CFA®︎ Level 3「Portfolio Management Pathway(ポートフォリオ・マネジメント Pathway)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全8単元・77語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

PM Pathway の重要用語(LM別)

LM1 Index-Based Equity Strategies(インデックス型の株式戦略)

この単元の要点解説:LM1 インデックス型の株式戦略
Market-Capitalization-Weighted Index
時価総額加重インデックス
構成銘柄を時価総額の比率で組み入れる指数。市場全体の姿をそのまま反映し、売買回転率とコストが低い一方、値上がりした銘柄ほど比重が大きくなる。
Factor-Based Strategy (Smart Beta)
ファクター・ベース戦略(スマート・ベータ)
規模・バリュー・モメンタム・低ボラティリティなど特定のファクターに、透明なルールで傾けたインデックス戦略。時価総額加重とは異なるリスク・リターン特性を狙う。
Full Replication
完全法(フル・レプリケーション)
指数の全構成銘柄を指数と同じ比率で保有する構築方法。トラッキング・エラーを最も小さくできるが、十分な運用規模と構成銘柄の流動性が必要となる。
Stratified Sampling
層化抽出法
指数をセクターや規模などの層に分け、各層の特性を代表する銘柄を選んで保有する構築方法。構成銘柄が多い指数でも取引コストを抑えて追随できる。
Optimization Approach
最適化法
リスク・モデルを用い、指数との予想トラッキング・エラーが最小となるよう銘柄と比率を決める構築方法。結果はモデルの精度に依存し、頻繁な見直しが必要になりやすい。
Tracking Error
トラッキング・エラー
ポートフォリオとベンチマークのリターン差の標準偏差。インデックス運用では、手数料・取引コスト・現金保有などによる指数からのずれの大きさを表す。
Cash Drag
キャッシュ・ドラッグ
現金を保有することで株式部分のリターンが薄まり、指数との差が生じる現象。配当受取から再投資までの遅れなどで発生し、上昇相場で不利に働く。
Equitization
エクイタイゼーション
株価指数先物などを用いて、ポートフォリオ内の現金部分にも株式エクスポージャーを持たせる手法。キャッシュ・ドラッグを抑える目的で用いる。
Securities Lending
貸株(セキュリティーズ・レンディング)
保有銘柄を他者に貸し出して貸株料を得る取引。インデックス・ファンドの運用コストを相殺する収入源となる一方、借り手のカウンターパーティ・リスクを伴う。

LM2 Active Equity Investing: Strategies(アクティブ株式投資:戦略)

この単元の要点解説:LM2 アクティブ株式投資:戦略
Fundamental Approach
ファンダメンタル・アプローチ(裁量型運用)
企業・業界の深いリサーチと運用者の判断にもとづき、比較的少数の銘柄を選ぶアクティブ運用。将来の業績見通しを重視する点がクオンツ運用と異なる。
Quantitative Approach
クオンツ・アプローチ(システマティック運用)
データとルールにもとづくモデルを多数の銘柄に適用して投資判断を行うアクティブ運用。過去データによる検証と最適化によるリスク管理を特徴とする。
Value Trap
バリュー・トラップ
バリュエーション指標上は割安に見えるものの、業績や事業価値が改善しないため株価が回復せず、割安な状態が続く、あるいはさらに下落する銘柄。
Growth Trap
グロース・トラップ
高い成長期待を織り込んで高い評価を受けていた銘柄が、期待どおりの成長を実現できず、株価が下落する状況。
Activist Investing
アクティビスト投資
上場企業の相当数の株式を取得し、経営・戦略・資本構成の変更を働きかけて株価の上昇を狙う戦略。対話、公開書簡、委任状争奪戦などの手段を用いる。
Pairs Trading
ペア・トレード
過去に連動してきた2銘柄の価格関係が崩れたとき、割安側を買い割高側を売って、平均回帰による利益を狙う統計的裁定の代表的な手法。
Look-Ahead Bias
先読みバイアス
バックテストで、その時点では入手できなかった情報を使ってしまうことによる偏り。財務データの公表までの遅れを無視した場合などに生じる。
Survivorship Bias
生存者バイアス
上場廃止や倒産で消滅した銘柄をデータから除外することで、戦略の成績が実際より良く見えてしまう偏り。
Holdings-Based Style Analysis
保有銘柄ベースのスタイル分析
保有する各銘柄のスタイル特性を比率で集計してポートフォリオのスタイルを判定する方法。現時点の姿を正確に捉えられるが、データの負担が大きい。
Returns-Based Style Analysis
リターン・ベースのスタイル分析
ファンドのリターンを複数のスタイル指数のリターンに回帰し、実質的な投資スタイルを推定する方法。少ないデータで行えるが、過去の平均的な姿を示す。

