性はあるが時期が読めないという段階であれば、SIEの受験そのものより、英語の証券実務用語を日本語の知識に接続しておく作業のほうが無駄になりません。

3つの試験の関係と、受ける順番

General Securities Representative(一般証券外務員)として登録するには、SIEとSeries 7の両方に合格する必要があります。FINRAはこの関係を「corequisite(共通要件)」と表現しています。片方だけでは登録できません。

実務上の順番は SIE → Series 7 → Series 63 です。SIEで業界の地図を頭に入れてからSeries 7の商品知識に進むほうが、学習効率も上がります。Series 7とSeries 63は出題範囲が重ならないため、同じ時期に準備して続けて受験する形が一般的です。

ただし、どの試験がいつ必要になるかは、担当する業務と顧客の所在州によって変わります。最終的な判断は必ず所属先のコンプライアンス部門に確認してください。

日本の証券外務員資格を持っている人が、実際につまずくところ

日本の一種外務員資格を持っている方であれば、証券業務の骨格——有価証券の種類、注文の種類、顧客管理、勧誘のルール——はすでに頭に入っています。制度が違うといっても、ゼロからの学習ではありません。

一方で、日本語話者が実際に時間を取られるのは、制度そのものよりも次の3点です。以下はFA-Academyが金融機関勤務の受講生から聞いてきた傾向であり、公的な統計に基づくものではありません。

つまずくところ何が起きるか具体例
英語の証券実務用語日本語では一語で知っている概念が、英語では別の言い回しで出てくる。日常の英語力とは別物suitability(顧客適合性)/breakpoint(販売手数料の逓減点)/accrued interest(経過利子)
米国固有の商品日本に同じ形の商品がなく、既知の商品との比較で覚えられない地方債(municipal bonds)の税務上の扱い/DPP(直接参加型プログラム)/変額年金
規制の細部と数字条文に紐づく数字を、英語で覚え直す必要があるRegulation Tの証拠金率/Rule 144の転売制限/各種の届出期限

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逆に言えば、日本語で意味を理解している概念に英語のラベルを貼り直す作業が学習の中心になります。ここが、日本語話者にとっての本当の負荷です。

帰任後のキャリアにどうつながるか|Series 7は米国でだけ効く

Series 7は米国で証券業務を行うための登録要件であり、帰任してその会社を離れると登録は終了します。日本国内での転職市場において、Series 7そのものが直接の評価材料になる場面は多くありません。

では駐在経験は評価されないのかというと、まったく逆です。評価されるのは資格そのものではなく、米国市場の実務を現地で回した経験のほうです。運用会社、外資系金融、事業会社の財務・IRなど、海外市場に接する仕事では、この経験が効きます。

ただし、経験は放っておいても言語化されません。「ニューヨークで3年、法人営業を担当していました」は職務経歴書の一行にしかならない。その3年をどこでも通用する専門性として証明できる形に変換しておく——ここで出てくるのがCFA®︎です。CFA®︎と転職の実態をまとめた記事資産運用会社への転職でも触れているとおり、運用・調査系のポジションではCFA®︎が求人票に並ぶ頻度が高く、駐在経験との組み合わせは強い材料になります。

駐在中の学習環境については海外駐在中にCFA®︎を取るという選択、赴任そのものを勝ち取る方法については海外駐在を勝ち取る方法でも扱っています。

米国駐在の金融パーソンがCFA®︎に向かう理由

FA-Academyには、米国をはじめ海外駐在中の受講生が一定数いらっしゃいます。駐在中にCFA®︎(Chartered Financial Analyst/米国証券アナリスト)の学習を始める方は多いというのが実感です。理由は4つあります。

理由1|米国の金融の現場では、CFA®︎の知名度が圧倒的

駐在してすぐ気づくことのひとつが、CFA®︎という資格の存在感の違いです。

CFA®︎は米国で生まれた資格で、運営するCFA協会(CFA Institute)も米国に本部を置いています。会員は世界で約20万人、160の市場に広がっていますが、その中心は今も米国です。最大の支部であるCFA Society New Yorkは会員1万人超で、世界142以上ある支部の中で最大。1937年にベンジャミン・グレアムを含む約20名のアナリストで発足した組織が、いまのニューヨークの金融街の共通言語になっています。対して日本のCFA協会会員は約2,000名——ニューヨーク一都市で、日本全体の5倍以上がいる計算です。

