CFA®︎ Level 1「Derivatives(デリバティブ)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全10単元・65語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Derivatives の重要用語(LM別)

LM1 Derivative Instrument and Derivative Market Features(デリバティブ商品と市場の特徴)

Derivative
デリバティブ(金融派生商品)
原資産の価格・水準・パフォーマンスに応じて価値が決まる金融契約。少ない当初資金で原資産へのエクスポージャーを作成・変更できる。
Underlying
原資産
デリバティブの価値の基準となる資産や指標。株式、債券・金利、通貨、コモディティ、クレジットなどがあり、その価格変動がデリバティブの損益を決める。
Over-the-Counter (OTC) Market
店頭(OTC)市場
取引所を介さず、エンドユーザーと金融仲介業者(ディーラー)が相対で条件を決めて契約する市場。柔軟なカスタマイズが可能だが透明性は相対的に低い。
Exchange-Traded Derivative (ETD)
取引所取引デリバティブ
組織化された取引所で売買される、条件が標準化されたデリバティブ。証拠金の差し入れが求められ、流動性と価格の透明性が高い。
Central Counterparty (CCP)
中央清算機関(CCP)
デリバティブ取引の当事者の間に入り、双方の取引相手となって清算・決済を担う機関。当事者間の取引相手信用リスクを引き受ける。
Counterparty Credit Risk
取引相手信用リスク
契約の相手方が支払い義務を履行しないことで損失を被るリスク。相対取引のOTCデリバティブで残りやすく、証拠金や中央清算で軽減される。
Notional Amount
想定元本
デリバティブ契約で支払額を計算する基準となる元本の額。金利スワップなどでは計算上の基準にとどまり、実際には交換されないことが多い。

LM2 Forward Commitment and Contingent Claim Features and Instruments(先渡・先物型と条件付請求権型の商品)

Forward Commitment (Firm Commitment)
確定的な約定(フォワード・コミットメント)
将来の特定日に、事前に合意した条件で取引を行うことを当事者双方に義務づける契約。フォワード、先物、スワップが該当し、ペイオフは線形となる。
Contingent Claim
条件付請求権(コンティンジェント・クレーム)
ある条件が満たされた場合にのみ支払いが生じる契約。代表例はオプションで、買い手は権利を持ち、売り手だけが義務を負うため、ペイオフは非線形となる。
Forward Contract
フォワード契約(先渡契約)
将来の特定日に、あらかじめ決めた価格で原資産を売買することを約束するOTC契約。条件を個別に設定でき、決済は通常満期に1回だけ行われる。
Futures Contract
先物契約
取引所で売買される、条件が標準化されたフォワード型の契約。損益は証拠金勘定を通じて毎日値洗い・決済される点がフォワードと異なる。
Swap
スワップ
2当事者が将来の一連のキャッシュフローを交換する契約。代表例は固定金利と変動金利を交換する金利スワップで、一連のフォワード契約の組み合わせとみなせる。
Call Option
コール・オプション
行使価格で原資産を買う権利。買い手はプレミアムを支払って権利を得て、満期時のペイオフは原資産価格が行使価格を上回った分となる。
Put Option
プット・オプション
行使価格で原資産を売る権利。買い手はプレミアムを支払って権利を得て、満期時のペイオフは原資産価格が行使価格を下回った分となる。
European Option
ヨーロピアン・オプション
満期日にのみ権利を行使できるオプション。満期前のいつでも行使できるアメリカン・オプションと区別される。
American Option
アメリカン・オプション
満期日までのいつでも権利を行使できるオプション。行使時期を選べる分、同条件のヨーロピアン・オプション以上の価値を持つ。
Credit Default Swap (CDS)
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)
プロテクションの買い手が売り手に定期的なプレミアムを支払い、参照企業に信用事由が起きた場合に損失の補償を受け取るクレジット・デリバティブ。