LM3 Active Equity Investing: Portfolio Construction(アクティブ株式投資:ポートフォリオ構築)

Active Share
アクティブ・シェア
保有銘柄とその比率がベンチマークとどれだけ異なるかを示す指標で、0〜100%の値をとる。各銘柄のウェイト差の絶対値合計の2分の1で求める。
Active Risk
アクティブ・リスク
ポートフォリオとベンチマークのリターン差の標準偏差(トラッキング・エラー)。ファクター・エクスポージャーの差によるリスクと銘柄固有リスクから生じる。
Closet Indexer
クローゼット・インデクサー
アクティブ運用をうたいながら、アクティブ・シェアとアクティブ・リスクがともに低く、実態はベンチマークに近いポートフォリオを保有する運用者。
Breadth
ブレッドス
運用者が行う独立した投資判断の数。相関の低い独立した判断が多いほど、超過リターンが安定しやすくなる。
Risk Budgeting
リスク・バジェッティング
ポートフォリオ全体で許容するリスク量を決め、それをファクターや個別ポジションなどの構成要素に配分するプロセス。意図しないリスクの集中を避ける目的がある。
Value at Risk (VaR)
バリュー・アット・リスク(VaR)
所定の期間と確率のもとで生じうる最小損失額。例えば5%のVaRは、5%の確率でそれ以上の損失が発生する金額を示す。
Conditional Value at Risk (CVaR)
条件付きVaR(期待ショートフォール)
損失がVaRを超えた場合の平均損失額。VaRが示す閾値の先にある、分布の裾(テール)部分の損失の大きさを表す。
Slippage
スリッページ
売買を決めた時点や注文時点の価格と、実際の約定価格との差から生じる暗黙的コスト。小型株や高ボラティリティの局面で大きくなりやすい。
Long Extension (130/30)
ロング・エクステンション(130/30戦略)
資本の一定割合をショートし、その資金でロングを積み増す構築方法。ネットの市場エクスポージャーを100%に保ったまま、割高銘柄についての見方も活用できる。
Equitized Market-Neutral
エクイタイズド・マーケット・ニュートラル
市場リスクをほぼゼロにしたロング/ショートのポートフォリオに株価指数先物などを加え、銘柄選択によるアルファに市場リターンを上乗せする構築方法。

LM4 Liability-Driven and Index-Based Strategies(負債主導型・インデックス型の債券戦略)

Immunization
イミュニゼーション
既知の投資期間における実現収益率のばらつきを最小にするよう、債券ポートフォリオを構築・管理する手法。金利変化による価格リスクと再投資リスクを相殺させる。
Cash Flow Yield
キャッシュフロー利回り
ポートフォリオ全体のキャッシュフローから求めた内部収益率。イミュニゼーションで確定させる利回りであり、各債券の最終利回りの加重平均とは異なる。
Cash Flow Matching
キャッシュフロー・マッチング
負債の各支払期日と金額に、債券の元利金の受取を合わせる負債対応戦略。再投資リスクがほとんどない一方、構築コストが高くなりやすい。
Money Duration
マネー・デュレーション
修正デュレーションに時価を掛けた、金額ベースの金利感応度。複数負債のイミュニゼーションでは、資産と負債でこれを一致させる。
Basis Point Value (BPV)
ベーシス・ポイント・バリュー(BPV)
利回りが1bp変化したときの価値の変化額。マネー・デュレーションに0.0001を掛けて求め、時価の異なる資産と負債の金利感応度の比較に用いる。
Contingent Immunization
コンティンジェント・イミュニゼーション
資産と負債の差であるサープラスを積極的に運用し、負債返済コストの削減を狙う戦略。サープラスが一定水準まで減れば、通常のイミュニゼーションに切り替える。
Hedge Ratio
ヘッジ比率
資産と負債のデュレーション・ギャップ(BPVの差)のうち、デリバティブで埋める割合。0%はヘッジなし、100%は完全なイミュニゼーションを意味する。
Receiver Swaption
レシーバー・スワップション
将来、固定金利を受け取る金利スワップを開始する権利。金利低下時の損失を抑えつつ、金利上昇時の利益も残すことができる。
Structural Risk
構造リスク
イールドカーブの非平行シフトやツイストにより、資産と負債の利回り変化が一致せず、イミュニゼーションが崩れるリスク。資産のキャッシュフローの分散が大きいほど高まる。
Enhanced Indexing
エンハンスト・インデックス運用
デュレーションやセクターなど主要なリスク・ファクターを指数に合わせつつ、小さな乖離を許容して、指数をやや上回るリターンを狙う債券運用。