この差は日常の風景として出てきます。運用会社・投資銀行のリサーチ・プライベートバンクの求人票に「CFA charterholder preferred」と書かれているのを目にする頻度、名刺や署名に「, CFA」を付けている同僚の多さ、面談の相手が肩書きを見て何も説明を求めてこないこと。この資格が何を意味するかを説明する必要がない環境——それが米国の金融の現場です。日本で「CFAって何ですか」から始めなければならないのとは、前提がまるで違います。

駐在中にCFA®︎の学習を始める方が多いのは、この温度差を現地で肌で感じるからでもあります。逆に言えば、資格の価値が最も伝わる場所にいる期間に取り組めるのが駐在者の特権です。

理由2|SIE・Series 7で覚えた英語が、そのままCFA®︎の土台になる

SIEとSeries 7の学習で最も時間を取られるのは、前述のとおり英語の証券実務用語です。この負荷は一度きりで、いったん英語で証券の話ができるようになれば、その資産は次にそのまま持ち越せます

CFA®︎のカリキュラムは、Equity(株式)、Fixed Income(債券)、Derivatives(デリバティブ)、Financial Statement Analysis(財務諸表分析)、Ethics(職業倫理)などで構成されます。Series 7で扱う商品——株式、債券、地方債、オプション、投資信託——と、対象そのものは大きく重なります。違うのは視点です。Series 7が「顧客に販売するために知っておくべきこと」を問うのに対し、CFA®︎は「投資対象として評価するために分析すること」を問います。

つまり、Series 7を終えた時点で、CFA®︎の入口にあたる語彙と商品知識はかなりの部分が揃っています。ゼロから始めるより明らかに近い位置にいる、というのが駐在者の有利な点です。

理由3|Series 7は「米国で働くための免許」、CFA®︎は「どこでも通用する専門性」

米国で働いている金融駐在員の多くがCFA試験を受験しています。

Series 7CFA®︎
性格米国で証券業務を行うための登録要件投資分析・運用の専門性を示す国際資格
受験の条件勤務先のスポンサーが必要個人で出願できる
視点販売する側投資する側
扱う内容商品知識・規制・顧客対応分析・評価・ポートフォリオ・倫理
効く範囲米国国内・在籍中のみ国を問わない
帰任後登録は終了する職務経歴に残る

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Series 7は駐在期間を成立させるための資格、CFA®︎は駐在期間の先を作るための資格です。

理由4|駐在期間そのものが、学習に向いている

駐在期間は凡そ5年程度で設計されるのが一般的ですが、その間にCFA®︎Level 1からLevel 3まで取り切ってしまう方が多いです。

駐在中は日常が英語環境です。CFA®︎の試験はすべて英語で行われるので、この環境はそのまま追い風になります。「英語で学ぶ」ことのハードルが人生で最も低い時期に当たる、と考えてよいはずです。

ただし、赴任の立ち上がり期はSeries 7の準備と業務の習得で埋まります。現実的な順番は「まずSIEとSeries 7を終える → 業務が落ち着いたところでCFA®︎ Level 1に着手する」です。帰任時期から逆算して、CFA資格の取得を駐在中に終えると、帰任後の選択肢の幅が変わります。帰任の3〜6ヶ月前が次のキャリアを考え始めるタイミングとして最も多いというのが、私たちが受講生から聞いている実感なので、そこから逆算すると着手は早いほど楽になります。

何から始めるか

CFA®︎の受験資格・試験概要・費用・勉強法はCFA試験の完全ガイドに、資格そのものの価値と難易度はCFAとは|価値・メリット・難易度にまとめています。合格までにかかる費用はこちらの記事、独学で進められるかどうかは独学で合格できるのかが参考になります。Level 1の全体像はCFA®︎ Level 1の受験方法に整理してあります。

よくある質問

Q1. SIEはまだ日本にいるうちに受験できますか?

