CFA®︎ Level 3「Ethical and Professional Standards(倫理・職業行為基準)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全10単元・74語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
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単元(LM)一覧

Ethics の重要用語(LM別)

LM1 Code of Ethics and Standards of Professional Conduct(倫理規範と職業行為基準)

この単元の要点解説:LM1 倫理規範と職業行為基準
Code of Ethics
倫理規範
CFA協会の会員・受験者の職業上の行動を律する6つの原則。投資専門職の誠実性と顧客の利益を自己の利益より優先し、独立した判断と資本市場の健全性を重んじる。
Standards of Professional Conduct
職業行為基準
倫理規範をポートフォリオ運用やウェルス・マネジメントなど実務の場面に落とし込んだ7つの基準と下位項目。法令と異なる場合はより厳しい方に従う。
Professional Conduct Program (PCP)
職業行為プログラム
倫理規範と職業行為基準の順守を担保するCFA協会の執行制度。違反の疑いについて職業行為スタッフが調査し、処分の要否を判断する。
Disciplinary Review Committee (DRC)
懲戒審査委員会
職業行為スタッフによる調査と処分判断を監督するCFA協会の委員会。懲戒審査プロセス全体の公正さを担う。
Professional Conduct Statement
職業行為声明
会員・受験者が職業上の行為について毎年行う申告。そこでの自己申告は、書面の苦情や公開情報と並ぶ調査の端緒となる。
Hearing Panel
審問パネル
懲戒審査プロセスで処分案に当事者が同意しない場合に、違反の有無と科すべき処分について最終的な判断を下す合議体。
Sanctions
懲戒処分
違反が認められた会員・受験者に科される措置。公開譴責、会員資格・称号使用の停止、チャーターの剥奪、受験者のCFAプログラムへの参加停止・禁止がある。

LM2 Guidance for Standard I: Professionalism(基準I:プロフェッショナリズム)

Standard I(A) Knowledge of the Law
基準I(A) 法令の知識
適用される法令・規則を理解して順守し、基準との間で最も厳しいものに従うことを求める基準。違反に関与せず、違反からは離脱する。
Standard I(B) Independence and Objectivity
基準I(B) 独立性と客観性
顧客、証券会社、発行体、販売会社などからの圧力や接待・便益によって運用判断を歪めないことを求める基準。
Standard I(C) Misrepresentation
基準I(C) 不実表示
運用成績・提供サービス・資格などについて、誇張や重要事項の省略を含む誤った表示を禁じる基準。ソーシャルメディアや第三者資料の利用時も正確性が求められる。
Standard I(D) Misconduct
基準I(D) 不正行為
不誠実・詐欺・欺瞞を伴う行為や、職業上の評判・誠実性・能力を損なう行為を禁じる基準。職務の内外を問わず、職業上の信用への影響で判断する。
Standard I(E) Competence
基準I(E) 専門能力
担当する戦略や商品に必要な能力を備え、新しい投資手法や商品を扱う前提として維持・向上させることを求める基準。
Cross-Border Application of Laws
国境を越えた業務での法令の適用
複数の国にまたがって業務を行う場合に、CFA協会の基準、居住国の法令、業務を行う国の法令のうち最も厳しいものに従うという原則。
Dissociation
離脱(ディソシエーション)
違法・非倫理的な活動への関与に気づいた際に、その活動から手を引くこと。違反を知りながら関与を続けることは基準I(A)に反する。
Plagiarism
盗用
第三者の資料や分析を出典を示さず自らのものとして用いる行為。資料作成時に出典を明示する手続によって防止する。

LM3 Guidance for Standard II: Integrity of Capital Markets(基準II:資本市場の健全性)

