外務員の基礎

証券外務員試験の勉強法とスケジュール|配点から逆算した一種4週間・二種3週間の合格プラン

証券外務員試験 合格スケジュール

結論:外務員試験は「五肢選択(1問10点)で落とさない人」が受かります。勉強は商品業務→法令・諸規則→関連科目の順に進め、最後の1週間は本番形式の問題演習に使ってください。

  • 配点の約7割が五肢選択。五肢選択1問は○×問題5問分です
  • 目安のスケジュールは一種4週間/二種3週間(平日1.5〜2時間+週末)
  • 日本証券業協会は過去問・問題集を販売していません。公式テキスト「外務員必携」は辞書として使い、演習は市販の問題集で行います
  • 不合格だと30日間は再受験できないので、受験日は締め切りから逆算して早めに予約します

まず配点を知る:五肢選択が合否を決める

勉強法を決める前に、試験の配点を見てください。○×問題は1問2点、五肢選択は1問10点です。五肢選択を1問落とすと、○×問題を5問落としたのと同じになります。

項目 一種 二種
○×問題 70問×2点=140点 50問×2点=100点
五肢選択 30問×10点=300点 20問×10点=200点
五肢選択の比重 約68%(300÷440) 約67%(200÷300)
合格点 308点(7割) 210点(7割)
試験時間 2時間40分(1問あたり約1.6分) 2時間(1問あたり約1.7分)

五肢選択には語句選択と計算問題があり、「五肢択二」の問題は1つ正解するごとに5点です。2つのうち1つだけ正解でも、半分の点がもらえます。

合格ラインのシミュレーション

○×問題の出来に応じて、五肢選択で何問取ればよいかを計算しました(五肢択二の部分点は考慮していません)。

○×の正答率 一種:五肢で必要な正解数 二種:五肢で必要な正解数
○×が90% 30問中19問(○×126点+190点) 20問中12問(○×90点+120点)
○×が80% 30問中20問(○×112点+200点) 20問中13問(○×80点+130点)
○×が70% 30問中21問(○×98点+210点) 20問中14問(○×70点+140点)

一種では、○×問題を9割取っても五肢選択が18問(6割)以下だと不合格です。逆に言えば、五肢選択で7割を安定して取れれば、○×は7割でも受かります。勉強時間の配分は、この事実から逆算します。

出題範囲と勉強する順番

出題科目は3分野です。科目ごとの出題数は公表されていないため、ここでは「五肢選択(とくに計算)につながるか」と「他の科目の土台になるか」で順番を決めています。

順番 分野・科目 この順番にする理由
1番目 商品業務:株式業務、債券業務、投資信託及び投資法人に関する業務、付随業務 株価指標・債券の利回り・投資信託など、計算問題が集まる分野。ここで用語を覚えると法令の問題も読めるようになる
2番目 法令・諸規則:金融商品取引法、勧誘・販売に関係する法律、協会定款・諸規則、取引所定款・諸規則 暗記が中心の分野。「できる/できない」「〜日以内」の入れ替えが定番のひっかけ
3番目 関連科目:証券市場の基礎知識、株式会社法概論、経済・金融・財政の常識、財務諸表と企業分析、証券税制、セールス業務 範囲は広いが1科目ずつは浅い。証券税制と財務諸表は計算が出るので優先
4番目 デリバティブ取引一種のみ 先物・オプションの損益計算は五肢選択の得点源。後回しにしすぎず、関連科目と並行して3週目に進める

二種を受ける人も油断しないでください。日本証券業協会は、二種外務員の職務の範囲外である信用取引とデリバティブ取引についても、基礎的な知識は「株式業務」「債券業務」などに含めて出題すると明記しています。二種でも信用取引の仕組みは読んでおきましょう。

