【CFA®︎ L3 Ethics LM10】Asset Manager Code of Professional Conduct を要点解説|Asset Manager Code・6つの一般原則・顧客への忠実・開示

Learning Module 10「Asset Manager Code of Professional Conduct(資産運用会社行為規範(Asset Manager Code))」は、CFA協会の資産運用会社行為規範(Asset Manager Code)の目的と採用の利点、6つの一般原則と、顧客への忠実・投資プロセス・取引・リスク管理とコンプライアンス・運用成績と評価・開示の6領域の規定、違反を防ぐ実務と手続を扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM10のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM10には4つのLOSがあります。
- LOS 1:Asset Manager Codeの目的と、同規範を採用した会社が得られる利点を説明するexplain the purpose of the Asset Manager Code and the benefits that may accrue to a firm that adopts the Code
- LOS 2:Asset Manager Codeの6つの一般原則が求める倫理的・職業的責任を説明するexplain the ethical and professional responsibilities required by the six General Principles of Conduct of the Asset Manager Code
- LOS 3:資産運用会社の実務と手続がAsset Manager Codeに適合しているかを判断するdetermine whether an asset manager’s practices and procedures are consistent with the Asset Manager Code
- LOS 4:Asset Manager Codeへの違反を防ぐための実務と手続を推奨するrecommend practices and procedures designed to prevent violations of the Asset Manager Code
LM10のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- Asset Manager Codeは個人ではなく資産運用会社(マネジャー)単位で採用する任意の行為規範で、顧客に対する倫理的・職業的責任を示す
- 規範の順守を表明するには、すべての規定を順守する必要があり、部分的な順守の表明は認められない。順守を表明する会社はCFA協会に通知する
- CFA協会は順守の表明を検証しないため、表明にはその旨の記載を添える
- 法令と規範が矛盾する場合は法令に従い、その矛盾を開示
- 6つの一般原則は、職業的・倫理的行動、顧客のための行動、独立性と客観性、技能・能力・勤勉、適時・正確なコミュニケーション、資本市場のルールの順守
- 規定は、顧客への忠実、投資プロセスと行動、取引、リスク管理・コンプライアンス・サポート、運用成績と評価、開示の6領域で構成
- 規定の多くは、その実行のための文書化された方針と手続の整備を求める
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:Asset Manager Codeの目的と採用の利点
Asset Manager Codeは、顧客に対する資産運用会社の倫理的・職業的責任を示す会社単位の任意の規範です。規模や運用資産の種類にかかわらず採用でき、倫理的な運用への取り組みを顧客に示す手段になります。
- 対象:個人ではなく資産運用会社
- 採用は任意、採用する場合はすべての規定を順守
- 順守表明にはCFA協会による検証がない旨を明記し、協会に通知
- 利点:顧客からの信頼、倫理的な企業文化の醸成、業界の信頼向上
- 法令と矛盾する場合は法令に従い、矛盾を開示
LOS 2:6つの一般原則
一般原則は、資産運用会社が常に守るべき行動の基本姿勢を6つにまとめたものです。個別の規定はこの原則を具体化したものと位置づけられます。
- 常に職業的かつ倫理的に行動
- 顧客の利益のために行動
- 独立性と客観性をもって行動
- 技能・能力・勤勉さをもって行動
- 顧客と適時かつ正確にコミュニケーション
- 資本市場を律する適用ルールを順守
LOS 3:実務と手続の適合性の判断
会社の実務が規範に適合しているかは、6つの領域の規定に照らして判断します。各領域の要求を把握し、会社の方針・手続がそれを満たしているかを確認します。
- 顧客への忠実:顧客利益の優先、守秘、独立性を損なう関係や贈答の拒否
- 投資プロセスと行動:合理的注意、相場操縦の禁止、公正な取扱い、合理的根拠、運用方針・適合性
- 取引:重要な未公表情報の利用禁止、顧客取引の優先、ソフトダラーの適正利用、最良執行、公正な配分
- リスク管理・コンプライアンス・サポート:方針と手続、コンプライアンス・オフィサー、第三者による確認、記録保存、事業継続計画、全社的リスク管理
- 運用成績と評価:公正・正確・完全な成績提示、公正な市場価格による評価
- 開示:継続的・適時の情報提供、利益相反・手数料・ソフトダラー・評価方法・議決権行使方針・重要な人事変更などの開示
LOS 4:違反を防ぐ実務と手続
規範の順守には、各規定を実行する文書化された方針と手続と、それを運用する体制が必要です。独立したコンプライアンス機能と従業員への周知が、違反防止の中心になります。
- 規範と法令を順守するための方針・手続の策定と維持
- 権限を持つコンプライアンス・オフィサーの任命
- 十分な資源と適格な人材の確保
- 取引配分、最良執行、ソフトダラー利用の方針の文書化
- 記録の保存と事業継続計画
- 顧客への開示内容の定期的な見直し
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