【CFA®︎ L1 Fixed Income LM5】Fixed-Income Markets for Government Issuers を要点解説|ソブリン債・入札・政府系機関・国際機関

Learning Module 5「Fixed-Income Markets for Government Issuers(政府発行体の債券市場)」は、国(ソブリン)、地方政府、政府系機関、国際機関といった政府関連発行体の資金調達手段と、政府債券と社債の発行・取引の違い(入札、プライマリー・ディーラーなど)を扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM5のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM5には2つのLOSがあります。
- LOS 1:ソブリン政府、非ソブリン政府、準政府機関、国際機関の資金調達の選択肢を説明するdescribe funding choices by sovereign and non-sovereign governments, quasi-government entities, and supranational agencies
- LOS 2:政府の確定利付商品と事業会社の確定利付商品の発行と取引を対比するcontrast the issuance and trading of government and corporate fixed-income instruments
LM5のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- ソブリン発行体は、公共財・サービスを提供・維持する法的権限と、管轄内の経済活動に課税する能力によって特徴づけられる
- 先進国のソブリンは強く安定した分散の効いた国内経済を持ち、新興国のソブリンは成長率が高い一方で経済が不安定で分散が乏しく、景気循環の影響を受けやすい
- ソブリン債には、満期1〜12カ月の短期証券、中長期のノートとボンド、政府が直接発行せず保証する債券がある
- ソブリン債は財務省などが定型的な手続きで行う公開入札で発行されるのが一般的で、社債は投資銀行の引受で発行される
- 政府はプライマリー・ディーラーを指定し、すべての入札に競争的な価格で参加する義務を課す
- 入札では競争入札と非競争入札が行われ、発行後のソブリン債は民間の債券と同様、主にブローカー・ディーラーを介した店頭市場で取引される
- 非ソブリン政府の資金調達の水準と形態は、公共サービスを国・地域・地方のどのレベルで提供するかによって国ごとに大きく異なる
- 政府系機関は法律に基づき特定の公共サービスの資金を調達する準政府組織、国際機関は複数の政府が共通の目的のために設立・支援する組織
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:政府関連発行体の資金調達
ソブリン政府は課税権を背景に、短期証券から長期債まで幅広い満期の債券を主に自国通貨建てで発行します。地方政府などの非ソブリン、政府系機関(準政府機関)、国際機関は、それぞれ税収・事業収入・加盟国の支援などを裏付けに資金を調達します。
- ソブリン債:短期証券(1〜12カ月)、中長期のノート・ボンド、インフレ連動債、政府保証債
- 先進国ソブリンと新興国ソブリンの経済の安定性・分散度の違い
- 非ソブリン政府:州・県・市などの地方政府。一般財源債(税収が裏付け)とレベニュー債(特定事業の収入が裏付け)
- 政府系機関(agency):法律に基づき特定の公共サービスを担う準政府組織で、政府の明示・暗黙の保証を持つことがある
- 国際機関(supranational):複数国の政府が共通目的で設立(世界銀行など)し、高い信用力で債券を発行
LOS 2:政府債と社債の発行・取引の違い
政府債は財務省などが実施する公開入札で発行され、プライマリー・ディーラーがすべての入札に参加する義務を負います。一方、社債は投資銀行の引受によって発行されます。発行後はどちらも主に店頭市場で取引されますが、国債は取引が活発で流動性が高い点が異なります。
- 入札の流れ:発行の公告→入札→落札・発行
- 競争入札(利回り・価格を指定)と非競争入札(落札利回りをそのまま受け入れる)
- 単一価格(ダッチ)方式と複数価格方式の入札
- オン・ザ・ラン(直近発行銘柄)はオフ・ザ・ランより流動性が高く、ベンチマークとして使われる
- 社債:引受(買取引受)やベストエフォートなど投資銀行を通じた発行、私募も利用
- 流通市場は政府債・社債とも主にブローカー・ディーラーを介した店頭(OTC)市場
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