教材は「問題集が主役、外務員必携は辞書」

教材選びで迷う人が多いので、公式の情報から整理します。

教材 位置づけ 使い方
外務員必携(日本証券業協会) 協会が作成する公式の解説書。電子書籍のみで、冊子は販売なし。2026年版は全4巻で、一種は第1〜4巻、二種は第1〜3巻の範囲から出題 最初から読み通すと時間が足りない。問題集で間違えた箇所を調べる辞書として使う
市販の問題集 協会は問題集・過去問題集を販売していないため、演習は市販品が中心になる 1冊に絞って3周する。新しい年度版を選ぶ(試験は直近の法令・諸規則に基づいて出題される)
勤務先の教材・模擬試験 勤務先によっては、研修で教材や模擬試験が配られる 配られたなら、それを主役にしてよい。人事部が受験日を決める場合は日程も確認

問題集を何冊も買うより、1冊を3周して「間違えた問題だけ」を繰り返すほうが確実です。古い年度版は制度改正に対応していないことがあるので、中古で買うときは発行年を確認してください。

一種:4週間の合格スケジュール

平日は1.5〜2時間、週末は3〜4時間を想定した計画です。新人研修中など時間が取れる人は、1週目と2週目をまとめて短縮できます。

期間 やること 週末のゴール
1週目 商品業務(株式・債券・投資信託・付随業務)。問題集の該当章を解き、間違えた箇所を外務員必携で確認 PER・PBR・配当利回り、債券の利回り、投資信託の計算問題を解き方ごと再現できる
2週目 法令・諸規則(金融商品取引法、勧誘・販売の法律、協会・取引所の規則) 数字(期間・金額・割合)を自分用の一覧にまとめ終える
3週目 関連科目(税制・財務諸表・会社法・経済・セールス)+信用取引とデリバティブ 問題集の1周目が完了。オプションの損益図を自分で描ける
4週目 問題集の2周目以降(間違えた問題だけ)+模擬試験を本番と同じ160分で2回以上 模擬試験で8割(352点)以上を2回連続

二種:3週間の合格スケジュール

二種はデリバティブ取引の巻がないぶん、範囲が狭くなります。

期間 やること 週末のゴール
1週目 商品業務(株式・債券・投資信託・付随業務)。信用取引の基礎もここで読む 計算問題の基本パターンを解ける
2週目 法令・諸規則+関連科目(税制・財務諸表を優先) 問題集の1周目が完了
3週目 問題集の2周目以降(間違えた問題だけ)+模擬試験を本番と同じ120分で2回以上 模擬試験で8割(240点)以上を2回連続

模擬試験の目標を7割ではなく8割にしているのは、本番の緊張や初見の問題で点数が下がる分の余裕を持たせるためです。

点数が伸びる勉強法:5つのコツ

  1. 計算問題は「毎日1〜2問」:解き方は忘れやすいので、法令や関連科目に進んだ2週目以降も計算だけは毎日解く
  2. 数字は自分で一覧にする:期間・金額・割合は、問題集で出てきたものを1枚にまとめて見返す。書き写す作業そのものが暗記になる
  3. ○×は「どこを入れ替えたか」まで言えるようにする:「裁判外→裁判上」「できる→できない」のように、ひっかけは一部の語句の入れ替えで作られる。×の問題は正しい文に直して覚える
  4. 間違えた問題に印をつけ、2周目以降はそこだけ解く:全問を何周もするより短時間で弱点が消える
  5. 最後は本番と同じ時間で解く:一種は2時間40分で100問、二種は2時間で70問。途中で時間切れにならないペース感を事前につかむ

受験日の決め方と予約のルール

スケジュールは、受験日を先に決めてから組み立てます。勤務先から申し込む人は人事部の指示に従い、一般の人は次のルールを踏まえて予約してください。

項目 内容
予約できる期間 受験日の60日前から5営業日前まで(プロメトリック)
試験の実施日 通年で実施。空いている日程と会場はプロメトリックの予約画面で確認
不合格だった場合 受験日の翌日から30日間は協会主催の試験を受けられない
結果の確認 試験終了時に画面に正解率が表示される。一般の受験者には試験後にメールで「受験結果通知」も届く
当日の持ち物 運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなどの本人確認書類1点(原本・有効期限内)

