【CFA®︎ L1 Economics LM7】Capital Flows and the FX Market を要点解説|外国為替市場・実質為替レート・為替制度・資本規制

Learning Module 7「Capital Flows and the FX Market(資本フローと為替市場)」は、外国為替市場の機能と参加者、名目為替レートと実質為替レートの違い、通貨の変化率の計算、為替制度の種類と為替レートが貿易・資本フローに与える影響、政府による資本規制の目的を扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM7のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM7には3つのLOSがあります。
- LOS 1:外国為替市場の機能と参加者を説明し、名目為替レートと実質為替レートを区別し、ある通貨の他の通貨に対する変化率を計算・解釈するdescribe the foreign exchange market, including its functions and participants, distinguish between nominal and real exchange rates, and calculate and interpret the percentage change in a currency relative to another currency
- LOS 2:為替制度を説明し、為替レートが各国の国際貿易と資本フローに与える影響を説明するdescribe exchange rate regimes and explain the effects of exchange rates on countries’ international trade and capital flows
- LOS 3:政府が課す資本規制の一般的な目的を説明するdescribe common objectives of capital restrictions imposed by governments
LM7のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- 外国為替市場は世界最大の市場
- 名目スポット・レートは市場で提示され、実質為替レートは自国と外国の物価水準の関係を反映して相対的な購買力を示す
- 通貨の変化率の計算により、為替の変動を把握し取引に活用できる
- 為替制度には変動相場制から完全な固定相場制まであり、政治・経済的な事情により中間的な制度を採る国も多い
- 為替レートなどが貿易収支に与える影響は、資本フローへの影響と表裏の関係にある
- 資本の自由な移動が経済的には最も望ましいが、政府は国内政策や戦略・防衛上の目的から資本の流入・流出を制限することがある
- 資本規制は、危機時の資本逃避を防ぎ、国内企業の競争力を損なう資本流入を抑える手段となる
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:外国為替市場・名目と実質の為替レート・変化率
外国為替市場は、貿易・資本取引の決済、ヘッジ、投機などの機能を担う世界最大の市場です。実質為替レートは名目レートを両国の物価水準で調整したもので、相対的な購買力を表します。為替レートの表記(価格通貨/基準通貨)に注意して変化率を計算します。
- 売り手側:銀行などのディーラー
- 買い手側:事業会社、リアルマネー投資家、レバレッジ投資家(ヘッジファンド)、個人、政府、中央銀行、ソブリン・ウェルス・ファンド
- 表記:S(d/f) は外貨(基準通貨)1単位あたりの自国通貨(価格通貨)の量
- 実質為替レートの上昇は、自国の財が相対的に割安になる(外貨の実質的な増価)ことを意味
- 基準通貨の変化率:S₁/S₀ − 1、価格通貨の変化率:S₀/S₁ − 1
LOS 2:為替制度と貿易・資本フローへの影響
為替制度は、独自の法定通貨を持たない制度からカレンシー・ボード、固定相場、クローリング・ペッグ、管理変動相場、独立変動相場まで幅があります。貿易収支は国内の貯蓄・投資バランスと表裏の関係にあり、貿易赤字は資本の流入で賄われます。
- 独自の法定通貨なし:ドル化、通貨同盟(ユーロなど)
- カレンシー・ボード:外貨準備の裏付けで自国通貨を固定レートで発行
- 固定相場:通常±1%程度の変動幅でペッグ
- ターゲット・ゾーン、クローリング・ペッグ、クローリング・バンド、管理変動相場
- 貿易収支 = 民間貯蓄 − 投資 + 財政収支
- 経常収支の赤字は資本収支(金融収支)の流入超で賄われる
LOS 3:資本規制の目的
政府は、国内の政策目的や戦略・防衛上の理由から資本の流入・流出を制限することがあります。危機時の資本逃避の防止や、過度な資本流入による通貨高の抑制などが代表的な目的です。
- 国内資産価格のボラティリティの抑制
- 固定為替レートの維持(独自の金融政策との両立)
- 国内金利を低く抑える
- 戦略的に重要な国内産業の外国資本からの保護
- 危機時の資本逃避の防止
- 長期的には資源配分の効率を損なうおそれ
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