CFA®︎ Level 1「Corporate Finance(コーポレート・ファイナンス)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全7単元・66語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Corporate Finance の重要用語(LM別)

LM1 Organizational Forms, Corporate Issuer Features, and Ownership(組織形態・発行体の特徴・所有構造)

Sole Proprietorship
個人事業
所有者1人が事業を所有し経営も行う組織形態。事業と所有者が法的に分かれておらず、所有者は無限責任を負い、事業の所得は所有者個人に課税される。
General Partnership
ジェネラル・パートナーシップ
複数のパートナーが事業を共同で所有・経営する組織形態。全パートナーが事業の債務に無限責任を負い、所得はパートナー段階で課税される。
Limited Partnership
リミテッド・パートナーシップ
無限責任を負って経営を担うジェネラル・パートナー(GP)と、出資額までの有限責任で経営に関与しないリミテッド・パートナー(LP)から成る組織形態。
Limited Company (Corporation)
有限責任会社(株式会社)
所有者から独立した法人格を持ち、株主が出資額までの有限責任しか負わない組織形態。所有と経営が分離され、持分の譲渡や所有者の数の制約が少ない。
Pass-Through Taxation
パススルー課税
事業体の段階では課税されず、その所得が所有者に帰属するものとして所有者の段階でのみ課税される方式。パートナーシップなどで用いられる。
Double Taxation
二重課税
会社の利益に法人段階で課税されたうえで、配当として分配された際に株主段階でも再度課税されること。法域によって扱いが異なる。
Initial Public Offering (IPO)
新規株式公開(IPO)
非公開企業が初めて株式を一般の投資家に売り出し、取引所に上場すること。上場の方法には、ほかにダイレクト・リスティングやSPACとの合併がある。
Direct Listing
ダイレクト・リスティング
新株の募集を行わず、既存株主が保有する株式をそのまま取引所に上場させる方法。IPOと異なり、上場時に新たな資金は調達しない。
Special Purpose Acquisition Company (SPAC)
特別買収目的会社(SPAC)
事業を持たずに上場して資金を集め、その資金で非公開企業を買収・合併することを目的とする会社。非公開企業にとっては上場の一手段となる。
Leveraged Buyout (LBO)
レバレッジド・バイアウト(LBO)
買収資金の大部分を借入で賄って企業を買収する取引。買収後は対象企業のキャッシュフローで返済し、上場企業を非公開化する手段として用いられる。

LM2 Investors and Other Stakeholders(投資家とその他のステークホルダー)

Residual Claim
残余請求権
債権者などへの支払いを済ませた後に残るキャッシュフローや資産に対する請求権。株主が持ち、受取りの上限はない一方で支払いの約束もない。
Financial Leverage
財務レバレッジ
資本構成に負債を用いること、またはその度合い。負債の割合を高めると、株主の期待リターンとリターンの変動(リスク)の両方が大きくなる。
Shareholder Theory
株主理論
企業経営の主たる目的は株主価値の最大化にあるとする考え方。株主以外の利害関係者の利益は、その目的を達成する範囲で考慮される。
Stakeholder Theory
ステークホルダー理論
株主だけでなく、債権者・従業員・顧客・サプライヤー・政府・社会など幅広い利害関係者の利益を考慮して企業経営を行うべきとする考え方。
ESG Factors
ESG要因
企業の環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)に関わる要因。キャッシュフローやリスク、評判を通じて企業価値に影響し、リスクと機会の両方をもたらす。
Materiality
重要性(マテリアリティ)
あるESG要因などの情報が、企業の財務内容や企業価値に影響を及ぼす程度。投資家が評価の対象とする要因を見極める基準となる。

LM3 Corporate Governance: Conflicts, Mechanisms, Risks, and Benefits(コーポレート・ガバナンス:対立・仕組み・リスク・便益)

Principal–Agent Relationship
プリンシパル・エージェント関係
一方(プリンシパル)が他方(エージェント)に業務や意思決定を委託する関係。企業では株主が取締役を、取締役が経営陣をエージェントとして選ぶ。
Information Asymmetry
情報の非対称性
取引や関係の当事者の間で、保有する情報の量や質に差がある状態。エージェントが多くの情報を持つことが多く、利益相反の原因となる。
Corporate Governance
コーポレート・ガバナンス
企業を統制・管理するための仕組みと手続き。ステークホルダーの権利・責任・権限のバランスを取り、利益相反を調整しながら企業の目的を達成する。
Empire Building
帝国建設
経営者が株主価値の向上ではなく、自らの権限や報酬、名声を高めるために企業の規模を過度に拡大しようとする行動。エージェンシー問題の一例。
Related-Party Transaction
関連当事者取引
企業と、その経営者・取締役・支配株主やその関係者との間で行われる取引。支配株主などが少数株主の犠牲のもとで利益を得る手段となり得る。
Dual-Class Share Structure
種類株式構造(デュアル・クラス)
議決権の数が異なる複数の種類の株式を発行する資本構造。創業者などが少ない持分で企業の支配権を維持でき、少数株主との利害対立の要因となり得る。
Cumulative Voting
累積投票
株主が選任する取締役の数に応じた議決権をまとめて特定の候補者に集中して投じられる方式。少数株主が取締役を選任しやすくなる。
Proxy Voting
委任状による議決権行使
株主総会に出席しない株主が、他者に議決権の行使を委任する仕組み。株主が経営の重要事項に意思を反映させる手段の一つ。
Shareholder Activism
株主アクティビズム
株主が経営陣や取締役会に働きかけて、経営方針や資本政策、ガバナンスの変更を求める行動。株主価値の向上を目的とすることが多い。
Covenant
財務制限条項(コベナンツ)
社債契約やローン契約に定められる、借り手が守るべき義務や制約。債権者の利益を守るため、追加借入や配当などの行動を制限する。

