Learning Module 1「Alternative Investment Features, Methods, and Structures(オルタナティブ投資の特徴と構造)」は、オルタナティブ投資の特徴と主な分類、ファンド投資・共同投資・直接投資の比較、そしてリミテッド・パートナーシップを中心とした所有構造と報酬体系を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM1のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM1には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:オルタナティブ投資の特徴と分類を説明するdescribe features and categories of alternative investments
  2. LOS 2:オルタナティブ投資における直接投資、共同投資、ファンド投資の各手法を比較するcompare direct investment, co-investment, and fund investment methods for alternative investments
  3. LOS 3:オルタナティブ投資で一般的に用いられる投資の所有構造と報酬体系を説明するdescribe investment ownership and compensation structures commonly used in alternative investments

LM1のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • オルタナティブ投資は、伝統的資産(上場株式・債券・現金)の保有以外の投資で、プライベート・キャピタル、実物資産、ヘッジファンドを含む
  • プライベート・キャピタルはプライベート・エクイティとプライベート・デット、実物資産は不動産・インフラ・天然資源から成る。ヘッジファンドは伝統的資産とオルタナティブ資産の両方に投資し得るファンドで、レバレッジやデリバティブなどを用いる運用手法に特徴がある
  • 投資家は分散効果の向上や期待リターンの引き上げを目的にオルタナティブ投資を検討するが、投資期間の長さ、流動性の低さ、市場効率性の低さを伴う
  • ファンド投資では投資の管理・運用を外部に全面的に委ねる代わりに報酬が相対的に高く、共同投資や直接投資では投資家の手間と関与が増える代わりに報酬が相対的に低い
  • 一般的な構造はリミテッド・パートナーシップで、運用者がジェネラル・パートナー(GP)、投資家がリミテッド・パートナー(LP)として役割を柔軟に分担し、管理報酬と成功報酬を含む複雑な報酬体系を持つ
  • ほかの構造として、信託(トラスト)や有限責任会社(LLC)もある

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:オルタナティブ投資の特徴と分類

オルタナティブ投資は、上場株式・債券・現金といった伝統的資産以外への投資の総称です。主な分類はプライベート・キャピタル実物資産ヘッジファンドで、分散効果や高いリターンが期待される一方、流動性の低さや運用者への依存度の高さが特徴です。

  • プライベート・キャピタル:プライベート・エクイティ、プライベート・デット
  • 実物資産:不動産、インフラ、天然資源(土地・森林・農地・コモディティ)
  • ヘッジファンド:資産クラスではなく運用手法(レバレッジ、デリバティブ、空売り等)に特徴
  • 共通の特徴:投資期間が長い、流動性が低い、市場が非効率、専門性が必要
  • リターンの分布が正規分布から外れやすく、評価データが不十分なことが多い
  • 投資目的:ポートフォリオの分散、期待リターンの向上

LOS 2:直接投資・共同投資・ファンド投資の比較

ファンド投資は運用者に選定と管理を任せる方法、共同投資(co-investment)はファンドを通じた投資に加えて特定案件に直接参加する方法、直接投資は投資家自身が資産を取得・管理する方法です。ファンド投資、共同投資、直接投資の順に投資家の関与・専門性が増え、報酬負担は小さくなります。

  • ファンド投資:専門家に任せられる、少額で分散可能、報酬が高い、コントロールが小さい
  • 共同投資:ファンドLPが特定案件にファンドと並んで投資、報酬は低め、案件選択の余地あり
  • 直接投資:報酬を払わずコントロールが最大、専門性・資金・人員が必要で分散が難しい
  • ファンド投資では運用者のデュー・デリジェンスが重要
  • 関与の大きさと報酬の低さはトレードオフ

LOS 3:所有構造と報酬体系

最も一般的な構造はリミテッド・パートナーシップで、運用を担うGPと資金を出すLPで構成されます。報酬は運用資産(またはコミットメント)に対する管理報酬と、リターンに応じた成功報酬から成り、ハードル・レートやキャッチアップ、ウォーターフォールなどの条件が付きます。

  • GP:運用・意思決定を担い無限責任、LP:出資額までの有限責任
  • 管理報酬(management fee)と成功報酬(performance fee/carried interest)
  • ハードル・レート:成功報酬が発生する最低リターン
  • キャッチアップ:ハードル超過後にGPへ優先配分し所定の分配比率に追いつかせる条項
  • ウォーターフォール:ホール・オブ・ファンド(ヨーロピアン型)と案件ごと(アメリカン型)
  • ほかの構造:信託(トラスト)、有限責任会社(LLC)、個別口座(SMA)

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