CFA®︎ Level 3「Private Markets Pathway(プライベート・マーケッツ Pathway)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全7単元・68語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Private Markets Pathway の重要用語(LM別)

LM1 Private Investments and Structures(プライベート投資とストラクチャー)

Limited Partnership
リミテッド・パートナーシップ
運営を担うGP(無限責任組合員)と、出資者であるLP(有限責任組合員)から成る投資ビークル。プライベート・ファンドの代表的な形態で、通常はクローズドエンド型をとる。
Co-Investment
共同投資(コ・インベストメント)
ファンドが投資する個別案件に、LPがファンドと並んで直接追加出資すること。手数料を抑えつつ、特定の案件への投資額を増やせる。
Fund of Funds
ファンド・オブ・ファンズ
複数のプライベート・ファンドに分散投資するファンド。分散と運用者選定の専門性を得られる反面、手数料が二重にかかる。
Commitment
コミットメント(出資約束)
LPがファンドに対して将来出資することを約束した金額。実際の資金は、キャピタル・コールに応じて段階的に払い込まれる。
Capital Call
キャピタル・コール
GPが投資の実行などに合わせて、LPに未払込コミットメントの払込みを求めること。タイミングと金額が事前には確定しない。
Distributed to Paid-In (DPI)
払込資本に対する分配倍率(DPI)
累積分配額を払込資本で割った倍率。投資家に現金として戻った、実現済みのリターンの大きさを示す。
Residual Value to Paid-In (RVPI)
払込資本に対する残存価値倍率(RVPI)
ファンドの残存価値(NAV)を払込資本で割った倍率。まだ実現していない未実現部分のリターンを示し、NAVが推計値であるため評価の不確実性を伴う。
Total Value to Paid-In (TVPI)
払込資本に対する総価値倍率(TVPI)
累積分配額と残存価値の合計を払込資本で割った倍率で、DPIとRVPIの和に等しい。実現・未実現を合わせた総価値を示すが、時間価値は反映しない。
J-Curve
Jカーブ
プライベート・ファンドの累積リターンが、初期は手数料負担や投資の未成熟でマイナスとなり、その後の価値創造とエグジットにつれて上昇していく推移をJ字に例えたもの。
Valuation Smoothing
評価の平滑化
非上場資産の評価が鑑定や推計にもとづくため変動が緩やかになり、見かけのボラティリティや他資産との相関が実際より低く表れる現象。

LM2 General Partner and Investor Perspectives and the Investment Process(GPと投資家の視点、投資プロセス)

General Partner (GP)
ジェネラル・パートナー(GP)
プライベート・ファンドを組成・運営する主体。資金調達、案件の発掘・取得、価値創造、エグジットまでを担い、LPに対して受託者責任を負う。
Management Fee
管理報酬(マネジメント・フィー)
GPがファンド運営の対価として受け取る報酬。投資期間中はコミットメント額、その後は投資残高を基準に算出されることが多い。
Carried Interest
キャリード・インタレスト
ファンドの利益の一定割合をGPが受け取る成果報酬。通常はハードル・レートの達成を条件とし、GPとLPの利害を一致させる仕組みとなる。
Hurdle Rate
ハードル・レート(優先リターン)
GPがキャリード・インタレストを受け取る前に、LPが確保すべき最低リターン。超過した部分のみを成果報酬の対象とする。
Catch-Up
キャッチアップ
ハードル・レートの達成後、GPが分配の大部分または全部を受け取り、合意したキャリー率に相当する取り分に追いつくまで優先的に配分を受ける条項。
Distribution Waterfall
分配ウォーターフォール
ファンドの分配金をLPとGPに配分する順序と方法。ファンド全体で計算するヨーロピアン型と、案件ごとに計算するアメリカン型がある。
Clawback
クローバック
GPがファンド存続期間を通じた本来の取り分を超えてキャリード・インタレストを受け取っていた場合に、超過分をLPへ返還させる条項。
Due Diligence
デュー・デリジェンス
投資の実行前に、対象の事業・財務・法務・税務・オペレーション・ESGなどを詳細に調査すること。結果は取得価格や契約条件、事業計画に反映される。
Strategic Buyer
戦略的買い手
投資対象と同業・関連業種の事業会社など、シナジーを見込んで買収する買い手。他のファンドなどの財務的買い手より高い価格を提示できる場合がある。
Secondary Buyout
セカンダリー・バイアウト
プライベート・エクイティ・ファンドが保有する投資先を、別のファンドなどの財務的買い手に売却するエグジット方法。

LM3 Private Equity(プライベート・エクイティ)

