CFA®︎ Level 2「Equities(株式)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全6単元・51語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
Leveraged Support Course をご利用の方へFA-Academy の Leveraged Support Course(LSC)をご利用の方には、この用語集と公式集をレベル別に整理した資料(PDF)をお渡ししています。オフラインでの確認や試験直前の見直しにご活用ください。Level 2 Leveraged Support Course の詳細を見る

単元(LM)一覧

Equities の重要用語(LM別)

LM1 Equity Valuation: Applications and Processes(株式評価:応用とプロセス)

この単元の要点解説:LM1 株式評価:応用とプロセス
Intrinsic Value
本源的価値
資産の投資特性を完全に理解した場合に成立する価値。市場価格がこれから乖離し得るという前提がアクティブ運用の根拠となる。
Going Concern Assumption
継続企業の前提
企業が予見可能な将来にわたって事業を継続するという仮定。本源的価値の推定は通常この前提に立って行う。
Liquidation Value
清算価値
会社を解散し、資産を個別に売却した場合に得られる価値。秩序ある清算か強制的な清算かによって水準が異なる。
Fair Market Value
公正市場価値
強制されず、十分な情報を持つ意欲ある買い手と売り手の間で、現金または現金等価物により資産が取引されるときの価格。
Investment Value
投資価値
シナジーなど特定の投資家に固有の要因を反映した、その投資家にとっての価値。買い手ごとに異なり得る点で公正市場価値と区別される。
Absolute Valuation Model
絶対評価モデル
資産の本源的価値を直接推定するモデル。DDM、FCFモデル、残余利益モデル、資産ベース評価などが該当する。
Relative Valuation Model
相対評価モデル
P/EやEV/EBITDAなどの倍率を類似資産と比較し、相対的な割高・割安を判断するモデル。比較対象全体の誤評価の影響を受ける。
Sum-of-the-Parts Valuation
部分の合計評価(SOTP)
事業部門ごとに価値を評価して合算し、企業全体の価値を求める手法。分割やスピンオフの価値判断にも使われる。
Conglomerate Discount
コングロマリット・ディスカウント
多角化企業の市場価値が、各事業部門の価値の合計を下回る現象。内部資本市場の非効率などが原因として挙げられる。

LM2 Discounted Dividend Valuation(配当割引モデル)

この単元の要点解説:LM2 配当割引モデル
Dividend Discount Model (DDM)
配当割引モデル(DDM)
株式の価値を将来の期待配当の現在価値として求めるモデル。配当方針が明確な企業を少数株主の視点で評価するのに適する。
Gordon Growth Model
ゴードン成長モデル(定率成長モデル)
配当が一定率で永久に成長すると仮定し、株式価値を D1 ÷ (r − g) で求めるモデル。要求収益率が成長率を上回ることが前提。
Present Value of Growth Opportunities (PVGO)
成長機会の現在価値(PVGO)
株価のうち、無成長を前提とした価値 E1 ÷ r を上回る部分。要求収益率を超えるリターンを生む将来の投資機会の価値を表す。
H-Model
Hモデル
初期の高い配当成長率が一定期間にわたり直線的に低下し、長期成長率に収束すると仮定するDDM。Hは高成長期間の半分を表す。
Terminal Value
ターミナル・バリュー(継続価値)
予測期間末時点における、それ以降のキャッシュフローの価値。ゴードン成長モデルやマルチプルを用いて推定する。
Sustainable Growth Rate
サステナブル成長率(持続可能成長率)
新株発行をせず、資本構成を維持したまま内部留保だけで達成できる成長率。内部留保率 × ROE で求める。
Retention Rate
内部留保率
利益のうち配当として支払わずに社内に留保する割合。1 − 配当性向 に等しく、成長率の推定に用いる。
Implied Dividend Growth Rate
暗黙の配当成長率
市場価格と要求収益率を所与として、ゴードン成長モデルから逆算される配当成長率。市場が織り込む成長期待を表す。

LM3 Free Cash Flow Valuation(フリーキャッシュフロー評価)

この単元の要点解説:LM3 フリーキャッシュフロー評価
Free Cash Flow to the Firm (FCFF)
企業へのフリー・キャッシュフロー(FCFF)
営業費用と必要な投資を賄った後に、株主と債権者を合わせたすべての資本提供者が利用できるキャッシュフロー。
Free Cash Flow to Equity (FCFE)
株主へのフリー・キャッシュフロー(FCFE)
営業費用、必要な投資、債権者への支払いを済ませ、純借入を加えた後に普通株主が利用できるキャッシュフロー。
Fixed Capital Investment (FCInv)
固定資本投資(FCInv)
有形固定資産などの長期資産への投資額から、売却収入を差し引いたもの。FCFFとFCFEの計算で控除される。
Working Capital Investment (WCInv)
運転資本投資(WCInv)
事業の成長などに伴う運転資本の増加額。FCFの計算では、現金および短期借入を除いた運転資本の変化額を用いる。
Net Borrowing
純借入
期中の借入額から返済額を差し引いたもの。FCFFからFCFEを求める際に、税引後支払利息を控除したうえで加算する。
Non-Cash Charges
非現金費用
減価償却費など、現金支出を伴わずに利益を減らす費用。純利益を起点にFCFを求める際に足し戻す。
Weighted Average Cost of Capital (WACC)
加重平均資本コスト(WACC)
負債の税引後コストと株主資本コストを、それぞれの時価ウェイトで加重平均した資本コスト。FCFFの割引率として用いる。
Non-Operating Assets
非営業資産
余剰現金や投資有価証券など、事業の営業活動に使われていない資産。FCFで求めた営業資産の価値に別途加算する。

