外務員の基礎

証券外務員二種とは?できること・できないこと、合格率と一種へのステップアップ

外務員二種とは?できない商品と合格率

結論:外務員二種は、現物株式・公社債・投資信託など「外務員の職務の一部」を行える資格です。信用取引・デリバティブ・複雑な仕組債・レバレッジ投資信託などは扱えません。

  • 試験は70問・300点満点で、210点(7割)以上で合格。試験時間は2時間
  • 2025年度の合格率(一般受験者)は68.1%。範囲が狭いのに一種(73.1%)より低い
  • 二種でも信用取引・デリバティブの基礎知識は出題されます
  • 一般的な投資信託や国債の案内なら二種の範囲に収まります

一種と二種を横に並べて比べたい方は証券外務員とは?を、二種の出題範囲と記事を読む順番は外務員二種の学習ページをご覧ください。この記事では、二種という資格そのものを「何ができて何ができないか」「どれくらい難しいか」「二種で足りるのは誰か」の3つの視点で掘り下げます。

外務員二種とは:日本証券業協会の定義

日本証券業協会は、二種外務員を「外務員の職務の一部(公社債・投資信託の取引、株式の現物取引等)」を行うことができる者と定義しています(外務員規則第2条)。一種の下位にあたる資格で、リスクの高い商品は扱えないように範囲が区切られています。

「証券外務員」という名前から証券会社の資格と思われがちですが、銀行・信用金庫などで投資信託や国債を販売する人にも外務員登録が必要です。銀行で取った二種は、証券会社に転職しても有効です。

二種でできること・できないこと

商品・取引 二種 一種
株式の現物取引
公社債(国債・社債など)
投資信託 ○(複雑なもの・レバレッジ型を除く)
株式の信用取引 ×
有価証券関連デリバティブ(先物・オプションなど) ×
店頭デリバティブに類する複雑な仕組債・複雑な投資信託 ×
レバレッジ投資信託 ×
新株予約権証券など ×

注意したいのは投資信託なら何でも扱えるわけではない点です。デリバティブを使って値動きを大きくするレバレッジ型の投資信託や、仕組みが複雑な投資信託は二種の範囲外です。「株と債券と投信ならOK」と覚えていると、試験でも実務でもつまずきます。

「二種は意味ない?」二種で足りる人・足りない人

二種は一種より扱える範囲が狭いだけで、取る意味がない資格ではありません。お客さまに勧める商品が二種の範囲に収まるなら、二種で仕事ができます。

仕事の内容 必要な資格
銀行窓口で一般的な投資信託・国債を案内する 二種で足りる
現物株式の注文を受ける 二種で足りる
信用取引の口座開設や注文を案内する 一種が必要
先物・オプションの注文を受ける 一種が必要
仕組債・レバレッジ型の投資信託を勧める 一種が必要

どちらを取るかは勤務先が決めていることが多いので、まず人事や上司の指示を確認してください。

二種の試験の中身:五肢選択20問が合否を決める

項目 内容
問題数 70問(○×方式50問・五肢選択方式20問)
配点 ○×は1問2点(計100点)、五肢選択は1問10点(計200点)。五肢択二の問題は1つ5点
合格点 300点満点の7割=210点以上
試験時間 2時間
出題範囲 法令・諸規則/商品業務/関連科目。外務員必携の第1〜3巻(デリバティブ取引の巻は含まない)
方式 CBT(テストセンターのパソコンで受験)

二種も一種と同じで、○×50問を全問正解しても100点です。合格点210点の半分にも届きません。300点のうち200点、つまり3分の2の配点が五肢選択20問にあります。

合格ラインの目安

○×で9割(45問)取れた場合:45問×2点=90点

残りに必要な点数:210点−90点=120点

五肢選択では:120点÷10点=12 → 20問中12問(6割)取れば合格

五肢選択は1問10点なので、計算問題を1問落とすと○×5問分を失います。株式の投資指標と債券の利回りは必ず練習してください(株式業務③証券投資計算債券業務②CB・利回り計算)。

二種でも出る信用取引・デリバティブ二種は基礎のみ

二種では信用取引とデリバティブを扱えませんが、試験には出ます。日本証券業協会は、二種の試験でも信用取引・デリバティブ取引の基礎的知識を、株式業務や債券業務などの科目に含めて出題するとしています。「扱えないから勉強しなくていい」は通用しません。仕組みと用語は押さえておきましょう。

