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グローバル金融の世界で圧倒的な存在感を誇るCFA資格!
CFAとは、Chartered Financial Analystの略で、グローバル金融の世界で圧倒的な存在感を誇る投資専門資格です。1963年に認定が開始された資格で、CFA資格保有者は、市場変化が激しいこの投資業界において最も必要とされる投資分析スキルを備えた専門家として世界で認知されています。外資金融(アセマネ, 投資銀行, 他)や日系金融(証券会社, 商業銀行, 保険会社, 他)、商社、コンサル、事業法人、そして海外駐在や留学中の方など、キャリアアップを目指して受験する方が多い資格です。
CFA資格を得るためには、3つのレベルで構成されるCFAプログラムを履修し、投資分野における4年以上の職務経験を有している必要があります。日々業務で多忙な中でも、レベルI〜IIIの勉強をこなす能力自体を評価する金融機関も多いです。転職活動などでもグローバル金融領域に対する強いコミットを評価され面接に呼ばれることが多いです。
金融市場の変化に合わせて毎年カリキュラムがアップデートされ、実務により近い知識となるように改定されています。例えば、金融とテクノロジーを掛け合わせたFintechの話題やMachine LearningやBig Data、分散台帳技術(ブロックチェーン)を用いたデジタル資産の話題等、金融業界で巻き起こっている新たなムーブメントも組み込まれた学習内容になっています。
CFAの難易度は?
難易度
- 難易度は「非常に高い」です。試験は全て英語で行われ、レベルIIIではエッセイによる回答が求められます。
- CFA協会が開示している過去の合格率は、各レベル共に25%〜50%程度ですが、これは実際に当日試験を受験した人数の合格率です。多くの方が勉強が間に合わずに受験しないという事実を加味すると、実際の合格率はさらに低いです。
- 加えて、この合格率は英語ネイティブを含めた全体の割合になっているため、日本人の合格割合はそれよりもかなり低いと言われています。
年月 | Level I | ||
受験者数 | 合格者数 | % | |
2021/5 | 26,005 | 6,506 | 25% |
2021/7 | 28,849 | 6,468 | 22% |
2021/8 | 16,026 | 4,211 | 26% |
2021/11 | 28,170 | 7,607 | 27% |
2022/2 | 18,992 | 6,801 | 36% |
2022/5 | 19,403 | 7,315 | 38% |
2022/8 | 19,103 | 7,032 | 37% |
2022/11 | 24,937 | 8,932 | 36% |
2023/2 | 16,959 | 6,441 | 38% |
2023/5 | 23,352 | 9,042 | 39% |
2023/8 | 23,289 | 8,713 | 37% |
2023/11 | 28,953 | 10,104 | 35% |
年 | Level II | ||
受験者数 | 合格者数 | % | |
2021/5 | 33,066 | 13,300 | 40% |
2021/8 | 10,565 | 3,064 | 29% |
2021/11 | 18,047 | 8,290 | 46% |
2022/2 | 11,699 | 5,132 | 44% |
2022/8 | 15,608 | 6,317 | 40% |
2022/11 | 12,313 | 5,382 | 44% |
2023/5 | 15,895 | 8,291 | 52% |
2023/8 | 9,074 | 3,999 | 44% |
年 | Level III | ||
受験者数 | 合格者数 | % | |
2021/5 | 21,603 | 9,088 | 42% |
2021/8 | 2,769 | 1,169 | 42% |
2021/11 | 16,186 | 6,989 | 43% |
2022/5 | 12,384 | 6,047 | 49% |
2022/8 | 10,376 | 5,032 | 48% |
2023/2 | 14,858 | 7,102 | 48% |
2023/8 | 16,035 | 7,585 | 47% |
必要な勉強時間
- CFA協会が示す目安としては各レベル300時間程度と言われています。しかしこれは、高等教育を受けた英語ネイティブの場合の目安時間であるため、第二母国語として英語を使う日本人の場合は更に時間がかかると考えています。
- たとえば、レベルIの場合、日本の証券アナリスト資格を保有している人であれば350時間で五分五分の合格率だと思います。レベルII、レベルIIIになると400時間〜500時間かかると見た方が良いでしょう。
- 日本の難関国公立や私立大学受験を乗り越えてきた方であれば、1年間、仕事をせずにCFAの勉強だけしていれば合格は可能だと思います。しかし、仕事をしながら勉強するという点が非常に難しいのです。平日は早朝か夜遅く、休日は家族や恋人との時間の合間に勉強時間を確保し、休みの日は勉強詰めという方も多いです。周りの方々の理解を得るのも一苦労。そういう様々な難関を乗り越えて初めて取得出来る資格なのです。
CFAの希少性は?