この単元の要点解説:LM3 基準II:資本市場の健全性
Standard II(A) Material Nonpublic Information
基準II(A) 重要な未公表情報
重要な未公表情報に基づく売買・推奨・伝達を禁じる基準。運用担当者が情報を得た場合は取引を控え、コンプライアンス部門に報告し、公表を促す。
Material Information
重要な情報
公表されれば証券価格に影響を与える可能性が高い、または合理的な投資家が判断材料として重視する情報。重要性の判断には情報源の信頼性も関わる。
Mosaic Theory
モザイク理論
公開情報と重要でない未公表情報を組み合わせた分析から得た結論は、重要な未公表情報に相当しても利用できるという考え方。正当な調査活動として認められる。
Standard II(B) Market Manipulation
基準II(B) 相場操縦
市場参加者を欺く意図で価格・出来高を歪める行為を禁じる基準。大口取引による価格支配も該当し得るが、欺く意図のない正当な取引戦略は対象外。
Firewall
情報隔壁(ファイアウォール)
部門間の情報伝達をコンプライアンス部門の管理下に置き、重要な未公表情報の流出を防ぐ仕組み。規模の小さい会社でも同等の効果を持つ手続が必要となる。
Restricted List
制限リスト
重要な未公表情報を保有するおそれのある銘柄について、従業員の個人取引・自己勘定取引や顧客への推奨を制限する社内リスト。
Watch List
監視リスト
重要な未公表情報に関わるおそれのある銘柄を社外に知らせずに管理し、従業員の取引に不審な動きがないかを監視するためのリスト。

LM4 Guidance for Standard III: Duties to Clients(基準III:顧客に対する義務)

この単元の要点解説:LM4 基準III:顧客に対する義務
Standard III(A) Loyalty, Prudence, and Care
基準III(A) 忠実・慎重・注意
法令上の受託者責任の有無にかかわらず、顧客の利益を常に優先し、合理的な注意と慎重な判断で行動することを求める基準。受益者を含め義務を負う相手の理解が前提。
Standard III(B) Fair Dealing
基準III(B) 公正な取扱い
推奨の伝達と投資行動の両面で顧客を公正に扱うことを求める基準。人気IPOを特定の顧客や自己口座に優先配分するなど、一部を有利にする取引配分を禁じる。
Standard III(C) Suitability
基準III(C) 適合性
個別の投資ではなくポートフォリオ全体の文脈で、顧客の目的と制約に照らした適合性を判断することを求める基準。特定の運用方針に基づく場合はその方針から逸脱しない。
Standard III(D) Performance Presentation
基準III(D) 運用成績の提示
運用成績の情報を公正・正確・完全に示すことを求める基準。コンポジットによる提示と必要な開示が推奨される。
Standard III(E) Preservation of Confidentiality
基準III(E) 守秘義務
現在・過去・見込み顧客の情報を守ることを求める基準。違法行為に関わる情報、法律上の開示義務、顧客の許可の場合を除き開示してはならない。
Fiduciary Duty
受託者責任
他者の資産を預かる者が法令上負う、受益者の利益のために行動する義務。職業行為基準上の忠実・注意義務は、この法的義務の有無にかかわらず適用される。
Best Execution
最良執行
取引コストや執行の質を総合的に考慮し、顧客にとって最も有利な条件で取引を執行すること。顧客への忠実義務の一部をなす。
Client Brokerage
顧客のブローカレッジ
顧客の取引で生じる売買委託手数料。顧客の資産であり、ソフトダラーとして調査やサービスを得る場合も、その顧客の利益になる用途に限られる。
Global Investment Performance Standards (GIPS)
グローバル投資パフォーマンス基準
運用会社が成績を算出・提示する際の国際的な自主基準。準拠により成績の比較可能性と透明性が高まり、成績の提示で順守が推奨される。
Composite
コンポジット
同様の運用目的・戦略を持つ口座をまとめた集合。コンポジット単位で成績を示すことで、好成績の口座だけを選ぶ提示を防ぐ。

LM5 Guidance for Standard IV: Duties to Employers(基準IV:雇用主に対する義務)

この単元の要点解説:LM5 基準IV:雇用主に対する義務
Standard IV(A) Loyalty
基準IV(A) 忠実義務(雇用主)
雇用主の利益のために技能を提供し、機密情報を守り、競合する独立業務には同意を得ることを求める基準。顧客や市場への義務を損なわない範囲で果たす。
Standard IV(B) Additional Compensation Arrangements
基準IV(B) 追加的報酬の取決め
雇用主と競合し得る報酬・利益について、事前に書面で報告し、関係者全員の書面同意を得ることを求める基準。
Standard IV(C) Responsibilities of Supervisors
基準IV(C) 監督者の責任
監督下の者による違反を防ぎ、発見するための合理的な努力を求める基準。順守手続が不十分なら監督責任の引受けを書面で辞退し、改善を促す。
Adequate Compliance Procedures
適切な順守手続
明確で理解しやすく、権限あるコンプライアンス・オフィサー、許容される行動、違反の報告と処分の手順を含む手続。監督責任を果たすための前提となる。
Compliance Officer
コンプライアンス・オフィサー
会社の順守体制を運用する責任者。十分な権限と独立性を持つ者を任命することが実効性のある監督体制の条件となる。
Noncompete Agreement
競業禁止契約
退職後の一定期間、元雇用主と競合する業務や顧客勧誘を制限する契約。転職・独立時の行動範囲を定めるもので、その内容に従う必要がある。
Employer Property
雇用主の財産
記録、モデル、顧客情報など雇用主に帰属する資産。転職・独立の準備自体は認められるが、在職中の顧客勧誘やこれらの無断持ち出しは認められない。

