Learning Module 7「Introduction to Digital Assets(デジタル資産入門)」は、分散型台帳技術(DLT)の金融への応用、デジタル資産の投資上の特徴と他の資産クラスとの違い、投資の形態と器、そしてデジタル資産投資のリスク・リターン・分散効果を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM7のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM7には4つのLOSがあります。

  1. LOS 1:分散型台帳技術の金融への応用を説明するdescribe financial applications of distributed ledger technology
  2. LOS 2:デジタル資産の投資上の特徴を説明し、他の資産クラスと対比するexplain investment features of digital assets and contrast them with other asset classes
  3. LOS 3:デジタル資産投資で用いられる投資の形態と器(ビークル)を説明するdescribe investment forms and vehicles used in digital asset investments
  4. LOS 4:デジタル資産投資のリスク、リターン、分散効果の源泉を分析するanalyze sources of risk, return, and diversification among digital asset investments

LM7のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • ブロックチェーンと分散型台帳技術(DLT)は、デジタル資産を安全かつ分散的に保管・記録・追跡する新たな方法となり得て、自動化・スマート・コントラクト・本人確認を通じてポストトレードやコンプライアンスの効率化も期待される
  • DLTにはパーミッションレス型とパーミッションド型のネットワークがある
  • コンセンサス・プロトコルは、ブロックを暗号技術で連結し取引記録の完全で改ざんできない履歴を検証するためのルールで、大きくプルーフ・オブ・ワーク(PoW)とプルーフ・オブ・ステーク(PoS)に分かれる
  • デジタル資産はオルタナティブ資産の一種と見なされることが多く、高いリターンと分散効果を求めて機関投資家の関心が続く可能性がある。本源的価値、取引の検証方法、法定の交換手段としての利用、法的・規制上の保護の点で伝統的資産と異なる
  • 代表的なデジタル資産はビットコインとアルトコイン(ステーブルコインやミームコインを含む)で、ほかにNFT、セキュリティ・トークン、ユーティリティ・トークン、ガバナンス・トークンなどがある
  • 多くの暗号資産はアルゴリズムで総供給量に上限を設けているが、その評価方法に経済的な合意はない。暗号資産取引所には中央集権型と分散型があり、厳格な監督を受けていないため不正や相場操縦の問題がある
  • 投資の形態には、ブロックチェーン上での直接保有と、上場投資商品、ヘッジファンド、信託、先物、関連銘柄の株式などを通じた間接投資がある。オープンソースのコードとスマート・コントラクトに基づく分散型金融(DeFi)も広がっている
  • ビットコインなどの価格はキャッシュフローではなく将来の値上がり期待と、限られた供給に対する需要で決まる。高リターン・高ボラティリティ・伝統的資産との低相関が特徴だが、市場の不確実性が高い局面では相関が上昇

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:分散型台帳技術の金融への応用

分散型台帳技術(DLT)は、ネットワークの参加者が同じ台帳を共有し、コンセンサス・プロトコルで取引記録を検証・更新する仕組みです。ブロックチェーンはその代表で、改ざんが難しい取引履歴とスマート・コントラクトによる自動化を可能にします。

  • パーミッションレス型:誰でも参加・閲覧可能(例:ビットコイン)
  • パーミッションド型:参加者を限定
  • PoW:計算処理(マイニング)で検証、電力消費が大きい
  • PoS:保有・預託(ステーク)量に応じて検証者を選ぶ
  • 応用:暗号資産、トークン化、ポストトレードの効率化、スマート・コントラクト、本人確認

LOS 2:デジタル資産の特徴と他の資産との違い

デジタル資産は、キャッシュフローに基づく本源的価値を持たないものが多く、取引の検証を中央の機関ではなくネットワークで行う点、法定通貨としての地位や法的保護が限られる点で伝統的資産と異なります。

  • 暗号資産:ビットコイン、アルトコイン(ステーブルコイン、ミームコインなど)
  • ステーブルコイン:法定通貨などに価値を連動させる設計
  • トークン:NFT(代替不可能)、セキュリティ・トークン、ユーティリティ・トークン、ガバナンス・トークン
  • 供給量の上限をアルゴリズムで設定するものが多い
  • 評価方法に経済的な合意がない
  • 取引所:中央集権型(CEX)と分散型(DEX)

LOS 3:デジタル資産の投資形態とビークル

投資の形態は、ウォレットを通じてブロックチェーン上で保有する直接投資と、上場投資商品や先物などを通じた間接投資に分かれます。直接投資では秘密鍵の管理や取引所の信頼性が問題となり、間接投資ではそれらの負担が軽くなります。

  • 直接投資:暗号資産の保有、秘密鍵・ウォレットの管理が必要
  • 間接投資:ETF・ETP、ヘッジファンド、信託、先物、関連企業の株式
  • アセット・バックド・トークン:物理資産や金融資産を裏付けとするデジタル請求権
  • DeFi:スマート・コントラクトで貸借・取引などを仲介者なしで提供
  • 取引所は厳格に規制されていないことが多く、不正・相場操縦のリスク

LOS 4:デジタル資産のリスク・リターン・分散効果

デジタル資産の価格は、キャッシュフローではなく将来の値上がり期待と、限られた供給に対する需要で動きます。ビットコインは高いリターン・高いボラティリティ・伝統的資産との低い相関を示してきましたが、市場の不確実性が高い局面では相関が上昇する傾向があります。

  • リターンの源泉:需要の増加と供給の制約による値上がり期待
  • 高いボラティリティと大きな下落の可能性
  • 分散効果の可能性:伝統的資産との相関が歴史的に低い
  • ストレス時には相関が上昇
  • リスク:規制、不正・ハッキング、流動性、技術、カストディ

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