Learning Module 9「Option Replication Using Put–Call Parity(プット・コール・パリティ)」は、ヨーロピアン・オプションのプット・コール・パリティと、それをフォワードに拡張したプット・コール・フォワード・パリティ、そしてそれらを用いたポジションの複製と応用を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM9のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM9には2つのLOSがあります。

  1. LOS 1:ヨーロピアン・オプションのプット・コール・パリティを説明するexplain put–call parity for European options
  2. LOS 2:ヨーロピアン・オプションのプット・コール・フォワード・パリティを説明するexplain put–call forward parity for European options

LM9のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • プット・コール・パリティにより、原資産などの条件が同じプットの価格からコールの価格を導くことができ、その逆も可能
  • プット・コール・パリティは同じ行使価格・満期日のヨーロピアン・オプションで成り立ち、プット・コール・原資産・無リスク資産の価格の間の無裁定関係を表す
  • プット・コール・パリティが成り立たない場合、無リスクの裁定利益の機会が生じ得る
  • プット・コール・フォワード・パリティは、原資産ポジションがロング・フォワードと無リスク債券の組み合わせと等価であることを使って、パリティをフォワードに拡張したもの
  • プットの買いとコールの売りは無リスク債券のロングとショート・フォワードに等しく、プットの売りとコールの買いはロング・フォワードと無リスク債券のショートに等しい
  • プット・コール・パリティはオプション戦略以外にも応用でき、株主は企業価値に対するコールの買い(上値無制限)、債権者は無リスク債券のロングと企業価値に対するプットの売り(上値限定)に相当するポジションを持つ

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:プット・コール・パリティ

プロテクティブ・プット(原資産+プット)とフィデューシャリー・コール(コール+行使価格の現在価値分の無リスク債券)は、満期時のペイオフが同じなので現在の価格も等しくなければなりません。これがヨーロピアン・オプションのプット・コール・パリティです。

  • 前提:同じ原資産・行使価格・満期のヨーロピアン・オプション
  • プロテクティブ・プット:S₀ + p₀
  • フィデューシャリー・コール:c₀ + X(1 + r)^−T
  • 式を変形すれば、任意の1資産を他の3資産で複製可能(例:合成コール、合成プット)
  • 不成立なら、割高な側を売り割安な側を買う裁定が可能
S₀ + p₀ = c₀ + X(1 + r)^−T

LOS 2:プット・コール・フォワード・パリティ

原資産の保有はロング・フォワード+フォワード価格の現在価値分の無リスク債券と等価なので、プット・コール・パリティの原資産を置き換えることでプット・コール・フォワード・パリティが得られます。企業価値に対して、株式をコール、負債を無リスク債券とプットの売りと見る応用もあります。

  • 原資産 S₀ ⇔ F₀(T)(1 + r)^−T の無リスク債券+ロング・フォワード
  • プットの買い+コールの売り=無リスク債券のロング+ショート・フォワード
  • プットの売り+コールの買い=ロング・フォワード+無リスク債券のショート
  • 株主:企業価値を原資産、負債額を行使価格とするコールのロングに相当
  • 債権者:無リスク債券のロング+企業価値に対するプットのショートに相当
F₀(T)(1 + r)^−T + p₀ = c₀ + X(1 + r)^−T

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