証券アナリスト(CMA)1次試験の概要|科目・配点・日程・合格率をまとめて解説
証券アナリスト(CMA)の第1次試験は、3つの科目で構成される択一式の試験です。この記事では、これから受験を決めた方に向けて、受験資格・申込方法・日程と時間割・科目ごとの構成と配点・合否の決まり方・合格率・学習の進め方、そして1次合格後の流れまでを1ページにまとめました。
この記事のポイント
- 受験できるのは協会の第1次レベル講座の受講者のみ。受講年度の翌年から原則3年間(最大6回)受験できます
- 試験は年2回(4月・9月)、科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3科目。合否は科目ごとに決まり、合格した科目は失効しません
- 2026年秋からCBT方式がスタート。過去問は2025年春の分までしか公開されていません
第1次試験の基本情報
| 受験資格 | 日本証券アナリスト協会の「第1次レベル講座」の受講者のみ(講座を受講せずに受験することはできません) |
|---|---|
| 受験できる期間 | 受講年度の翌年の春試験から、原則3年間(最大6回) |
| 実施時期 | 年2回。春=4月下旬の日曜日、秋=9月下旬の日曜日(2026年は4月26日・9月27日) |
| 方式 | 2026年秋試験からCBT方式を開始(全国のテストセンター)。東京の一部会場と海外(ニューヨーク・ロンドン・シンガポール)はPBT(紙)方式。CBTとPBTは同日・同一問題 |
| 出題形式 | すべて正解が1つの客観問題(CBTは多肢選択式、PBTはマークシート式) |
| 受験料(税込) | 科目Ⅰ 7,400円/科目Ⅱ 3,700円/科目Ⅲ 3,700円(3科目で14,800円。まとめて受けても割引はありません) |
| 合格発表 | 春試験は6月中旬ごろ、秋試験は11月中旬ごろ。協会のマイページで確認 |
| 持ち物 | 顔写真付きの本人確認書類、電卓(関数電卓・金融電卓も可)、筆記用具(PBT) |
第1次レベル講座の受講料は、会員63,000円/一般69,000円(税込)です。2026年度講座の申込期限は2027年1月31日で、2027年春の試験から受験できます。
受験までの流れ
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| ① 第1次レベル講座に申し込む | 協会のサイトから申し込みます。2026年度講座は2026年5月20日〜2027年1月31日が申込期間です |
| ② テキストで学習する | テキストは年4回に分けて届きます。協会の「主要学習事項と学習ポイント」を軸に、例題・練習問題を解きながら進めます |
| ③ 受験を申し込む | 試験の運営はCBT-Solutionsに委託されています。CBTとPBTで申込締切が異なり、CBTのほうが遅めです(2026年秋はCBT 7月1日〜9月4日、PBT 7月1日〜8月3日) |
| ④ 受験する | 1日で科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを受験できます。受ける科目を選ぶこともできます |
| ⑤ 合格発表 | 約1か月半〜2か月後にマイページで確認します |
| ⑥ 第2次レベル講座へ | 3科目すべてに合格すると、合格年度の第2次レベル講座を受講できます |
試験当日の時間割
| 科目 | 試験時間 | 時間帯(国内会場) |
|---|---|---|
| 科目Ⅰ | 170分 | 9:30〜12:20 |
| 科目Ⅱ | 100分 | 13:45〜15:25 |
| 科目Ⅲ | 90分 | 16:15〜17:45 |
3科目を受ける場合は、朝から夕方までの長丁場になります。本番と同じ時間帯で過去問を解く練習をしておくと、当日の集中力の配分がつかみやすくなります。
3科目の構成と配点
試験は科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3科目です。各科目は独立して出題され、合否も科目ごとに決まります。大問の並びは、公開されている最後の2回(2025年春・2024年秋)で同じでした。
科目Ⅰ 証券分析とポートフォリオ・マネジメント(170分・170点)
| 大問 | 分野 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 株式市場(資本市場の仕組み・株式取引) | 30点 |
| 第2問 | 株式分析 | 30点 |
| 第3問 | 債券分析 | 30点 |
| 第4問 | デリバティブ分析 | 30点 |
| 第5問 | 現代ポートフォリオ理論 | 30点 |
| 第6問 | ポートフォリオ・マネジメント | 20点 |