LM5 Yield Curve Strategies(イールドカーブ戦略)

この単元の要点解説:LM5 イールドカーブ戦略
Rolldown Return
ロールダウン・リターン
右上がりのイールドカーブが変わらないまま時間が経過し、残存期間の短縮に伴い低い利回りで評価されることで生じる債券価格の上昇分。
Rolling Yield
ローリング・イールド
クーポン収入とロールダウン・リターンの合計。イールドカーブが変化しない前提で見込まれる債券のリターンを表す。
Carry Trade
キャリー・トレード
低い利回りで短期の資金を調達し、より利回りの高い長期債などに投資して利回り差を得る取引。レポなどによるレバレッジを伴うことが多い。
Barbell Portfolio
バーベル・ポートフォリオ
短期債と長期債に投資を集中させたポートフォリオ。同じデュレーションのブレット(中期債中心)と比べてキャッシュフローの分散が大きく、コンベクシティが大きい。
Steepener
スティープナー
短期債を買い長期債を売るなど、長短利回り差(イールドカーブの傾き)の拡大から利益を得るポジション。逆に傾きの縮小から利益を得るのがフラットナー。
Butterfly Spread
バタフライ・スプレッド
中期の利回りの2倍から短期と長期の利回りを差し引いた値で、イールドカーブの曲率を表す。ブレットとバーベルを組み合わせ、曲率の変化に賭ける取引も指す。
Key Rate Duration
キー・レート・デュレーション
イールドカーブ上の特定の年限の利回りだけが変化したときの価格感応度。全年限の合計は実効デュレーションに等しく、カーブの形状変化への感応度の把握に用いる。
Covered Interest Rate Parity
カバー付き金利平価
為替予約で為替リスクを完全にヘッジした外貨投資のリターンが、自国通貨での投資リターンと等しくなるという関係。先渡レートは二通貨の金利差で決まる。
Cross-Currency Swap
クロス・カレンシー・スワップ
異なる通貨の元本と金利を交換する契約。外貨建債券のキャッシュフローを、自国通貨建てのキャッシュフローに変換する手段として使う。

LM6 Fixed-Income Active Management: Credit Strategies(債券アクティブ運用:クレジット戦略)

Probability of Default (POD)
デフォルト確率(POD)
一定期間内に発行体が債務不履行となる確率。デフォルト時損失率(LGD)と掛け合わせると、信用リスクによる期待損失になる。
Loss Given Default (LGD)
デフォルト時損失率(LGD)
デフォルトが生じた場合に失われる債権額の割合で、1から回収率を差し引いた値。返済順位や担保の有無によって水準が異なる。
Spread Duration
スプレッド・デュレーション
信用スプレッドの変化に対する債券価格の感応度。ベンチマーク金利の変化に対する感応度である修正デュレーションとは区別して扱う。
Option-Adjusted Spread (OAS)
オプション調整後スプレッド(OAS)
金利モデルを用いて組込オプションの価値を除いたスプレッド。オプション付き債券とオプションなし債券を同じ基準で比較できるが、金利ボラティリティの前提に依存する。
Z-Spread
Zスプレッド
国債のゼロ・カーブの各年限に一定幅を加えて割り引いたとき、債券の市場価格と一致するスプレッド。カーブの形状を反映するが、組込オプションは考慮しない。
G-Spread
Gスプレッド
社債の利回りと、同じ年限の国債利回り(必要に応じて補間)との差。算出は容易だが、ゼロ・カーブの形状は反映しない。
Duration Times Spread (DTS)
デュレーション・タイムズ・スプレッド(DTS)
スプレッド・デュレーションに信用スプレッドの水準を掛けた指標。スプレッドが水準に比例して変化するという考え方にもとづき、信用リスク量を比較する。
CDS Basis
CDSベーシス
同じ発行体のCDSスプレッドと現物債の信用スプレッドの差。ベーシス取引は、現物債とCDSを組み合わせてこの差の変化から利益を狙う。
Collateralized Loan Obligation (CLO)
ローン担保証券(CLO)
レバレッジド・ローンのプールを裏付けに、返済順位の異なるトランシェに分けて発行する証券化商品。劣後トランシェほど信用リスクと期待リターンが高い。
Covered Bond
カバード・ボンド
主に金融機関が発行する債券で、発行体の信用に加え、特定の担保プールへの請求権によって二重に保護されたもの。