LM4 Market-Based Valuation: Price and Enterprise Value Multiples(マルチプル評価:株価倍率とEV倍率)

Method of Comparables
類似会社比較法
評価対象の倍率を類似企業群の倍率と比較し、相対的な割高・割安を判断する方法。一物一価の考え方に基づく。
Justified Price Multiple
正当化される株価倍率
DDMなどのファンダメンタルズ予想から導かれる、理論的に妥当とされる倍率。実際の倍率と比べて割高・割安を判断する。
Normalized Earnings Per Share
正規化EPS
景気循環の影響を取り除き、サイクルの中間時点に得られると見込まれるEPS。過去平均EPS法や平均ROE法で推定する。
Earnings Yield (E/P)
益回り(E/P)
EPSを株価で割った値でP/Eの逆数。利益がマイナスやゼロ付近の企業でも順序づけが可能になる。
PEG Ratio
PEGレシオ
P/Eを予想利益成長率(%表示)で割った指標。成長率の違いを調整してP/Eを比較するためのものだが、リスクや成長の持続期間は考慮しない。
Enterprise Value (EV)
企業価値(EV)
普通株式の時価総額に優先株と負債の市場価値を加え、現金・短期投資を差し引いた値。資本構成に左右されにくい評価の基礎となる。
Standardized Unexpected Earnings (SUE)
標準化予想外利益(SUE)
アーニングス・サプライズ(報告EPS − 予想EPS)を過去のサプライズの標準偏差で割った指標。サプライズの大きさを比較可能にする。
Harmonic Mean
調和平均
各値の逆数の平均の逆数で、n ÷ Σ(1/Xi) で求める。倍率群の代表値として使うと、大きな外れ値の影響を抑えられる。
Weighted Harmonic Mean
加重調和平均
ポートフォリオのウェイトで加重した調和平均。ポートフォリオ全体の倍率と一致するため、指数やファンドの倍率算出に用いる。

LM5 Residual Income Valuation(残余利益モデル)

この単元の要点解説:LM5 残余利益モデル
Residual Income
残余利益
純利益から株主資本の機会費用(要求収益率 × 期首簿価)を差し引いた利益。ROEが要求収益率を上回ると正になる。
Economic Value Added (EVA)
経済付加価値(EVA)
税引後営業利益(NOPAT)から、総資本にWACCを掛けた資本コストを差し引いた値。企業全体の残余利益に当たる。
Market Value Added (MVA)
市場付加価値(MVA)
企業の市場価値から投下された総資本を差し引いた値。企業が資本提供者のために創造した価値を表す。
Clean Surplus Relation
クリーン・サープラス関係
期末簿価が期首簿価に純利益を加え配当を差し引いた額に等しいという関係。残余利益モデルの前提となる。
Continuing Residual Income
継続的残余利益
予測期間の終了後も続くと想定される残余利益。一定、成長、ゼロへの減衰などのパターンを仮定して評価する。
Persistence Factor
持続係数(ω)
残余利益が翌期にどの程度持続するかを示す0〜1の係数。1に近いほど超過収益が長く続くことを表す。
Tobin’s q
トービンのq
企業の負債と株式の市場価値を、資産の再調達原価で割った比率。P/Bと同様に市場価値と資産価値の関係を表す。

LM6 Private Company Valuation(非上場企業の評価)

この単元の要点解説:LM6 非上場企業の評価
Normalized Earnings
正規化利益
非経常項目、市場水準から乖離したオーナー報酬、関連当事者取引などを調整した、持続可能な利益の水準。
Strategic Buyer
戦略的買い手
対象企業との事業上のシナジーを見込んで買収する買い手。評価ではシナジーを反映した利益やキャッシュフローを用いる。
Financial Buyer
財務的買い手
シナジーを前提とせず、投資リターンを目的として買収する買い手。評価では対象企業の単独ベースの利益を用いる。
Build-Up Method
ビルドアップ法
リスクフリー・レートに株式リスク・プレミアム、規模プレミアム、企業固有リスク・プレミアムなどを加算して要求収益率を推定する方法。
Expanded CAPM
拡張CAPM
CAPMに規模プレミアムと企業固有リスク・プレミアムを加えて要求収益率を推定するモデル。非上場企業の評価で用いる。
Discount for Lack of Control (DLOC)
支配権欠如ディスカウント(DLOC)
少数持分が企業の意思決定を支配できないことを反映した減価。1 − 1 ÷ (1 + 支配権プレミアム) で求める。
Discount for Lack of Marketability (DLOM)
市場性欠如ディスカウント(DLOM)
持分を速やかに現金化できないことを反映した減価。売却制限や流動性の欠如を反映し、プット・オプション価格などで推定する。
Capitalized Cash Flow Method
資本化キャッシュフロー法
単一の代表的なキャッシュフローを資本化率(r − g)で割って価値を求める方法。安定成長が見込まれる企業に用いる。
Excess Earnings Method
超過利益法
正規化利益から運転資本と固定資産の要求収益を差し引いた超過利益を資本化し、無形資産の価値を推定する方法。
Guideline Transactions Method
ガイドライン取引法
類似企業の買収取引で成立した倍率を用いて評価する方法。支配権ベースの価値となり、シナジーを含み得る。

あわせて使いたいページ

効率よく学ぶには FA-Academy

CFA®︎の協会テキストは英語で分量も多く、用語や公式を英語だけで理解していくのは大きな負担です。

FA-Academy(Financial Analyst Academy)は、日本語で学べる数少ないCFA®︎試験サポートです。これまで Level 1 から Level 3 まで多くの合格者を輩出しており、合格者の方々との対談も数多く公開しています。どんな方が、どのように合格されたのかは合格者対談・合格体験談の一覧からご覧いただけます。