この単元の要点解説:LM3 プライベート・エクイティ
Venture Capital (VC)
ベンチャー・キャピタル(VC)
売上がほとんどなくキャッシュフローがマイナスの創業期企業に、製品開発や市場確立の資金として少数持分で出資する投資。失敗率は高いが、成功時のリターンが大きい。
Growth Equity
グロース・エクイティ
製品と市場が確立した後期段階の企業に、事業拡大やM&Aの資金として主に少数持分で出資する投資。VCより低リスクで、負債の利用はバイアウトより小さい。
Leveraged Buyout (LBO)
レバレッジド・バイアウト(LBO)
成熟企業の支配持分を株式と多額の負債で取得し、経営改善で得たキャッシュフローで負債を返済したうえで売却して、リターンを得る投資。
Take-Private Transaction
テイク・プライベート(非公開化)
上場企業の株式を取得して上場を廃止し、非公開企業とする取引。バイアウトの代表的な形態の一つ。
Carve-Out
カーブアウト
企業の事業部門や子会社を切り出し、独立した企業とする取引。バイアウトの取得対象として用いられることが多い。
Venture Capital Method
ベンチャー・キャピタル法(VC法)
将来の売却時の株式価値と目標リターンから、現在の投資後価値・投資前価値と、投資家が取得すべき持分比率を逆算する評価手法。
Post-Money Valuation
ポストマネー評価額(投資後価値)
新規資金を受け入れた後の企業の株式価値。VC法では、売却時の株式価値を目標とする投資倍率(ROI)で割り戻して求める。
Pre-Money Valuation
プレマネー評価額(投資前価値)
新規資金を受け入れる前の企業の株式価値。投資後価値(ポストマネー)から新規出資額を差し引いて求める。
Dilution
希薄化
将来の増資やストック・オプションの行使などで新株が発行され、既存株主の持分比率が低下すること。VC投資では後続ラウンドによる影響を見込んで持分を決める。
Multiple Expansion
マルチプル・エクスパンション
取得時より売却時のEV/EBITDA倍率が高くなることで生じる株式価値の増加。EBITDAの成長、負債の返済と並ぶLBOのリターン源泉の一つ。

LM4 Private Debt(プライベート・デット)

この単元の要点解説:LM4 プライベート・デット
Venture Debt
ベンチャー・デット
VC出資を受けた初期段階の企業向けの融資。ワラントが付くことが多く、借り手は株式の希薄化を抑えつつ資金を調達できる。
Direct Lending
ダイレクト・レンディング
銀行に代わり、ノンバンクのプライベート・デット・ファンドなどが中堅・中小企業へ直接行う融資。変動金利のシニア・ローンが中心となる。
Leveraged Loan
レバレッジド・ローン
負債比率の高い企業向けの、シニア・担保付き・変動金利の融資。期限前返済が可能で、大型バイアウトの主要な資金源となる。
High-Yield Bond
ハイイールド債
投資適格未満の格付けの固定利付債。通常は劣後・無担保で、コール・プロテクション期間の後に固定価格で償還できる条項が付く。
Convertible Bond
転換社債
あらかじめ決めた条件で発行体の株式に転換できる権利を付けた債券。投資家は低いクーポンと引き換えに株価上昇の恩恵を得られ、負債と株式の性質を併せ持つ。
Mezzanine Debt
メザニン債
シニア債と株式の間に位置する劣後債。高い金利に加え、ワラントなどの株式的要素(エクイティ・キッカー)やPIK金利を含むことが多い。
Unitranche Debt
ユニトランシュ債
シニアと劣後の負債を一本化し、単一の契約で提供する融資。金利は両者の混合水準となり、迅速で簡素な調達が可能となる。
Payment-in-Kind (PIK) Interest
PIK(現物払い)金利
利息を現金ではなく、追加の債券発行や元本への加算で支払う仕組み。借り手は現金の支払いを先送りできる。
Covenant
コベナンツ(財務制限条項)
借り手に財務比率の維持や特定の行為の制限を課す契約条項。維持型と発生型があり、貸し手を保護しつつ借り手の事業運営の柔軟性とのバランスを図る。

LM5 Private Special Situations(プライベートの特殊状況投資)