できます。SIE(Securities Industry Essentials)は18歳以上であれば証券会社との雇用関係がなくても受験でき、米国市民である必要もありません。合格は4年間有効なので、赴任前や赴任直後にSIEだけ先に片づけておき、現地でSeries 7に集中するという順番が成立します。受験はプロメトリック等のテストセンターで行い、受験料は100ドルです。

Q2. Series 7を自費で先に受けておくことはできますか?

できません。Series 7のような登録外務員(representative)レベルの試験は、FINRA加盟会社または他の自主規制機関の会員会社に所属し、その会社のスポンサーを受けていることが受験の条件です。会社がForm U4を提出して初めて受験手続きに進めるため、個人が先回りして取得しておくことはできません。先に取れるのはSIEまでです。

Q3. SIEとSeries 7はどちらを先に受けるべきですか?

SIEが先です。SIEとSeries 7は前後関係のある「共通要件(corequisite)」で、General Securities Representativeとして登録するには両方の合格が必要です。SIEは証券業界の共通知識、Series 7はその上に乗る実務の試験という構造なので、SIEで土台をつくってからSeries 7に進むほうが学習効率も高くなります。

Q4. Series 63は必ず必要ですか?

多くの州で必要になります。Series 63はFINRAの要件ではなく、北米証券管理者協会(NASAA)が作成しFINRAが実施する州法の試験で、州の登録要件として課されます。担当する顧客の所在州によって求められる範囲が変わるため、最終的には所属先のコンプライアンス部門の指示に従うことになりますが、実務上はSeries 7とセットで受けるケースが一般的です。

Q5. 試験の合格率はどのくらいですか?

FINRAは各試験の合格率を公表していません。インターネット上で「Series 7の合格率は72%」という数字を見かけることがありますが、これは合格基準点(passing score)の72が合格率として誤って広まったものです。数字を根拠に難易度を測ろうとせず、出題範囲と問題数・試験時間から必要な学習量を見積もるほうが確実です。

Q6. 日本の証券外務員資格を持っていれば有利になりますか?

直接の免除や換算はありません。日本の外務員資格(日本証券業協会)と米国の登録制度は別の制度で、相互承認もありません。ただし、有価証券の種類、注文の種類、顧客管理や勧誘のルールといった骨格は共通しているため、まったくの初学者よりは全体像をつかむのが速くなります。障害になるのは制度そのものより、英語の証券実務用語と米国固有の商品・規制です。

Q7. CFA®︎とSeries 7はどちらを優先すべきですか?

目的が違うので競合しません。Series 7は米国で証券業務を行うための業務免許にあたる登録要件で、赴任先の業務が始まる前に必要になります。CFA®︎は投資分析と運用の専門性を示す国際資格で、帰任後のキャリアや運用・調査系への異動で効きます。まずは業務に必要なSeries 7を優先し、駐在期間中の中長期の投資としてCFA®︎に取り組むのが現実的な順番です。

Q8. 駐在中にCFA®︎の学習を始めるのは現実的ですか?

現実的です。ただし赴任直後は業務の立ち上げとSeries 7の準備で埋まるため、業務が落ち着いてからLevel 1に着手する順番をおすすめします。各レベルの学習時間の目安は300〜400時間前後(300時間は最低限)で、駐在期間が数年単位であることを考えると時間軸の相性は良好です。試験はすべて英語で行われますが、SIE・Series 7で英語の証券実務用語に慣れた後であれば、その負荷はかなり下がっています。

米国駐在が決まった方・駐在中の方へ

FA-Academyは、日本語の要点集と解説動画でCFA®︎(米国証券アナリスト)の学習を支える予備校です。海外在住の受講生が多数いらっしゃいます。SIEやSeries 7を終えた後、駐在中にCFA®︎ Level 1から学習を始め、帰任後のキャリアにつなげた方も少なくありません。いつ始めるべきか、駐在の残り期間で何レベルまで狙えるかといったご相談も承っています。

CFA®︎の学習の進め方や、駐在期間に合わせた受験計画については、個別のオンライン面談で直接ご相談いただけます。コースの内容と受講料は受講案内を、その他のお問い合わせはお問い合わせフォームをご利用ください。

CFA®︎についてのその他の疑問はCFAよくある質問100選に、受験資格や費用についてはCFA試験の完全ガイド合格までにかかる費用にまとめています。CFA®︎ Level 1の全体像独学で合格できるのかもあわせてご覧ください。

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