Learning Module 2「Forward Commitment and Contingent Claim Features and Instruments(確定的な約定と条件付請求権の商品)」は、フォワード、先物、スワップ、オプション、クレジット・デリバティブの基本的な仕組みと比較、オプションの満期時価値と損益の計算、確定的な約定と条件付請求権の違いを扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM2のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM2には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:フォワード契約、先物契約、スワップ、オプション(コールとプット)、クレジット・デリバティブを定義し、それらの基本的な特徴を比較するdefine forward contracts, futures contracts, swaps, options (calls and puts), and credit derivatives and compare their basic characteristics
  2. LOS 2:コール・オプションまたはプット・オプションのロング・ポジションおよびショート・ポジションについて、満期時の価値と損益を求めるdetermine the value at expiration and profit from a long or a short position in a call or put option
  3. LOS 3:確定的な約定(フォワード・コミットメント)と条件付請求権(コンティンジェント・クレーム)を対比するcontrast forward commitments with contingent claims

LM2のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • フォワード、先物、スワップは確定的な約定であり、将来、事前に合意した条件で取引(交換)を行うことを当事者双方に義務づける契約
  • フォワードは柔軟なOTC商品である一方、先物は標準化された取引所商品で、損益が毎日値洗い・決済される
  • スワップは将来の一連のキャッシュフローを交換する確定的な約定で、代表例は固定金利と変動金利を交換する金利スワップ
  • オプションは条件付請求権で、買い手がプレミアムを支払うことで、事前に決めた行使価格で原資産を取引する権利を得る
  • オプションのペイオフと損益は原資産価格に対して非線形であり、線形のペイオフを持つ確定的な約定とは対照的
  • 市場参加者は確定的な約定と条件付請求権の両方を使って似たエクスポージャーを作れるが、ペイオフと損益の形は異なる

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:主なデリバティブ商品の定義と比較

フォワード先物スワップは、将来の取引を双方に義務づける契約です。オプションは買い手に権利だけを与え、クレジット・デリバティブは発行体の信用事由に連動して支払いが生じる契約です。

  • フォワード:OTCで個別に条件を決める、満期に1回の決済、取引相手信用リスクあり
  • 先物:取引所で標準化、日々の値洗い(証拠金勘定で損益を毎日決済)
  • スワップ:一連の将来キャッシュフローの交換(例:固定金利と変動金利)
  • オプション:買い手が権利、売り手が義務、買い手は売り手にプレミアムを支払う
  • コールは買う権利、プットは売る権利、ヨーロピアンは満期日のみ行使可能、アメリカンは満期までいつでも行使可能
  • クレジット・デフォルト・スワップ(CDS):プロテクションの買い手がプレミアムを払い、信用事由発生時に補償を受ける

LOS 2:オプションの満期時価値と損益

満期時の価値(ペイオフ)は、コールなら原資産価格が行使価格を上回った分、プットなら下回った分です。損益はペイオフから当初支払ったプレミアムを差し引いて求め、ショートの損益はロングの符号を反転したものになります。

  • ロング・コールのペイオフ:max(0, S_T − X)
  • ロング・プットのペイオフ:max(0, X − S_T)
  • 損益=ペイオフ − プレミアム(ロング)、プレミアム − ペイオフ(ショート)
  • ロング・コールの最大損失はプレミアム、最大利益は無限
  • ショート・コールの最大損失は無限、ショート・プットの最大損失は X − p₀
  • 損益分岐点:コールは X + c₀、プットは X − p₀
ロング・コールの損益 = max(0, S_T − X) − c₀ / ロング・プットの損益 = max(0, X − S_T) − p₀

LOS 3:確定的な約定と条件付請求権の違い

確定的な約定は双方に取引を義務づけるため、損益は原資産価格に対して線形で対称になります。条件付請求権は買い手が行使するかどうかを選べるため、損益は非線形で非対称になります。

  • 確定的な約定:契約時の価値はゼロで、プレミアムの支払いなし
  • 条件付請求権:買い手がプレミアムを支払って権利を得る
  • ペイオフの形状:線形(フォワード等)と非線形(オプション)
  • オプションは下方リスクを限定しつつ上昇の恩恵を得られる
  • 同じ原資産に対して両者で似たエクスポージャーを作れるが、損益プロファイルは異なる

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