LM6 Guidance for Standard V: Investment Analysis, Recommendations, and Actions(基準V:投資分析・推奨・行動)

この単元の要点解説:LM6 基準V:投資分析・推奨・行動
Standard V(A) Diligence and Reasonable Basis
基準V(A) 勤勉と合理的根拠
運用判断に、勤勉さ・独立性・徹底性に基づく合理的で十分な根拠を求める基準。自社リサーチと第三者リサーチの双方に適用される。
Standard V(B) Communication with Clients and Prospective Clients
基準V(B) 顧客・見込み顧客とのコミュニケーション
投資プロセスの基本と重要な変更を速やかに伝え、重要な限界・リスクを説明し、事実と意見を区別することを求める基準。
Standard V(C) Record Retention
基準V(C) 記録の保存
運用判断の根拠となる記録を会社の財産として保存することを求める基準。規制上の定めがない場合、少なくとも7年間の保存が推奨される。
Subadviser Selection
サブアドバイザーの選定
運用の一部を外部の運用者に委ねる際の選定と継続的なモニタリング。相手の倫理規範、順守手続、情報の質、戦略の順守状況を確認する。
Quantitative Model
定量モデル
数理的な手法で投資判断を導くモデル。前提と限界を理解し、ストレス下や想定外の環境での挙動を検証する責任が伴う。
Third-Party Research
第三者リサーチ
外部機関のリサーチ。前提・厳密さ・適時性・客観性を確認したうえで依拠し、会社として評価方針を整えることが望ましい。

LM7 Guidance for Standard VI: Conflicts of Interest(基準VI:利益相反)

この単元の要点解説:LM7 基準VI:利益相反
Standard VI(A) Disclosure of Conflicts
基準VI(A) 利益相反の開示
報酬の取決め、推奨銘柄の保有、取締役就任など利益相反となる事項を、顧客や雇用主が影響を評価できるよう目立つ形で平易に開示することを求める基準。
Standard VI(B) Priority of Transactions
基準VI(B) 取引の優先順位
顧客・雇用主の取引を、会員が受益所有者である取引より常に優先させることを求める基準。個人取引では利益相反の外観も避ける手続が求められる。
Standard VI(C) Referral Fees
基準VI(C) 紹介手数料
顧客の紹介に関して受け取る、または支払う報酬や利益を、雇用主・顧客・見込み顧客に適切に開示することを求める基準。開示内容は定期的に更新する。
Beneficial Ownership
受益所有
名義を問わず取引の経済的利益が帰属する状態。家族口座なども含み、会員が受益所有者である取引は顧客取引の後に回す。
Blackout Period
ブラックアウト期間
顧客取引が行われる前後の一定期間、担当者などの個人取引を禁じる期間。個人取引が顧客取引に悪影響を与えることを防ぐ。
Preclearance
事前承認
個人取引や株式IPO・私募への参加の前に社内の承認を得る手続。保有・取引の報告や取引確認書の写しの提出と組み合わせて利益相反を管理する。
Personal Trading Policy
個人取引方針
従業員の個人取引に関する会社の方針。IPO・私募への参加制限、ブラックアウト期間、報告と承認の手続を定め、顧客・見込み顧客への開示が推奨される。

LM8 Guidance for Standard VII: Responsibilities as a CFA Institute Member or CFA Candidate(基準VII:CFA協会会員・受験者としての責任)