LM3 Derivative Benefits, Risks, and Issuer and Investor Uses(デリバティブの便益・リスクと利用目的)

Implicit Leverage
暗黙のレバレッジ
デリバティブが少ない資金で大きな原資産エクスポージャーを持てることから生じるレバレッジ。原資産価格の小さな変動が大きな損益につながる。
Basis Risk
ベーシス・リスク
ヘッジ対象のエクスポージャーと、ヘッジに用いるデリバティブの価値の動きが一致しないリスク。原資産や満期のずれなどから生じ、ヘッジが不完全になる。
Systemic Risk
システミック・リスク
個別の損失や破綻が連鎖して、金融システムや市場全体の機能が損なわれるリスク。デリバティブを通じた過度なリスクテイクがその一因となり得る。
Price Discovery
価格発見
市場取引を通じて資産の適正価格に関する情報が形成・反映される機能。デリバティブ市場は取引コストが低いため、新しい情報が価格に反映されやすい。
Hedge Accounting
ヘッジ会計
ヘッジ対象とヘッジ手段であるデリバティブの損益を同じ期間に認識させる会計処理。発行体が損益やキャッシュフローの変動を抑える目的で適用する。
Fair Value Hedge
公正価値ヘッジ
資産・負債の公正価値の変動をデリバティブで相殺するヘッジ。例として、固定利付債務を金利スワップで実質的に変動利付に変える取引がある。
Cash Flow Hedge
キャッシュフロー・ヘッジ
変動金利の支払いや予定取引など、将来キャッシュフローの変動をデリバティブで固定・抑制するヘッジ。ヘッジ手段の損益は一旦その他の包括利益に計上される。
Net Investment Hedge
在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
海外子会社などへの純投資について、為替レート変動による価値の変化をデリバティブや外貨建て負債で相殺するヘッジ。

LM4 Arbitrage, Replication, and the Cost of Carry in Pricing Derivatives(裁定・複製・キャリーコストによる価格決定)

Arbitrage
裁定(アービトラージ)
同じ将来キャッシュフローを持つ資産が異なる価格で取引されているときに、割安な方を買い割高な方を売って、リスクなしに利益を得る取引。
Law of One Price
一物一価の法則
同じ将来キャッシュフローを生む資産は、同じ価格でなければならないという原則。裁定が働くことで成立し、デリバティブの無裁定価格の前提となる。
Replication
複製
原資産と無リスク資産の組み合わせなどで、デリバティブと同じペイオフを作ること。複製ポートフォリオのコストがデリバティブの無裁定価格となる。
Cost of Carry
キャリーコスト
原資産を一定期間保有することに伴うコストと便益の純額。保管料・保険料はコスト、配当・利息・コンビニエンス・イールドは便益で、スポットとフォワードの価格差に反映される。
Convenience Yield
コンビニエンス・イールド
コモディティの現物を手元に保有することで得られる非金銭的な便益。品不足への備えなどを表し、フォワード価格を押し下げる方向に働く。
Cash-and-Carry Arbitrage
キャッシュ・アンド・キャリー裁定
フォワード価格が理論値より高いときに、資金を借りて原資産を買い、同時にフォワードを売って利益を確定させる裁定取引。
Reverse Cash-and-Carry Arbitrage
リバース・キャッシュ・アンド・キャリー裁定
フォワード価格が理論値より低いときに、原資産を空売りして代金を無リスク金利で運用し、同時にフォワードを買って利益を確定させる裁定取引。

LM5 Pricing and Valuation of Forward Contracts and for an Underlying with Varying Maturities(フォワードの価格と価値(満期の異なる原資産を含む))