この単元の要点解説:LM5 プライベートの特殊状況投資
Special Situations Investing
特殊状況投資(スペシャル・シチュエーション)
財務危機やM&A・スピンオフなどのイベントによって生じる価格の歪みを、比較的短い期間で捉えようとする投資。
Distressed Debt
ディストレスト・デット
流動性不足や債務超過により、債務不履行の可能性が高い、あるいはすでに不履行となった発行体の債務。
Exchange Offer
エクスチェンジ・オファー(債務交換)
破産手続の外で、既存の債務を条件の異なる新たな証券と交換する取引。迅速かつ低コストだが、債権者の合意が必要となる。
Debtor-in-Possession (DIP) Financing
DIPファイナンス
再建手続中の企業に対する担保付きの新規融資。既存の債権より優先して返済され、再建期間中の運転資金などに充てられる。
Chapter 11
チャプター11(米国連邦破産法第11章)
裁判所の監督下で経営を続けながら債務を再編する、米国の再建型の破産手続。事前に債権者と合意しておくプレパッケージ型もある。
Loan-to-Own
ローン・トゥ・オウン
財務危機にある企業の債権を取得し、再建の過程で債権を株式に転換するなどして、企業の支配権を得ることを狙う戦略。
Absolute Priority Rule
絶対優先の原則
破産時の分配で、上位の請求権が全額弁済されるまで、下位の請求権者は弁済を受けられないとする原則。
Structural Credit Model
構造モデル
株式を企業資産に対するコール・オプションとみなし、資産価値と負債額から株式・負債の価値やデフォルト確率を導くモデル。
Capital Structure Arbitrage
資本構成アービトラージ
同じ企業が発行する株式・社債・CDSなどの間の価格の不整合を利用し、割安な証券を買い割高な証券を売る戦略。
Convertible Bond Arbitrage
転換社債アービトラージ
割安な転換社債を買い、原株を空売りして株価変動をヘッジし、転換社債の価格の歪みから利益を得る戦略。

LM6 Private Real Estate Investments(プライベート不動産投資)

この単元の要点解説:LM6 プライベート不動産投資
Core Real Estate
コア(不動産投資)
稼働率が高く賃貸収入の安定した既存物件への投資。リターンはインカムが中心で、債券に近い低リスクの特性を持つ。
Value-Add
バリューアッド
空室の解消、改修、リポジショニングなどで物件の収益力を高め、インカムに加えて値上がり益を狙う不動産投資。
Opportunistic
オポチュニスティック
新規開発やディストレスト物件などへの不動産投資。値上がり益の比重が大きく、株式に近い高リスク・高リターンの特性を持つ。
Net Operating Income (NOI)
純営業収益(NOI)
賃料収入から空室損失と運営費用を差し引いた不動産の営業収益。支払利息、税金、減価償却費は控除しない。
Capitalization Rate
キャップレート(還元利回り)
安定期の純営業収益(NOI)を不動産価値で割った利回り。直接還元法では、NOIをキャップレートで割って価値を求める。
Sales Comparison Approach
取引事例比較法
類似物件の取引価格を立地・規模・築年数などの違いで調整し、対象物件の価値を推定する評価手法。
Lease-Up
リースアップ
新築や改修を終えた物件でテナントを誘致し、稼働率を安定水準まで高めていく段階。開発の5段階のうち、運営の前に位置する。
Highest and Best Use
最有効使用
法的・物理的に可能で経済的にも実現可能な用途のうち、土地の価値を最大にする使い方。開発案件の実現可能性の検討で用いる。
Timberland
ティンバーランド(森林投資)
木材生産を目的とする森林への投資。樹木の生物学的成長、木材価格、土地価格がリターン源で、伐採時期を調整できる柔軟性がある。
Farmland
ファームランド(農地投資)
農地への投資。作物収入(自営または賃貸)と土地の値上がりが主なリターン源で、天候・作物価格・水資源などのリスクを伴う。

LM7 Infrastructure(インフラ投資)

この単元の要点解説:LM7 インフラ投資
Greenfield Investment
グリーンフィールド投資
これから新たに建設するインフラ資産への投資。建設遅延・コスト超過や需要のリスクが大きく、値上がり益の比重が高い。
Brownfield Investment
ブラウンフィールド投資
すでに稼働しているインフラ資産への投資。キャッシュフローの実績があり、インカム中心で相対的にリスクが低い。
Availability Payment
アベイラビリティ・ペイメント
利用量ではなく、施設が契約どおり利用可能な状態にあることに対して、公共部門などが支払う対価。事業者が需要リスクを負わない収益形態。
Public-Private Partnership (PPP)
官民連携(PPP)
公共部門と民間事業者が契約を結び、インフラの設計・建設・資金調達・運営などを分担する枠組み。
Build-Operate-Transfer (BOT)
BOT(建設・運営・譲渡)方式
民間事業者が施設を建設し、一定期間運営して収益を得た後、公共部門へ譲渡する方式。譲渡後の価値は投資家に帰属しないため、ターミナル・バリューはゼロとなる。
Special Purpose Company (SPC)
特別目的会社(SPC)
特定のプロジェクトのためだけに設立される事業体。投資家のリスクを、そのプロジェクトのキャッシュフローと契約の範囲に限定するために用いる。
Project Finance
プロジェクト・ファイナンス
プロジェクトが生み出すキャッシュフローのみを返済原資とし、スポンサーへの遡及を限定(ノンリコース)した資金調達。
EPC Contract
EPC契約
設計(Engineering)・調達(Procurement)・建設(Construction)を一括して請け負う契約。固定価格や納期保証などの条件が、建設リスクの配分を左右する。
Concession
コンセッション
公共部門が民間事業者に、一定期間インフラを運営して収益を得る権利を与えること。その期間が評価におけるキャッシュフローの予測期間となる。

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