- 希少性は「非常に高い」です。
- CFA協会が開示する情報によると、2023年12月時点で1,812名のCFA Charterholderが日本に在籍しています。これは日本証券アナリスト協会の会員数29,243名(2023年12月時点)と比較するとわずか6%程度です。
- 英語ネイティブの人でも、勉強を開始してCFAを取得することが出来るのは5人に1人(ノンネイティブの日本人の場合は10人に1人)だと言われています。
どんな人が受験する?
- 世界で通用するグローバル金融知識を得てキャリアアップに繋げたいと考えるビジネスパーソンが多いです。外資系金融(投資銀行・アセマネ)や日系金融(銀行・証券・アセマネ)、商社(海外駐在)や監査法人(金融セクター)等の受験者が多いです。
CFAのメリットは?
圧倒的なグローバル金融投資知識が得られる
- CFAレベルI〜IIIを通じて、以下の内容を幅広に学ぶことが出来ます。どれもグローバル金融の世界で活躍するために必要な知識です。また、自身が個人投資家として資産運用する上での知識を得られるのは有益だと思います(多くの方が資産家となって自身の資産運用をすることになると思いますので)。
- 倫理規範・職業行為基準(Ethical and Professional Standards)
- 倫理規範・職業行為基準を学びます。グローバル金融の世界でプロフェッショナルとして活躍する上での全ての土台になるものです。
- 計量分析(Quantitative Methods)
- 時間価値概念、相関分析、回帰分析、仮設検定、区間推定や信頼限界等、計量分析ツールを幅広に学びます。
- 経済(Economics)
- 市場分析(競争市場・寡占・独占)、財政政策、金融政策、為替決定理論、経済成長理論等、資本市場予測方法等、幅広に学びます。
- 財務諸表分析(Financial Statement Analysis)
- 国際会計基準/米国会計基準をベースに会計知識全般(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー、在庫評価、固定資産、減損会計、税効果会計、リース会計、年金会計、買収連結決算等)について学びます。また、財務諸表を用いた利益の質調査、財務比率分析等を学びます。
- 企業発行体(Corporate Issuer)
- コーポレートガバナンスや資本構成とレバレッジ効果、配当政策や買収合併等について学びます。
- 株式分析(Equity Investments)
- 株価算定に関する様々なモデルを用いた株式投資分析や株式ポートフォリオ管理について学びます。
- 債券分析(Fixed Income)
- 債券投資分析や債券ポートフォリオ管理、金利、デュレーション、コンベクシティ、転換社債、二項過程モデルによるコールオプション価値評価、証券化投資(CMBS, ABS, CLO)等を学びます。
- デリバティブ(Derivatives)
- 先渡取引、先物取引、オプション取引、プットコールパリティ、デルタヘッジ等、デリバティブに関する知識を学びます。
- オルタナティブ投資(Alternative Investments)
- 不動産、未上場株式、インフラ、コモディティ、ヘッジファンド、デジタル資産投資などに関して学びます。
- ポートフォリオマネジメント&ウェルスマネジメント(Portfolio Management and Wealth Planning)
- 様々な投資家/資産クラスに対する最適なポートフォリオ管理方法について学びます。
英語で学び説明/回答する能力!
- CFA受験では、試験問題に対して英語で的確な情報収集と説明/回答をする能力が求められます。CFAの学習を通じて、英語で複雑な概念を習得し、それを明確に説明したり、問題に適切に対処したりする能力を養うことができます。
- 英語は国際的なビジネスコミュニケーションの共通言語です。CFA受験を通じて英語力を向上させることで、国際的な投資銀行や資産運用会社、多国籍企業などでのキャリアチャンスが広がります。英語で自信を持って意見を述べたり、他の専門家と円滑にコミュニケーションを取ったりすることは、グローバルなビジネス環境での競争力を高める上で非常に重要です。
海外で働く際に第一印象で負けない!