科目の中では知識問題が50点、計算問題が120点。株式・債券・デリバティブ・ポートフォリオの4分野に配点が均等に散っているのが特徴です。債券価格、デュレーション、オプション価格、ポートフォリオのリスクなど、電卓を使う計算問題が中心になります。
科目Ⅱ 財務分析とコーポレート・ファイナンス(100分・100点)
| 大問 | 分野 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | ディスクロージャー | 30点 |
| 第2問 | 会計処理 | 10点 |
| 第3問 | 財務分析(計算) | 12点 |
| 第4問 | 財務分析・総合(2社比較) | 24点 |
| 第5問 | コーポレート・ファイナンス | 24点 |
科目の中では、財務分析(第1〜4問)とコーポレート・ファイナンス(第5問)がおよそ3対1。ディスクロージャー制度や会計基準の知識問題と、財務諸表から指標を計算する問題が組み合わさっています。
科目Ⅲ 市場と経済の分析・数量分析・職業倫理(90分・90点)
| 大問 | 分野 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 職業倫理・行為基準 | 10点 |
| 第2問 | 数量分析と確率・統計 | 20点 |
| 第3問 | ミクロ経済 | 15点 |
| 第4問 | マクロ経済 | 23点 |
| 第5問 | 金融と財政 | 22点 |
科目の中では、経済(第3〜5問)・数量分析(第2問)・職業倫理(第1問)がおよそ6対2対1。職業倫理は配点こそ小さいものの、一定水準に届かないと科目Ⅲが不合格になる可能性があるため、後回しにはできません。
※大問構成の出所:2025年春・2024年秋の本試験問題。2025年秋以降の問題は公開されていないため、今後の構成を保証するものではありません。
科目ごとの合格と受験の組み合わせ
1次試験は科目ごとに合否が決まり、合格した科目の実績は失効しません(講座を再受講した場合も同様)。1回の試験で3科目すべてを受けることも、一部の科目だけを受けることもできます。
| 受け方 | 受験料(税込) |
|---|---|
| 3科目まとめて | 14,800円 |
| 科目Ⅰ+Ⅱ/科目Ⅰ+Ⅲ | 11,100円 |
| 科目Ⅱ+Ⅲ | 7,400円 |
| 科目Ⅰのみ | 7,400円 |
| 科目Ⅱのみ/科目Ⅲのみ | 3,700円 |
受験料は科目ごとの合計なので、分けて受けても総額は変わりません。ただし、分けて受けると1次合格までの期間が延び、受験できる期間(原則3年間)を圧迫します。証券アナリストアカデミーでは、3科目を並行して学習し、同じ回でまとめて受験することをおすすめしています。
合否の決まり方と合格率
合否は「上位一定割合の受験者の平均得点」を基準にした相対評価で、合格点は公表されていません。科目Ⅲは、職業倫理・行為基準の得点が一定水準に届かないと不合格になることがあります。
3科目計の合格率
| 試験回 | 合格率(3科目計) |
|---|---|
| 2022年春 | 48.6% |
| 2022年秋 | 47.0% |
| 2023年春 | 46.4% |
| 2023年秋 | 50.5% |
| 2024年春 | 46.5% |
| 2024年秋 | 49.9% |
| 2025年春 | 48.4% |
| 2025年秋 | 52.7% |
| 2026年春 | 44.6% |
科目別の合格率
| 試験回 | 科目Ⅰ | 科目Ⅱ | 科目Ⅲ |
|---|---|---|---|
| 2024年春 | 47.9% | 43.8% | 48.1% |
| 2024年秋 | 50.4% | 50.9% | 48.4% |
| 2025年春 | 47.3% | 49.5% | 48.1% |
| 2025年秋 | 52.8% | 54.4% | 51.0% |
| 2026年春 | 43.1% | 50.7% | 39.2% |
合格率はおおむね5割前後で推移してきましたが、2026年春は3科目計44.6%、科目Ⅲは39.2%と、直近で最も厳しい回になりました。2026年春の受験者数は、科目Ⅰが2,084名、科目Ⅱが2,411名、科目Ⅲが2,127名です。
出所:日本証券アナリスト協会「CMA1次レベル試験データ」
▶ あわせて読みたい
過去問について知っておきたいこと
協会のCMA e-Learningで学習できる第1次試験問題は2017年〜2025年春までです。2025年秋・2026年春の問題と解答例は公開されていません。SNSでは「形式が変わった」という受験生の声もありますが、公式に発表されているのは「試験時間・出題数・配点は従来から変更なし」という点までです。