Forward Price
フォワード価格(先渡価格)
フォワード契約で満期時に原資産を受け渡す価格。契約時の契約価値がゼロとなる水準に決められ、満期まで変わらない。
Value of a Forward Contract
フォワード契約の価値
契約時点以降のフォワードの時価(値洗い価値)。契約時はゼロで、期間中はスポット価格とフォワード価格の現在価値の差、満期時はスポット価格とフォワード価格の差となる。
Spot Rate (Zero Rate)
スポット・レート(ゼロ・レート)
現時点から特定の満期まで適用される、ゼロクーポン債の利回り。利付債や市場参照金利から導かれ、満期ごとに異なる値をとる。
Implied Forward Rate (IFR)
インプライド・フォワード・レート
異なる満期の2つのスポット・レートから導かれる、将来の特定期間の金利。短期で運用して再投資する場合と長期で運用する場合のリターンを等しくする損益分岐の再投資利回り。
Forward Rate Agreement (FRA)
金利先渡契約(FRA)
将来の特定期間に適用する金利を現時点で固定する契約。参照金利と約定金利の差に想定元本と期間を掛けた額を、期間の初めに割り引いて差金決済する。
Market Reference Rate (MRR)
市場参照金利(MRR)
変動金利商品やFRA・金利スワップなどの変動側の支払額を決める基準金利。代表的な短期の市場金利が用いられる。

LM6 Pricing and Valuation of Futures Contracts(先物の価格と価値)

この単元の要点解説:LM6 先物の価格と価値
Mark-to-Market (Daily Settlement)
値洗い(日々の決済)
先物ポジションの損益をその日の決済価格で評価し、証拠金勘定で毎日受け払いする仕組み。これにより先物の価値は毎日ゼロにリセットされる。
Margin Account
証拠金勘定
先物の取引者が清算機関(ブローカー経由)に担保を差し入れる勘定。日々の値洗い損益がここで決済され、残高が所定水準を下回ると追加の差し入れが必要となる。
Convergence
収束
満期が近づくにつれて先物価格が原資産のスポット価格に近づき、満期時に一致する性質。一致しなければ裁定機会が生じる。
Interest Rate Futures
金利先物
短期金利を原資産とする先物。価格は(100 − 利回り(%))で表示され、金利が上がると先物価格は下がる。
Convexity Bias
コンベクシティ・バイアス
日々の値洗いの有無によって、金利先物の含意金利とFRAの金利の間に生じる差。金利と先物価格の関係が非線形であることから生じる。

LM7 Pricing and Valuation of Interest Rate and Other Swaps(金利スワップ等の価格と価値)

この単元の要点解説:LM7 金利スワップ等の価格と価値
Interest Rate Swap
金利スワップ
同一通貨の想定元本に基づき、固定金利と変動金利の支払いを定期的に交換する契約。想定元本自体は通常交換されない。
Swap Rate (Par Swap Rate)
スワップ・レート(パー・スワップ・レート)
固定側の支払いの現在価値と、期待される変動側の支払いの現在価値を等しくする固定金利。この水準で契約時のスワップの価値がゼロとなり、スワップの価格にあたる。
Value of a Swap
スワップの価値
契約後のスワップの時価。契約時は原則ゼロで、その後は金利の変化と時間の経過に応じて、残存する固定・変動キャッシュフローの現在価値の差として変動する。
Fixed-Rate Payer
固定金利支払者(固定払い)
金利スワップで固定金利を支払い変動金利を受け取る側。固定利付債のショートと変動利付債のロングの組み合わせに相当し、金利上昇で価値が上がる。
Net Settlement Payment
ネット決済額
スワップの各決済日に、固定側と変動側の支払額を相殺した差額だけを受け払いする金額。金利差に想定元本と期間を掛けて求める。

LM8 Pricing and Valuation of Options(オプションの価格と価値)