LM4 Working Capital and Liquidity(運転資本と流動性)

この単元の要点解説:LM4 運転資本と流動性
Cash Conversion Cycle (CCC)
キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)
仕入先への支払いから顧客からの現金回収までの日数。在庫日数と売上債権回転日数の合計から買入債務回転日数を差し引いて求め、短いほど運転資本の負担が小さい。
Days of Inventory on Hand (DOH)
在庫日数(DOH)
在庫を仕入れてから販売されるまでに平均で何日かかるかを示す指標。在庫を1日あたりの売上原価で割って求める。
Days Sales Outstanding (DSO)
売上債権回転日数(DSO)
掛けで販売してから代金を回収するまでに平均で何日かかるかを示す指標。売掛金を1日あたりの売上高で割って求める。
Days Payables Outstanding (DPO)
買入債務回転日数(DPO)
仕入れてから仕入先に代金を支払うまでに平均で何日かかるかを示す指標。買掛金を1日あたりの仕入高で割って求める。
Net Working Capital
純運転資本
流動資産から流動負債を差し引いた運転資本から、現金・有価証券・短期借入金などの非営業項目を除いたもの。対売上比率はCCCの長さと密接に関係する。
Primary Sources of Liquidity
一次的な流動性の源泉
手元現金・短期投資、銀行の与信枠、営業キャッシュフローなど、通常の事業運営の中で利用できる流動性の源泉。
Secondary Sources of Liquidity
二次的な流動性の源泉
株式の発行、契約の再交渉、資産の売却、破産保護の申請など、主に危機時に用いられる流動性の源泉。事業運営への影響やコストが大きい。
Drag on Liquidity
流動性のドラッグ
回収不能な売上債権や陳腐化した在庫などにより、現金の流入が遅れたり減ったりすること。企業の流動性を低下させる要因となる。
Pull on Liquidity
流動性のプル
仕入先への支払いの早期化や与信枠の縮小・中断などにより、現金の流出が早まること。企業の流動性を低下させる要因となる。
Aggressive Working Capital Approach
積極的な運転資本管理アプローチ
運転資本の保有を少なく抑え、短期資金への依存を大きくする管理方法。コストは低いが借換えのリスクが高く、保有を多くし長期資金で賄う保守的アプローチと対照をなす。

LM5 Capital Investments and Capital Allocation(設備投資と資本配分)

この単元の要点解説:LM5 設備投資と資本配分
Going Concern Project
事業継続プロジェクト
既存事業を維持・継続するための設備投資。老朽化した設備の取替えなどが該当し、他の種類の投資に比べてリスクは比較的低い。
Expansion Project
拡張プロジェクト
新製品の投入や新市場への進出など、事業の成長を目的とした設備投資。事業継続のための投資に比べて不確実性が高い。
Net Present Value (NPV)
正味現在価値(NPV)
プロジェクトの将来キャッシュフローの現在価値合計から初期投資額を差し引いた値。プロジェクトがもたらす企業価値の増加額を表す。
Internal Rate of Return (IRR)
内部収益率(IRR)
プロジェクトのNPVをゼロにする割引率。プロジェクト自体の収益率を表し、ハードル・レートと比較して採否を判断する。
Hurdle Rate
ハードル・レート
プロジェクトを採用するために最低限上回る必要がある収益率。通常はプロジェクトのリスクを反映した資本コストが用いられる。
Return on Invested Capital (ROIC)
投下資本利益率(ROIC)
税引後営業利益を平均投下資本で割った全社ベースの収益性指標。会計数値から外部でも計算でき、資本コストを上回れば価値を創出していると判断する。
Mutually Exclusive Projects
相互排他的プロジェクト
いずれか1つしか採用できない複数のプロジェクト。規模やキャッシュフローの時期の違いからNPVとIRRの順位が食い違うことがある。
Sunk Cost
埋没費用(サンクコスト)
すでに支出されて回収できず、今後の意思決定によって変わらない費用。プロジェクト評価のキャッシュフローには含めない。
Cannibalization
カニバリゼーション(共食い)
新しいプロジェクトや製品が、自社の既存製品の売上を奪ってしまうこと。プロジェクトの評価では、この既存事業への影響も含めて考える。
Real Option
リアル・オプション
将来の状況に応じて、プロジェクトの時期・規模・価格設定・生産方法などを変更できる権利(義務ではない)。タイミング、拡張・撤退、柔軟性などのオプションがある。

