【CFA®︎ L1 Derivatives LM3】Derivative Benefits, Risks, and Issuer and Investor Uses を要点解説|デリバティブの便益・リスク・発行体と投資家の利用

Learning Module 3「Derivative Benefits, Risks, and Issuer and Investor Uses(デリバティブの便益・リスクと利用目的)」は、デリバティブがもたらす便益とリスク、そして発行体(企業)と投資家によるデリバティブの使い方の違いを扱う単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM3のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM3には2つのLOSがあります。
- LOS 1:デリバティブ商品の便益とリスクを説明するdescribe benefits and risks of derivative instruments
- LOS 2:発行体と投資家によるデリバティブの利用を比較するcompare the use of derivatives among issuers and investors
LM3のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- デリバティブにより、現物市場で原資産を売買せずに、エクスポージャーの配分・管理・取引が可能
- デリバティブは現物市場より運用面・市場面で効率的なことが多く、現物市場では得られないエクスポージャーも作れる
- リスクとして、大きな暗黙のレバレッジ、一部商品での透明性の低さ、ベーシス・リスク、流動性リスク、取引相手信用リスク
- 過去には、デリバティブを通じた過度なリスクテイクが市場の不安定化やシステミック・リスクの一因に
- 発行体は主に、資産・負債・利益に影響する市場関連のエクスポージャーを相殺(ヘッジ)する目的で利用
- 発行体は損益やキャッシュフローの変動を抑えるため、ヘッジ会計の適用を求めるのが一般的
- 投資家は、ポートフォリオのキャッシュフローの調整、現物戦略のリターンの複製、現物では得られないエクスポージャーの創出に利用
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:デリバティブの便益とリスク
デリバティブは、リスクの移転・管理、情報の発見(価格発見)、取引コストの低さなどの便益をもたらします。一方で、レバレッジによる損失の拡大、ベーシス・リスク、流動性リスク、取引相手信用リスク、システミック・リスクといったリスクも伴います。
- 便益:リスクの配分・移転・管理、価格発見、運用・市場の効率性(低コスト・少ない資金)
- 便益:現物市場では作れないエクスポージャーの創出(例:ボラティリティ)
- リスク:暗黙のレバレッジが大きく、小さな価格変動で大きな損益
- ベーシス・リスク:ヘッジ対象とデリバティブの価値の動きがずれるリスク
- 流動性リスク:デリバティブの決済時期と原資産の現金化時期のずれなど
- 取引相手信用リスク、システミック・リスク(過度なリスクテイクによる市場の不安定化)
LOS 2:発行体と投資家の利用目的の比較
発行体(企業)は、金利・為替・コモディティ価格の変動が資産・負債・利益に与える影響をヘッジするために使うのが中心です。投資家は、ヘッジに加えて、リターンの複製やエクスポージャーの調整・創出のために使います。
- 発行体:市場リスクのヘッジが中心、ヘッジ会計の適用で損益・キャッシュフローの変動を抑える
- ヘッジ会計の3類型:公正価値ヘッジ、キャッシュフロー・ヘッジ、在外営業活動体への純投資ヘッジ
- 投資家:ポートフォリオのキャッシュフローの調整(例:金利スワップでデュレーションを変更)
- 投資家:現物戦略のリターンの複製(例:株価指数先物で指数に連動)
- 投資家:現物では得られないエクスポージャーの創出
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