この単元の要点解説:LM8 オプションの価格と価値
Exercise Value
行使価値
オプションを直ちに行使したと仮定した場合の価値。コールは原資産価格が行使価格を上回る分、プットは下回る分で、マイナスにはならない。
Time Value
時間価値
オプション価格のうち行使価値を超える部分。残存期間中の原資産価格の変動によって行使の利益が増える可能性を表し、満期時にはゼロとなる。
Moneyness
マネーネス
原資産価格と行使価格の位置関係。直ちに行使した場合に利益が出るかどうかを示し、イン・ザ・マネー、アット・ザ・マネー、アウト・オブ・ザ・マネーに分けられる。
In the Money (ITM)
イン・ザ・マネー
直ちに行使すると正の価値がある状態。コールは原資産価格が行使価格より高いとき、プットは原資産価格が行使価格より低いときを指す。
At the Money (ATM)
アット・ザ・マネー
原資産価格と行使価格が等しい状態。直ちに行使しても受け取る価値はゼロで、オプション価格はほぼすべて時間価値から成る。
Out of the Money (OTM)
アウト・オブ・ザ・マネー
直ちに行使しても利益が出ない状態。コールは原資産価格が行使価格より低いとき、プットは原資産価格が行使価格より高いときを指し、行使価値はゼロとなる。
No-Arbitrage Bounds of Option Values
オプション価格の無裁定上限・下限
裁定機会を生じさせないオプション価格の範囲。ヨーロピアン・コールの上限は原資産価格、プットの上限は行使価格の現在価値で、下限は原資産価格と行使価格の現在価値の差(ゼロ以上)で決まる。

LM9 Option Replication Using Put–Call Parity(プット・コール・パリティによるオプションの複製)

Put–Call Parity
プット・コール・パリティ
同じ原資産・行使価格・満期のヨーロピアン・オプションで成り立つ無裁定関係。原資産+プットの価値が、コール+行使価格の現在価値分の無リスク債券の価値に等しい。
Put–Call Forward Parity
プット・コール・フォワード・パリティ
プット・コール・パリティの原資産を、ロング・フォワードとフォワード価格の現在価値分の無リスク債券の組み合わせに置き換えた無裁定関係。
Protective Put
プロテクティブ・プット
原資産のロングとプットのロングを組み合わせたポジション。原資産価格が下落しても損失が行使価格の水準で限定される。
Fiduciary Call
フィデューシャリー・コール
コールのロングと、行使価格の現在価値分の無リスク債券のロングを組み合わせたポジション。満期時のペイオフはプロテクティブ・プットと等しい。
Synthetic Position
合成ポジション
プット・コール・パリティなどの関係を用いて、他の資産の組み合わせで特定の資産と同じペイオフを作ったもの。合成コール、合成プット、合成フォワードなどがある。

LM10 Valuing a Derivative Using a One-Period Binomial Model(1期間二項モデルによるデリバティブ評価)

One-Period Binomial Model
1期間二項モデル
1期間後に原資産価格が上昇か下落のいずれか2通りの値をとると仮定して、オプションなどの条件付請求権を評価するモデル。多期間に拡張できる。
Hedge Ratio
ヘッジ比率
オプション1単位の価値変動を相殺するために必要な原資産の数量。二項モデルでは上昇時と下落時のオプション価値の差を、原資産価格の差で割って求める。
Risk-Free Hedged Portfolio
無リスク・ヘッジ・ポートフォリオ
オプションと原資産をヘッジ比率で組み合わせ、原資産価格が上昇しても下落しても価値が同じになるようにしたポートフォリオ。無裁定条件から無リスク金利のリターンを得る。
Risk-Neutral Probability
リスク中立確率
期待ペイオフを無リスク金利で割り引くとオプションの無裁定価格が得られるように定めた計算上の確率。上昇・下落のグロス・リターンと無リスク金利だけで決まり、実際の確率とは異なる。
Risk Neutrality (Risk-Neutral Pricing)
リスク中立性(リスク中立評価)
デリバティブの価格が、投資家のリスク選好や原資産の期待リターン、実際の確率に依存せず、リスク中立確率と無リスク金利で求められるという考え方。

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