だからこそ、過去問の形に慣れるだけでなく、初見の問題でも解ける理解をつくることが大切です。出題範囲の公式な定義は、協会が公表している「CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」です。過去問は「形式に慣れる道具」ではなく、理解できているかを確かめる道具として使いましょう。
電卓の準備
1次試験には関数電卓・金融電卓を持ち込めます(CBTは1台+試験用端末の計算機機能、PBTは2台まで)。文章や公式を記憶して表示できるもの、通信機能のあるものは使えません。
科目Ⅰの債券・デリバティブ・ポートフォリオ、科目Ⅲの統計など、計算問題を速く正確に解くには財務計算機能のある電卓が便利です。おすすめの電卓と使い方は、次の記事で動画つきで解説しています。
学習の進め方(2027年春受験の例)
1次試験の制度・科目・スケジュール・勉強法は、動画でも解説しています(約44分)。
試験は3科目が同じ日にまとめて来ます。1科目ずつ仕上げるのではなく、3科目を並行して進めるのが基本です。
- インプット期(9月〜1月末):協会テキストを読み進め、テキストの例題・練習問題を自分の手で解いて理解を固める
- アウトプット期(2月〜4月):過去問で得点力を高める。2月は大問ごと、3月は本番と同じ時間で通し、4月は間違えた問題の解き直し
| いつまでに | 科目Ⅰ | 科目Ⅱ | 科目Ⅲ |
|---|---|---|---|
| 10月末 | 株式市場・株式分析 | ディスクロージャー | 数量分析と確率・統計 |
| 11月末 | 債券分析 | 会計処理 | ミクロ経済 |
| 12月末 | デリバティブ分析 | 財務分析 | マクロ経済 |
| 1月末 | 現代ポートフォリオ理論・PM | コーポレート・ファイナンス | 金融と財政・職業倫理 |
必要な学習時間は人それぞれです。大事なのは、1月末までに3科目を一周し切ることです。1日に取り組むのは1科目でもかまいませんが、1週間のなかで3科目すべてに触れることを目安にしましょう。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、この「学習ポイント」に沿って論点を1つずつ解説しています。テキスト・学習ポイント一覧・解説動画の3点セットで学習を進めてみてください。
▶ あわせて読みたい
1次合格のあとは
3科目すべてに合格すると、合格年度の第2次レベル講座を受講できます。第2次レベル講座は、1次合格の年を含めて3年以内に受講を始める必要があります。2次試験は年1回・6月上旬の記述式試験です。
分野別:各分野で学ぶ内容
各分野で学ぶ内容を、協会の学習ポイントに沿ってかみくだいた記事を用意しています。テキストを読む前の全体像づかみに活用してください。
| 科目 | 記事 |
|---|---|
| 科目Ⅰ | 株式分析で学ぶこと |
| 債券分析で学ぶこと | |
| デリバティブ分析で学ぶこと | |
| ポートフォリオ・マネジメントで学ぶこと | |
| 科目Ⅱ | 財務分析で学ぶこと |
| コーポレート・ファイナンスで学ぶこと | |
| 科目Ⅲ | 市場と経済の分析で学ぶこと |
| 数量分析と確率・統計で学ぶこと | |
| 職業倫理・行為基準で学ぶこと |
よくある質問
Q. 講座を受講せずに1次試験だけ受けることはできますか?
できません。1次試験を受験できるのは、日本証券アナリスト協会の第1次レベル講座の受講者のみです。
Q. 1科目だけ合格した場合、その科目はいつまで有効ですか?
合格した科目の実績は失効しません。受験できる期間(受講年度の翌年から原則3年間)のうちに残りの科目に合格すれば、1次合格となります。講座を再受講した場合も、合格科目の実績は引き継がれます。
Q. CBTとPBTで問題の難しさは違いますか?
CBTとPBTは同じ日に同じ問題で実施されます。違いは解答方法(画面上での選択かマークシートか)と、持ち込める電卓の台数などです。
Q. 合格点は何点ですか?
合格点は公表されていません。上位一定割合の受験者の平均得点を基準とする相対評価で、回によって合格ラインは変わります。
Q. 過去問はどこで入手できますか?
協会のCMA e-Learningで、2017年〜2025年春の第1次試験問題を学習できます。2025年秋・2026年春の問題は公開されていません。
一緒に合格を目指しませんか
証券アナリストアカデミーでは、1次・2次の受験生が集まるコミュニティを運営しています。
※記載の情報は2026年9月時点で日本証券アナリスト協会・CBT-Solutionsが公表している内容にもとづきます。最新情報は協会の公式サイトでご確認ください。