LM6 Capital Structure(資本構成)

この単元の要点解説:LM6 資本構成
Weighted Average Cost of Capital (WACC)
加重平均資本コスト(WACC)
負債・優先株・普通株の各資本コストを資本構成のウエイトで加重平均した値。負債コストには節税効果を反映した税引後の値を用いる。
Target Capital Structure
目標資本構成
経営陣が目指す負債と株式の構成比率。簿価ベースの比率や、負債対EBITDA倍率の上限、目標とする格付などで示されることが多い。
Optimal Capital Structure
最適資本構成
WACCが最小となり、企業価値が最大となる負債と株式の構成。負債の節税効果と財務的困窮コストの兼ね合いで決まる。
Modigliani–Miller Proposition I
モジリアーニ=ミラー(MM)の第1命題
税金や倒産コストがないなどの仮定のもとでは、資本構成は企業価値に影響しないとする命題。法人税を考慮すると、負債の節税効果の分だけ企業価値が増える。
Modigliani–Miller Proposition II
モジリアーニ=ミラー(MM)の第2命題
負債比率が高まるにつれて株主のリスクが増すため、株主資本コストが負債比率に比例して上昇するとする命題。税がなければWACCは一定のままとなる。
Interest Tax Shield
節税効果(タックス・シールド)
支払利息が課税所得から控除されることで、負債を用いた企業の税負担が軽減される効果。負債額×法人税率で表される。
Costs of Financial Distress
財務的困窮コスト
企業が債務の支払いに窮した場合に生じるコスト。法的費用などの直接コストと、事業機会の喪失や取引条件の悪化などの間接コストがある。
Static Trade-Off Theory
静的トレードオフ理論
負債を増やすことによる節税効果の限界的な便益と、財務的困窮コストの限界的な増加が釣り合う点を最適資本構成とする理論。
Pecking Order Theory
ペッキング・オーダー理論
情報の非対称性を根拠に、企業は内部資金、負債、株式の順に資金調達手段を選好するとする理論。株式発行はできるだけ避けるとする。
Operating Leverage
営業レバレッジ
費用に占める固定費の割合の大きさ。高いほど売上の変化に対して営業利益が大きく変動し、負債を返済する余力に影響する。

LM7 Business Models(ビジネスモデル)

この単元の要点解説:LM7 ビジネスモデル
Business Model
ビジネスモデル
誰に、何を、どこで、いくらで提供するかという要素によって、企業がどのように価値を生み出し利益を得るかを示す仕組み。
Value Proposition
価値提案
顧客が競合他社ではなく自社の製品・サービスを選ぶ理由となる属性。価格、品質、利便性などの組み合わせで構成される。
Value Chain
バリュー・チェーン
顧客への価値を生み出すために企業が行う一連の活動とプロセスの構造。どの活動が価値や競争優位の源泉となっているかを分析するのに使う。
Price Discrimination
価格差別
同じ製品・サービスについて、顧客の属性や購入条件に応じて異なる価格を設定する価格戦略。顧客ごとの支払意欲の違いを利用する。
Freemium
フリーミアム
基本的な製品・サービスを無料で提供し、追加の機能や上位のサービスを有料で提供する価格モデル。無料利用者の一部を有料顧客に転換することで収益を得る。
Subscription Model
サブスクリプション・モデル
製品・サービスを一定期間利用する権利に対して、定期的に料金を受け取る価格モデル。継続的で予測しやすい収益が得られる。
Network Effect
ネットワーク効果
製品やサービスの利用者が増えるほど、各利用者にとってのその価値が高まる効果。プラットフォーム型のビジネスモデルで特に強く働く。
Platform Business Model
プラットフォーム型ビジネスモデル
売り手と買い手など複数の利用者グループを仲介し、その取引や交流の場を提供することで収益を得るビジネスモデル。マーケットプレイスが代表例。
Asset-Light Business Model
アセット・ライト型ビジネスモデル
生産や物流などを外部に委託することで、自社が保有する資産を少なく抑えるビジネスモデル。必要な資本が少なく、資本効率を高めやすい。
Franchise
フランチャイズ
本部(フランチャイザー)が加盟店にブランドや事業ノウハウを使用する権利を与え、その対価として加盟料やロイヤルティを受け取る従来型のビジネスモデル。

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