Standard VII(A) Conduct as Participants in CFA Institute Programs
基準VII(A) CFA協会プログラムへの参加者としての行動
CFA協会・称号・プログラムの評判と誠実性を損なう行為を禁じる基準。試験の機密性の保持は、協会のボランティア活動でも求められる。
Standard VII(B) Reference to CFA Institute, the CFA Designation, and the CFA Program
基準VII(B) CFA協会・CFA称号・CFAプログラムへの言及
会員・称号保有者・受験者としての表示で、その意味を誤って示したり誇張したりしないことを求める基準。会社の資料や広告での表示にも及ぶ。
CFA Institute Membership
CFA協会会員資格
CFA協会の会員である地位。会費の支払いと職業行為声明の提出を前提とし、これらを欠くと会員と名乗れない。
Proper Use of the CFA Marks
CFA称号の正しい使い方
「CFA」を形容詞として用い、名詞的な用法や特別な書体での強調をしないという表示のルール。取得に要する努力や合格の事実を述べることは認められる。
Partial Designation
部分的な称号
一部のレベルに合格したことを称号の一部のように示す表示。CFA称号には段階がないため認められず、称号の取得予定を示す表示も同様である。
Continuing Education
継続教育
会員が専門能力を保つために行う学習。その実績の申告は正確でなければならず、虚偽の申告は基準VII(A)に反する。

LM9 Application of the Code and Standards: Level III(倫理規範・基準の適用:Level III)

Ethical Decision-Making Framework
倫理的意思決定フレームワーク
Identify、Consider、Decide and act、Reflectの4要素からなる判断の枠組み。要素の順序は固定されず、結果のレビューで締めくくる。
Identify
Identify(特定)
判断の土台として、関連する事実、利害関係者と負う義務、該当する基準を参照した倫理原則、利益相反を明らかにするフレームワークの要素。
Consider
Consider(検討)
判断を左右し得る状況的影響、コンプライアンス部門など社内外の追加的な指針、取り得る代替案を吟味するフレームワークの要素。
Decide and Act
Decide and act(判断と行動)
特定・検討を経て、関係者への義務を最も適切に果たす結論を決め、それを実行に移すフレームワークの要素。
Reflect
Reflect(振り返り)
結果が想定どおりだったか、その理由は何かをレビューするフレームワークの要素。将来の意思決定の改善に結びつける。
Act of Omission
不作為
取るべきだった行動を取らないこと。開示や報告、監督などの行動の欠如も、倫理規範・基準への違反となり得る。

LM10 Asset Manager Code of Professional Conduct(資産運用会社行為規範(Asset Manager Code))

Asset Manager Code of Professional Conduct (AMC)
資産運用会社行為規範
顧客に対する資産運用会社の倫理的・職業的責任を示すCFA協会の規範。個人ではなく会社単位で任意に採用し、規模や運用資産の種類を問わない。
General Principles of Conduct
一般原則
Asset Manager Codeが掲げる6つの基本姿勢。職業的・倫理的行動、顧客のための行動、独立性と客観性、技能・能力・勤勉、適時・正確な伝達、資本市場のルールの順守からなる。
Claim of Compliance
順守の表明
資産運用会社がAsset Manager Codeを順守していると示すこと。すべての規定の順守が条件で部分的な表明は認められず、協会への通知と協会が検証していない旨の記載を伴う。
Loyalty to Clients
顧客への忠実
Asset Manager Codeの規定領域の一つ。顧客利益の優先、顧客情報の守秘、独立性を損なう関係や贈答の拒否を求める。
Investment Process and Actions
投資プロセスと行動
規定領域の一つ。合理的な注意、相場操縦の禁止、顧客の公正な取扱い、合理的根拠、運用方針と適合性に沿った運用を求める。
Trading
取引
規定領域の一つ。重要な未公表情報の利用禁止、顧客取引の優先、ソフトダラーの適正利用、最良執行、取引の公正な配分を求める。
Risk Management, Compliance, and Support
リスク管理・コンプライアンス・サポート
規定領域の一つ。方針と手続の整備、コンプライアンス・オフィサーの任命、第三者による確認、記録保存、事業継続計画、全社的リスク管理を求める。
Performance and Valuation
運用成績と評価
規定領域の一つ。公正・正確・完全な運用成績の提示と、保有資産を公正な市場価格で評価することを求める。
Disclosures
開示
規定領域の一つ。利益相反、手数料、ソフトダラー、評価方法、議決権行使方針、重要な人事変更などについて、継続的かつ適時に顧客へ情報を提供することを求める。
Business Continuity Plan
事業継続計画
災害やシステム障害などで通常業務が妨げられた場合にも、顧客へのサービスを継続するための計画。Asset Manager Codeが整備を求める体制の一つ。

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