Learning Module 6「Pricing and Valuation of Futures Contracts(先物の価格と価値)」は、先物契約とフォワード契約の価値と価格の比較、日々の値洗いが生むキャッシュフローの違い、そして先物価格とフォワード価格が異なる理由を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM6のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM6には2つのLOSがあります。

  1. LOS 1:フォワード契約と先物契約の価値と価格を比較するcompare the value and price of forward and futures contracts
  2. LOS 2:フォワード価格と先物価格が異なる理由を説明するexplain why forward and futures prices differ

LM6のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 先物は標準化された取引所取引デリバティブで、契約時の価値はゼロ、契約時に決まる先物価格はフォワードと同様に、スポット価格を無リスク金利で複利運用した水準
  • 先物とフォワードの評価の主な違いは、証拠金勘定を通じた損益の日々の決済(値洗い)
  • 日々の決済により先物の価値は毎日その時点の先物価格でゼロにリセットされ、満期にかけて先物価格はスポット価格に収束
  • 先物の累積実現損益は、同等のフォワード契約の損益とほぼ同じ
  • 日々の決済と証拠金によりキャッシュフローのパターンが異なり、先物価格とフォワード価格の差が生じる。その差は金利のボラティリティと、金利と先物価格の相関に依存
  • 短期金利先物の価格は(100 − 利回り)で表され、金利先物とFRAの間にはコンベクシティ・バイアスによる価格差がある
  • 中央清算の普及でOTCデリバティブにも先物に近い証拠金が求められるようになり、先物とフォワードのキャッシュフローと価格の差は縮小

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:先物とフォワードの価値と価格の比較

先物もフォワードも契約時の価値はゼロで、価格は同じ考え方(スポット価格×無リスク金利による複利)で決まります。違いは、先物では損益が毎日値洗いされ証拠金勘定で決済される点で、そのたびに先物の価値はゼロにリセットされます。

  • 契約時の価値:先物・フォワードともにゼロ
  • フォワード:損益は満期に一括で実現(期間中は未実現)
  • 先物:日々の値洗いで損益を毎日実現、価値は毎日ゼロに戻る
  • 先物の日次損益=(当日の先物価格 − 前日の先物価格)× 契約単位
  • 満期にかけて先物価格はスポット価格に収束
  • 累積損益は同等のフォワードとほぼ同じ
f₀(T) = S₀(1 + r)^T

LOS 2:先物価格とフォワード価格が異なる理由

日々の値洗いによって、先物ではキャッシュフローが発生するタイミングがフォワードと異なり、受け取った利益をどの金利で再運用するかが問題になります。先物価格と金利が正の相関なら先物ロングが有利なので先物価格はフォワード価格より高く、負の相関なら低くなります。

  • 金利が一定(または確定的)なら先物価格とフォワード価格は等しい
  • 正の相関:先物価格 > フォワード価格
  • 負の相関:先物価格 < フォワード価格
  • 差の大きさは金利のボラティリティと相関に依存
  • 短期金利先物の価格=100 − 利回り(%)
  • 金利先物とFRAの間にはコンベクシティ・バイアスによる価格差

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