- CFA資格は英語ネイティブから見ても難関な資格です。英語ネイティブでも平日の早朝・深夜、休日を犠牲にして必死に勉強してやっと取得出来る資格であることは、グローバル金融の世界でも有名な話です。
- みなさんも将来海外に出て働くことがあると思いますが、どんなに英語が苦手な方でもCFAの肩書きがあれば、相手はこちらの能力を理解してくれます。グローバル金融の中ではそれだけ知名度が高い資格なのです。第一印象で負けません。
転職マーケットでも有利に!
- CFAホルダーだから即採用 ということにはなりませんが、転職マーケットでは優遇されています。例えば、LinkedinにCFA Level IやLevel IIに合格したことを登録しただけでヘッドハンターから連絡を受けたという報告も多々受けています。
- Level I、Level IIに合格するだけでも対外的な効果があるのはさすがですよね。既に学習を開始された方は分かると思いますが、ものすごい分量のテキストを学習して試験に合格するわけですから、最低限の金融知識を有していると証明出来るということかと思います。
- また、CFA Institute Career Centerでは求人紹介を開示しています。検索欄にJapanを入力頂きGoldman SachsやBlackRock等と検索すると様々な求人が出てきます。CFAホルダーを欲している企業はたくさんあるわけです。様々な国の求人を見てみると良いでしょう!
その先にあるCFA資格保有者のコミュニティ!
- グローバル金融の世界で仕事をしていると、名刺にCFAと入っている方とよく出会います。
- 例えば、海外のカンファレンス等で名刺交換をすると、「おお、あなたもCFA試験を突破したのですね!実は私もです!」と、出会った時から見えない連体感が生まれ、初対面でも長年の仲間のように触れ合えることが多いです。
- 文化も言語も異なる中でもCFAを通じて互いの共通点を見つけることが出来るのは、CFAホルダーの醍醐味です。
他にも、CFA勉強中にこんな出来事が…
- カフェ等でSchweser Noteのテキストを開いて勉強をしていると、CFAホルダーやCFA Candidateの方に声をかけられ、「今レベル何? 私も勉強しているんだ!」と会話が始まるケースがあります。
- CFA協会指定の関数電卓を持っているだけでも同じようなことが起きます。
CFAのデメリットは?
合格までにかなりの勉強時間が必要
- CFA資格取得のためには、十分な時間を費やす必要があります。各レベルの試験は膨大な量の教材をカバーしており、それを十分に理解し準備するには時間と集中力が必要です。また、CFAの学習と並行して他の仕事や学業がある場合は、かなりの覚悟が必要になるでしょう。
それなりに費用がかかる
- CFA受験には、登録料、試験費用、教材の購入費用、などでLevel IからIIIまで合計で100万円程度の費用がかかります。不合格となり、再チャレンジをする際はさらにこれらの費用が累積していくため、受験には一定の費用を見積もる必要があります。
- 但し、MBA留学や金融大学院(Master In Finance)などで留学をする場合には数千万円のコストがかかると言われていますし、キャリアを一旦停止した上でチャレンジしなければいけない点を踏まえれば、仕事をしつつ、100万円程度でグローバルで通用する金融プロフェッショナルの称号を得られるのであればかなりコスパは良いと考えます。
日本国内では外資金融を除き認知度が低い
- CFA資格はグローバル金融領域において高い評価を受けていますが、国内日系金融業界では、日本証券アナリスト資格(CMA)の認知度が高い為、そもそもCFAを知らない人も多いです。(一方、海外ではCMAのことはほぼ誰も知りませんが・・・)
- キャリアを国内日系金融業界に絞り、海外勤務も特段視野に入れていない場合には、CFA資格は必ずしも必要ではないかもしれません。
- 海外勤務を視野に入れている人や国内にいつつも海外とのやり取りが必要な方、そして外資系金融機関での勤務を考えている人にとってはかなりの武器になると思います。
それでは、下のリンクから受験内容を眺めていきましょう!