配属までに合格が必要な人は、「締め切りの40日以上前」に1回目を受ける計画にしてください。万一落ちても、30日の待機期間を経てもう1回受けられます。

金融商品取引業基礎試験に合格した人へ

金融商品取引業基礎試験は2025年11月に廃止されました。基礎試験に合格していて一種・二種の外務員資格を持っていない人が、2026年1月〜12月に一般の外務員資格試験を受ける場合、申請すれば受験料のうち3,000円(税込)が一度だけ返還されます。受験の申込み後から受験日の前日までに、日本証券業協会の資格管理部へ電話で申し出る必要があるので、該当する人は予約と同時に手続きしてください。

勉強中によくある失敗

失敗1. 外務員必携を1巻から読み始め、2週間たっても問題を解いていない。

対策: 初日から問題集を開く。分からない問題は解説を読んでから必携で確認すれば十分です。

失敗2. 暗記しやすい法令ばかり回して、計算問題を後回しにする。

対策: 五肢選択1問は○×5問分。計算は毎日少しずつ触れる。

失敗3. 二種なので信用取引とデリバティブは読まなかった。

対策: 二種でも基礎的な知識は出題されます。仕組みと用語だけは押さえる。

失敗4. 模擬試験を時間無制限で解いて安心していた。

対策: 本番と同じ時間で解き、時間配分まで練習する。

章ごとの要点は外務員必携の章別まとめから読めます。仕上げの演習には、当サイトの模擬試験(一種・二種とも本番と同じ問題数・配点で各3回分)を使ってください。

外務員の次に取る資格

外務員試験の勉強で出てくるPER・債券利回り・財務諸表の読み方は、そのまま証券アナリスト(CMA)CFA®の入り口になっています。配属後に「なぜこの商品なのか」を自分の言葉で説明できるようになりたい人は、外務員の次のステップとして検討してみてください。

外務員資格そのものの仕組み(一種と二種の違い、登録の流れ)はこちら。
証券外務員とは?仕事内容・一種と二種の違い・試験と登録の流れをわかりやすく解説

金融機関で働く人が外務員の次にどんな資格を目指しているかはこちら。
【金融機関×CFA】銀行・証券・保険・アセマネ勤務の方がCFA®試験に挑む理由

よくある質問

Q. 証券外務員試験の勉強時間はどのくらい必要ですか?

A. 金融の知識がゼロの人の目安として、一種は4週間、二種は3週間(平日1.5〜2時間+週末)の計画をおすすめします。配点の約7割を占める五肢選択、とくに計算問題を安定して解けるかどうかで必要な時間が変わります。

Q. 過去問は手に入りますか?

A. 日本証券業協会は外務員資格試験の問題集・過去問題集を販売していません。演習は市販の問題集や、勤務先から配られる教材で行います。

Q. 外務員必携は買うべきですか?

A. 必須ではありません。外務員必携は協会が作成する公式の解説書で、電子書籍のみで販売されています。出題範囲は必携の項目に基づくため、問題集で分からなかった箇所を調べる辞書として使うと効率的です。

Q. 二種でも信用取引やデリバティブは出題されますか?

A. 出題されます。二種外務員の職務の範囲外ですが、基礎的な知識は「株式業務」「債券業務」などの科目に含めて出題されると、日本証券業協会が明記しています。

Q. 不合格になったら、すぐに受け直せますか?

A. 受け直せません。不合格の場合、受験日の翌日から30日間は日本証券業協会が主催する試験を受験できません。締め切りがある人は、余裕を持って1回目の受験日を決めてください。

参考(2026年9月20日確認):日本証券業協会「外務員資格試験」「外務員必携」「よくある質問(FAQ)」、プロメトリック「外務員資格試験」。学習期間・スケジュールは当サイトの目安です。試験制度や受験料は変わることがあるため、受験前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。