Learning Module 3「Fixed-Income Issuance and Trading(債券の発行と取引)」は、債券市場を発行体の種類・信用力・満期で区分する考え方と主な発行体・投資家、債券インデックスの種類、そして株式市場と比べた債券の発行市場・流通市場の特徴を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM3のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM3には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:確定利付市場のセグメントと、その発行体・投資家の参加者を説明するdescribe fixed-income market segments and their issuer and investor participants
  2. LOS 2:確定利付インデックスの種類を説明するdescribe types of fixed-income indexes
  3. LOS 3:確定利付証券の発行市場と流通市場を株式市場と比較するcompare primary and secondary fixed-income markets to equity markets

LM3のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 債券と債券市場は、発行体の種類(セクター)、信用の質、満期までの期間という3つの軸で分類されることが多い
  • 投資家は、取りたいリスクや将来の既知の支払義務とのキャッシュフロー・マッチングに応じて、信用力と満期の軸の上でポジションをとる
  • 債券インデックスは株式インデックスと同様、採用基準を満たす債券群のリターンを追跡する
  • インデックスは市場パフォーマンスの評価、投資や運用者のベンチマーク、インデックス運用の基礎として使われる
  • 債券インデックスには、構成銘柄数の非常に多い広範な総合インデックスと、発行体の種類・信用力・満期などに絞った狭いインデックスがある
  • 発行市場は発行体が新たに債券を投資家に売って資金を調達する市場、流通市場は既発債が投資家間で売買される市場

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:債券市場のセグメントと参加者

債券市場は発行体の種類(セクター)・信用の質・満期の3軸で整理します。発行体はソブリン、非ソブリン政府、事業会社(金融・非金融)などに分かれ、投資家は中央銀行、年金基金、保険会社、銀行、個人など目的に応じてさまざまな位置にポジションをとります。

  • 発行体の種類:ソブリン(国)、非ソブリン政府・政府系機関、国際機関、事業会社(金融・非金融)
  • 信用の質:投資適格(investment grade)とハイ・イールド(high yield)の区分
  • 満期:1年以内のマネー・マーケットと、1年超のキャピタル・マーケット
  • 先進国市場と新興国市場の区分
  • 投資家の例:中央銀行、年金基金・保険会社などの機関投資家、ソブリン・ウェルス・ファンド、銀行、個人投資家
  • 負債の支払時期にキャッシュフローを合わせる負債連動の投資ニーズ

LOS 2:債券インデックスの種類

債券インデックスは、採用基準を満たす債券群のリターンを追跡し、市場評価・ベンチマーク・インデックス運用に使われます。幅広い債券を含む総合(aggregate)インデックスと、発行体・信用力・満期などに絞った狭いインデックスに分けられます。

  • 総合インデックス:国債・社債・証券化商品などを幅広く含み、構成銘柄数が非常に多い
  • 狭いインデックス:セクター別、格付別(投資適格・ハイ・イールド)、満期別、地域・通貨別など
  • 債券は満期到来や新規発行で構成銘柄が頻繁に入れ替わる
  • 多くの債券は流動性が低く、価格の把握と完全な複製が難しい

LOS 3:発行市場・流通市場の株式市場との比較

発行市場では発行体が新規の債券を投資家に売って資金を調達し、流通市場では既発債が投資家間で売買されます。株式の多くが取引所で売買されるのに対し、債券の流通市場は主にディーラーを介した店頭(OTC)市場で、取引頻度が低く価格の透明性も低い点が特徴です。

  • 発行方法:公募(引受、ベストエフォート、入札)と私募の区別
  • シェルフ登録:一度の登録で一定期間内に分割発行できる仕組み
  • 1つの発行体が満期や条件の異なる多数の債券を発行する点が株式と異なる
  • 流通市場は主にOTCのディーラー市場で、多くの銘柄は取引が少ない
  • 流動性の目安となるビッド・アスク・スプレッド

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