Learning Module 9「The Term Structure of Interest Rates: Spot, Par, and Forward Curves(金利の期間構造)」は、スポット・レート(ゼロ・レート)とスポット・カーブを用いた債券価格の計算、パー・レートとインプライド・フォワード・レートの算出、そしてスポット・カーブ、パー・カーブ、フォワード・カーブの関係を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM9のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM9には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:スポット・レートとスポット・カーブを定義し、スポット・レートを用いて債券価格を計算するdefine spot rates and the spot curve, and calculate the price of a bond using spot rates
  2. LOS 2:パー・レートとフォワード・レートを定義し、パー・レート、スポット・レートからのフォワード・レート、フォワード・レートからのスポット・レート、フォワード・レートを用いた債券価格を計算するdefine par and forward rates, and calculate par rates, forward rates from spot rates, spot rates from forward rates, and the price of a bond using forward rates
  3. LOS 3:スポット・カーブ、パー・カーブ、フォワード・カーブを比較するcompare the spot curve, par curve, and forward curve

LM9のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • スポット・レートはデフォルト・リスクのないゼロ・クーポン債の市場割引率で、ゼロ・レートとも呼ばれる。スポット・レートの系列で価格を計算すると裁定のない価格が得られる
  • パー・レートは、ある満期の債券をパーで評価する市場割引率で、その満期までのスポット・レートから導かれる
  • インプライド・フォワード・レートはスポット・レートから計算され、満期を1期間延ばすことによる追加的(限界的)なリターンと解釈でき、損益分岐となる再投資レートを表す
  • パー・レートとフォワード・レートはスポット・レートから導けるため、スポット・カーブの形状はパー・カーブやフォワード・カーブの形状と密接に関係する
  • 右上がりの期間構造ではパー・レートは対応するスポット・レートより低く、フォワード・レートはスポット・レートより高い
  • 右下がりの期間構造ではパー・レートはスポット・レートより高く、フォワード・レートはスポット・レートより低い

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:スポット・レートによる債券価格

スポット・レートは、デフォルト・リスクのないゼロ・クーポン債の利回りです。各時点のキャッシュフローをその時点に対応するスポット・レートで割り引くことで、裁定の起きない(no-arbitrage)債券価格が求められます。

  • スポット・カーブ:満期ごとのスポット・レートを結んだ曲線(ゼロ・カーブ)
  • YTMは全期間に単一の割引率を使うが、スポット・レートは期間ごとに異なる割引率を使う
  • スポット・レートで求めた価格は裁定のない価格
  • YTMはスポット・レートの一種の加重平均と解釈できる
PV = PMT/(1+z₁)¹ + PMT/(1+z₂)² + … + (PMT+FV)/(1+zₙ)ᴺ

LOS 2:パー・レートとフォワード・レートの計算

パー・レートは、スポット・レートで割り引いたときに債券価格がちょうど額面になるクーポン・レートです。インプライド・フォワード・レートは、短い期間のスポット・レートで運用してから再投資する場合と長い期間のスポット・レートで運用する場合が同じ結果になる将来の金利で、損益分岐の再投資レートを意味します。

  • パー・レート:1 = PMT/(1+z₁) + PMT/(1+z₂)² + … + (PMT+1)/(1+zₙ)ᴺ を満たすPMT
  • フォワード・レートは満期を延ばすことによる限界的なリターン
  • スポット・レートはフォワード・レートの幾何平均に相当
  • フォワード・レートで順に割り引いても、スポット・レートで割り引いたのと同じ価格になる
  • 表記:Aの時点から始まるB−A年間のフォワード・レート
(1+z_B)^B = (1+z_A)^A × (1+IFR_A,B−A)^(B−A)

LOS 3:スポット・パー・フォワード・カーブの比較

パー・レートとフォワード・レートはスポット・レートから導けるため、3つのカーブの形状は互いに関連しています。右上がりのカーブではフォワード>スポット>パー、右下がりのカーブではフォワード<スポット<パーの関係になります。

  • 右上がり:パー・レート<スポット・レート<フォワード・レート
  • 右下がり:パー・レート>スポット・レート>フォワード・レート
  • フラットなカーブでは3つのレートがすべて等しい
  • パー・カーブは利付債の利回りで、クーポンの影響でスポット・カーブより傾きが緩やか

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