Learning Module 5「Guidance for Standard III: Duties to Clients(基準III:顧客に対する義務)」は、基準III(顧客に対する義務)の5項目、III(A)忠実・慎重・注意、III(B)公正な取扱い、III(C)適合性、III(D)運用成績の提示、III(E)守秘義務について、求められる行動、違反を防ぐ手続、適合と違反の見分け方を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM5のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM5には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:職業上の誠実性が問題となる状況に、倫理規範と職業行為基準を適用するdemonstrate the application of the Code of Ethics and Standards of Professional Conduct to situations involving issues of professional integrity
  2. LOS 2:倫理規範と職業行為基準への違反を防ぐための実務と手続を推奨するrecommend practices and procedures designed to prevent violations of the Code of Ethics and Standards of Professional Conduct
  3. LOS 3:倫理規範と職業行為基準に適合する行為と違反する行為を識別するidentify conduct that conforms to the Code and Standards and conduct that violates the Code and Standards

LM5のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • III(A):顧客に対して忠実義務を負い、合理的な注意と慎重な判断をもって行動し、顧客の利益を雇用主や自分の利益より優先
  • III(B):投資分析の提供、推奨、投資行動などにおいて、すべての顧客を公正かつ客観的に取り扱う。公正は「同一」ではない
  • III(C):助言関係では、顧客の投資経験、リスク・リターン目標、制約を確認して定期的に見直し、ポートフォリオ全体の中で適合性を判断。特定の運用方針で運用する場合は、その方針と制約に沿って行動
  • III(D):運用成績の情報が公正・正確・完全であるよう合理的な努力をする。GIPSの順守は義務ではないが推奨
  • III(E):現在・過去・見込み顧客の情報を守秘。例外は顧客の違法行為に関わる情報、法律で開示が求められる場合、顧客の許可がある場合
  • 違反防止の手続には、投資方針書(IPS)の作成・更新、取引配分手続の文書化、成績の合成(コンポジット)での提示、安全な通信手段などがある

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:基準IIIの5項目の内容と適用

基準IIIは、投資専門家が顧客に対して負う義務を定める基準です。忠実と注意、公正な取扱い、適合性、成績の提示、守秘の5項目で構成されます。

  • III(A):顧客利益の優先、合理的な注意と慎重な判断(顧客のブローカレッジは顧客の資産)
  • III(B):推奨の伝達と投資行動の公正な取扱い(公正であって同一ではない)
  • III(C):顧客の目的と制約の確認、ポートフォリオ全体での適合性判断
  • III(D):公正・正確・完全な運用成績の提示
  • III(E):顧客情報の守秘と3つの例外

LOS 2:違反を防ぐ実務と手続

顧客への義務を果たすため、文書化と記録を軸とした手続が推奨されます。

  • III(A):投資目的の明確化、分散投資、定期的なレビュー、議決権行使方針、最良執行の追求
  • III(B):推奨の同時伝達、取引配分手続(按分配分)の文書化と開示、サービス水準の開示
  • III(C):投資方針書(IPS)の作成と少なくとも年1回・重要な変化時の更新
  • III(D):単一口座でなく類似口座のコンポジットで提示、解約口座の含有、手数料控除前後などの開示
  • III(E):暗号化など安全な通信手段と会社の情報管理方針の順守

LOS 3:適合と違反の見分け方

判断の軸は、顧客の利益が優先されたかすべての顧客が公正に扱われたか、必要な確認・開示がなされたかです。

  • 顧客のブローカレッジを顧客の利益にならない目的に使う → III(A)違反
  • 人気のIPOを自己や家族の口座に優先配分 → III(B)違反
  • 顧客の目的・制約を確認せずに推奨 → III(C)違反
  • 成績の良い口座だけを選んで提示 → III(D)違反
  • 協会の職業行為プログラムの調査への情報提供 → III(E)違反ではない

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