二種の難易度と合格率

年度 受験者数 合格者数 合格率
2025年度 3,753名 2,557名 68.1%
2024年度 4,268名 2,751名 64.5%

日本証券業協会が公表しているのは一般受験者の数字で、証券会社・銀行などを通じて受けた人は含まれていません。

二種は範囲が狭いのに、合格率は2年続けて一種(73%前後)より低い水準です。受験者の3人に1人が落ちています。「一種より簡単だから」と準備不足で受けると落ちる試験だと考えてください。落ちると受験日の翌日から30日を経過する日まで協会の試験を受けられません。

勉強期間の目安は、当サイトでは二種3週間としています。1日ごとの進め方は勉強法とスケジュールにまとめました。

二種から一種へのステップアップ

二種を取ったあとで一種が必要になったら、一種の試験をあらためて受けます。一種の試験は二種の範囲をまるごと含んでいるため、「差分のデリバティブだけ受ける」ことはできません。

  • 二種で覚えた法令・商品・関連科目は、そのまま一種でも出る
  • 一種で増えるのはデリバティブ取引(外務員必携の第4巻)と、問題数(70問→100問)・試験時間(2時間→2時間40分)
  • 二種の記憶が新しいうちに受けるほど、準備は短くてすみます

一種の中身や、最初から一種を受けるべき人は外務員一種とは?で解説しています。

合格したあと:登録と資格更新研修

  1. 勤務先を通じて日本証券業協会に外務員登録を申請します(登録手数料1,000円)。個人で登録することはできません
  2. 登録を受けた日から180日以内に資格更新研修を受け、その後は5年ごとに受講します
  3. 研修を修了しないと資格が停止され、それでも修了しないと資格はすべて取り消されます

外務員資格は、法令違反などで取り消されない限り、退職や転職をしても有効です。

試験に出るひっかけ(○×問題)

問1. 二種外務員は、株式の現物取引に係る外務員の職務を行うことができる。

答え:○ 公社債・投資信託の取引、株式の現物取引などが二種の範囲です。

問2. 二種外務員は、投資信託であれば種類を問わず勧誘することができる。

答え:× 複雑な投資信託やレバレッジ投資信託は二種では扱えません。

問3. 二種外務員は、顧客から株式の信用取引の注文を受けることができる。

答え:× 信用取引は一種外務員の範囲です。

問4. 二種外務員資格試験では、信用取引やデリバティブ取引に関する問題は一切出題されない。

答え:× 基礎的知識は株式業務・債券業務などに含めて出題されます。

問5. 銀行在籍中に取得した二種外務員資格は、証券会社に転職すると無効になる。

答え:× 転職しても資格は有効です。

次に読む記事

外務員の次に取る資格

二種で投資信託や債券を案内していると、「この投資信託は何に投資しているのか」「なぜこの債券なのか」をお客さまに説明する場面が増えます。そこで役に立つのが企業分析や運用の知識です。外務員の次のステップとして、日本証券アナリスト協会の証券アナリスト(CMA)と、その国際版にあたるCFA®を選ぶ人が多くいます。

銀行・証券・保険・アセマネで働く人が、外務員の次にどんな資格を取っているかは、こちらでまとめています。
【金融機関×CFA】銀行・証券・保険・アセマネ勤務の方がCFA®試験に挑む理由

よくある質問

Q. 外務員二種では何ができて、何ができませんか?

A. 現物株式・公社債・投資信託などの勧誘・販売ができます。信用取引、デリバティブ、複雑な仕組債・複雑な投資信託、レバレッジ投資信託、新株予約権証券などは扱えません。

Q. 外務員二種の合格点と合格率を教えてください。

A. 300点満点の7割にあたる210点以上で合格です。2025年度の一般受験者の合格率は68.1%(3,753名中2,557名)でした。

Q. 二種の試験に信用取引やデリバティブは出ますか?

A. 出ます。二種では扱えませんが、基礎的知識は株式業務・債券業務などの科目に含めて出題されます。

Q. 二種に合格したあと、一種は差分だけ受ければよいですか?

A. いいえ。一種の試験は二種の範囲をすべて含む100問の試験で、あらためて全範囲を受験します。

Q. 銀行で取った二種は、証券会社に転職しても使えますか?

A. 使えます。外務員資格は退職・転職しても有効です。登録は転職先を通じて行います。

参考(2026年9月20日確認):日本証券業協会「外務員」「外務員資格試験」「よくある質問」、同協会 自主規制用語「一種外務員」「二種外務員」「外務員資格」(外務員規則第2条・第4条)。合格率は同協会が公表する一般受験者の数字です。受験料・合格率などは変わることがあるため、受験前に公式サイトで最新情報をご確認ください。