Learning Module 3「Investments in Private Capital: Equity and Debt(プライベート・キャピタル)」は、プライベート・エクイティとプライベート・デットの特徴と投資特性、エグジット戦略、そしてプライベート・キャピタルがポートフォリオにもたらす分散効果を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM3のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM3には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:プライベート・エクイティの特徴とその投資特性を説明するexplain features of private equity and its investment characteristics
  2. LOS 2:プライベート・デットの特徴とその投資特性を説明するexplain features of private debt and its investment characteristics
  3. LOS 3:プライベート・キャピタルがもたらし得る分散効果を説明するdescribe the diversification benefits that private capital can provide

LM3のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • プライベート・エクイティは、ベンチャー・キャピタルやレバレッジド・バイアウト(LBO)ファンドなど公開市場の外から供給される資金で、構想段階から上場に至るまで、事業のさまざまな段階で投入される
  • 投資期間はさまざまで、エグジットは戦略的買い手への売却(トレード・セール)やIPO・SPACを通じた上場が典型的。ほかにリキャピタリゼーション、セカンダリー・セール、清算があり、それぞれに長所と短所がある
  • プライベート・エクイティは伝統的投資より高いリターンと高いリスクを伴い得る。その背景は独自の投資対象、経営への大きな関与、大きなレバレッジ。一方でデータの曖昧さにより効果を確実に測るのは難しい
  • プライベート・デットは投資家が非公開企業に直接提供する負債で、主な類型はダイレクト・レンディング、メザニン・ローン、ベンチャー・デット、ディストレスト・デット。ユニトランシェなども含む
  • プライベート・デットは伝統的な債券より高いリターンとリスクを持ち得て、担保やコベナンツによる保護が付くことが多い。企業の資金調達段階や負債構造、裏付け資産の違いを理解する専門知識が必要
  • プライベート・キャピタルは非流動性・集中リスクなどにより公開市場の同種資産とはリスクとパフォーマンスが異なる。ファンド設定時の評価水準と経済環境(ビンテージ・イヤー)が実現リターンに大きく影響するため、ビンテージの分散が有効
  • プライベート・エクイティとデットを組み合わせることでリスクとリターンのバランスを取り得て、上場株式・債券と組み合わせると一定の分散効果と超過リターンの機会をもたらし得る

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:プライベート・エクイティの特徴と投資特性

プライベート・エクイティは非公開企業の株式への投資で、代表的な戦略はレバレッジド・バイアウト(LBO)ベンチャー・キャピタル、グロース・エクイティです。経営への関与とレバレッジによって価値を高め、トレード・セールやIPOなどでエグジットします。

  • LBO:多額の借入で企業を買収(MBO、MBIを含む)
  • ベンチャー・キャピタル:段階(プレシード・シード、アーリー、レイター)ごとに投資
  • グロース・エクイティ:成長資金を必要とする比較的成熟した企業の少数持分への投資
  • エグジット:トレード・セール、IPO・SPAC、リキャピタリゼーション、セカンダリー・セール、清算
  • 高いリターンの源泉:独自の投資機会、経営への関与、レバレッジ
  • リスク:非流動性、集中、評価の不確実性

LOS 2:プライベート・デットの特徴と投資特性

プライベート・デットは非公開企業などへの貸付で、ダイレクト・レンディングメザニン・ローンベンチャー・デットディストレスト・デットが主な類型です。伝統的な債券より高い利回りが期待できる反面、信用リスクや流動性リスクが高くなります。

  • ダイレクト・レンディング:銀行を介さず直接貸付、通常はシニア・担保付き
  • メザニン・ローン:シニア債より劣後、ワラントなどの株式性を伴うことが多い
  • ベンチャー・デット:スタートアップ向けの貸付
  • ディストレスト・デット:経営難の企業の負債を割安で取得
  • ユニトランシェ:シニアと劣後をまとめた単一の融資
  • 担保・コベナンツによる保護、利息と元本返済がリターンの中心

LOS 3:プライベート・キャピタルの分散効果

プライベート・キャピタルは公開市場とは異なるリスク・リターン特性を持ち、上場株式・債券と組み合わせることで一定の分散効果をもたらし得ます。ただし報告されるリターンは評価の平滑化の影響を受けるため、相関は実態より低く見えやすい点に注意が必要です。

  • 資本構成の階層(シニア・デット → メザニン → エクイティ)によってリスク・リターンが異なる
  • プライベート・エクイティとデットの組み合わせでリスクとリターンを調整
  • ビンテージ・イヤー:ファンド設定時の環境が実現リターンに影響
  • ビンテージの分散で、景気循環の悪い時期の設定による影響を緩和
  • 上乗せリターンは、レバレッジや非流動性などのリスクを負う対価

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