LM7 Trade Strategy and Execution(売買戦略と執行)

この単元の要点解説:LM7 売買戦略と執行
Implementation Shortfall (IS)
インプリメンテーション・ショートフォール(IS)
決定時点の価格で売買できたと仮定したペーパー・ポートフォリオと、実際のポートフォリオのリターンの差。遅延・執行・機会コストと手数料に分解できる。
Arrival Price
到着価格(アライバル・プライス)
売買注文を市場に出した時点の価格。短期アルファを重視して急いで執行する場合などに、執行の評価基準として用いる。
Volume-Weighted Average Price (VWAP)
出来高加重平均価格(VWAP)
一定時間内の約定価格を出来高で加重平均した価格。市場の出来高の推移に沿って執行したい場合の執行ベンチマークとなる。
Time-Weighted Average Price (TWAP)
時間加重平均価格(TWAP)
一定時間内の価格を時間で均等に平均した価格。出来高が不規則な銘柄などで、時間に沿って均等に執行する場合の執行ベンチマークとなる。
Market Impact
マーケット・インパクト
自らの注文の売買圧力によって価格が不利な方向に動くことで生じるコスト。注文が大きく、銘柄の流動性が低いほど大きくなる。
Execution Risk
執行リスク
執行に時間をかける間に、ボラティリティや新たな情報によって価格が不利に動くリスク。時間をかけて抑えるマーケット・インパクトとはトレードオフの関係にある。
Alpha Decay
アルファ・ディケイ(アルファの減衰)
投資判断にもとづく期待超過リターンが、時間の経過とともに失われていく現象。減衰が速いほど、売買の緊急性が高くなる。
Delay Cost
遅延コスト
投資判断の時点から注文を市場に出すまでの間の価格変化によって生じるコスト。インプリメンテーション・ショートフォールの構成要素の一つ。
Opportunity Cost
機会コスト
注文のうち約定できなかった部分について、その後の価格変化によって失われた利益。インプリメンテーション・ショートフォールの構成要素の一つ。
Best Execution
最良執行
価格だけでなく、コスト・速度・約定の確実性なども考慮し、顧客にとって最も有利な条件で注文を執行すること。運用会社の受託者責任の一部をなす。

LM8 Case Study in Portfolio Management: Institutional (Endowment)(ケーススタディ:機関投資家(エンダウメント))

Illiquidity Premium
非流動性プレミアム
流動性の低い資産を保有することに対して投資家が得る追加的な期待リターン。長期で安定した資金を持つ投資家ほど獲得しやすい。
Liquidity Tiers
流動性の階層(リクイディティ・ティア)
保有資産を、現金化に要する期間や容易さで区分したもの。流動性ニーズと照らし合わせて、ポートフォリオの流動性を管理するのに使う。
Commitment Pacing
コミットメント・ペーシング
将来のキャピタル・コール、分配、NAVの推移を予測し、目標配分を達成・維持するための新規コミットメント額を計画する手法。
Capital Call
キャピタル・コール
プライベート・ファンドのGPが、投資家の未払込コミットメントから資金の払込みを求めること。長期投資家にとって主要な流動性ニーズの一つとなる。
Denominator Effect
デノミネーター効果
上場資産の価格下落でポートフォリオ全体の評価額が減少し、非流動性資産の比率が目標を上回ってしまう現象。
Tactical Asset Allocation (TAA)
戦術的資産配分(TAA)
短中期の市場見通しにもとづき、政策資産配分から一時的に配分を乖離させる運用。デリバティブを用いて機動的に実行することが多い。
Derivatives Overlay
デリバティブ・オーバーレイ
現物の保有を変えずに先物やスワップを重ねて、資産クラスやリスクのエクスポージャーを調整する手法。戦術的資産配分やリバランスに用いる。
Basis Risk
ベーシス・リスク
デリバティブの原資産と実際に保有する資産のリターンが一致しないため、ヘッジやエクスポージャー調整に誤差が生じるリスク。
Divestment
ダイベストメント(投資撤退)
ESGや社会的な理由から、特定の企業や業種の保有を売却して投資対象から外すこと。分散の低下やトラッキング・エラーの増加を伴いうる。

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