証券アナリスト(CMA)の第2次試験は、第1次試験の合格者が挑む記述式の試験です。この記事では、受験資格・講座・日程・試験時間と配点・出題分野・職業倫理の足切り・合格率、1次との違いと対策のポイント、そして合格後にCMAを名乗るまでの流れを1ページにまとめました。

この記事のポイント

  • 受験できるのは第2次レベル講座の受講者。受講年度の翌年から原則3回受験できます
  • 試験は年1回・6月上旬。午前3時間・午後3時間の記述式で、合計360点
  • 合否は相対評価。職業倫理には足切りがあり、合格率は4年続けて低下しています

第2次試験の基本情報

受験資格 日本証券アナリスト協会の「第2次レベル講座」の受講者(講座は1次試験の3科目合格者が受講できます)
受験できる期間 受講年度の翌年から、原則として計3回。この期間内に合格しない場合は再受講が必要です
実施時期 年1回・6月上旬の日曜日(2026年は6月7日。ニューヨーク・ロンドン会場は前日)
申込期間 例年3月中旬〜4月中旬(2026年は3月15日〜4月14日)
出題形式 記述式(計算問題・記述式応用問題。解答に至る論旨も採点対象)
受験料(税込) 17,500円+手数料200円
試験地 東京(2会場)・大阪・名古屋・札幌・仙台・金沢・広島・松山・福岡、ニューヨーク・ロンドン・シンガポール
合格発表 試験日の約2か月後に、協会のマイページで確認(郵送はなし)

2027年の試験日程は、例年10月末ごろに公表されます。

1次合格から2次受験までの流れ

ステップ 内容
① 1次試験に3科目合格 3科目すべてに合格すると、合格年度の第2次レベル講座を受講できます(1次合格の年を含めて3年以内に受講開始)
② 第2次レベル講座を受講 受講料は66,000円(税込)。受講期間は申込年度の8月から翌年3月までの8か月間です
③ テキストで学習 テキストは8月・10月・12月・1月の4回に分けて届きます。職業倫理は『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』を使います
④ 受験を申し込む 例年3月中旬〜4月中旬に申し込みます
⑤ 受験 6月上旬の日曜日に、午前・午後の両方を受験します
⑥ 合格発表 試験の約2か月後にマイページで確認します

試験時間と配点

区分 試験時間 配点
午前 3時間(8:30〜11:30) 180点
午後 3時間(12:45〜15:45) 180点
合計 6時間 360点

午前・午後の両方を受験しないと合格できません。時間は国内・シンガポール会場のもので、ニューヨーク・ロンドン会場は9:00〜12:00、13:15〜16:15です。なお、2022年までは合計420点・7時間の旧制度で実施されていました。

出題分野

2次試験は「全学習分野を対象とした総合試験」です。1次で学んだ内容を、より実務に近い形で深めた次の分野から出題されます。

分野 主な内容 学習ポイント数
証券分析とポートフォリオ・マネジメント 株式分析・債券分析・デリバティブ分析・ポートフォリオ・マネジメント 209(株式39・債券38・デリバティブ32・PM100)
コーポレート・ファイナンスと企業分析 財務分析・コーポレート・ファイナンス 76(財務分析28・コーポレート・ファイナンス48)
市場と経済の分析 経済・数量分析と確率・統計 77(経済44・数量分析33)
職業倫理・行為基準 職業倫理と行為基準(配点は40点台半ば) 8

学習ポイント数は、協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」で2次の対象となっている項目を証券アナリストアカデミーが数えたものです。

学習ポイントの数でみると、証券分析とポートフォリオ・マネジメントが全体の半分以上を占めます。特にポートフォリオ・マネジメントは100項目と最も多く、資産配分、機関投資家・個人投資家の運用、パフォーマンス評価、行動ファイナンス、オルタナティブ投資まで幅広く扱います。

職業倫理・行為基準の足切り

2次試験の職業倫理・行為基準は、配点が40点台半ばと大きいだけでなく、得点が一定水準に達しないと、総得点にかかわらず不合格になります。

具体的な場面に行為基準を当てはめ、「何が問題で、どう対応すべきか」を文章で説明できる力が求められます。学習には『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』を使います。範囲は他分野より狭い一方で、落とすと取り返しがつかない分野なので、直前期に回さず早めに一周しておきましょう。

合否の決まり方と合格率

合否は「上位一定割合の受験者の平均得点」を基準にした相対評価です。合格点は公表されていません。

試験年 受験者数 合格者数 合格率
2022年(旧制度) 3,405名 1,865名 54.8%
2023年 2,548名 1,189名 46.7%
2024年 2,556名 1,139名 44.6%
2025年 2,522名 1,121名 44.4%
2026年 2,317名 973名 42.0%

現行制度になった2023年以降、合格率は4年続けて下がっています。受験者の多くは1次を突破した人たちなので、その中で上位に入る準備が必要です。

1次試験との違い

項目 1次試験 2次試験
出題形式 択一式(正解が1つの客観問題) 記述式(計算の過程・論旨も採点)
実施回数 年2回(4月・9月) 年1回(6月)
試験の構成 科目Ⅰ・Ⅱ・Ⅲの3科目(科目ごとに合否) 午前・午後の総合試験(両方の受験が必要)
試験時間・配点 科目Ⅰ 170分・Ⅱ 100分・Ⅲ 90分 午前180点・午後180点の計360点、計6時間
受験できる回数 原則3年間(最大6回) 原則3回
職業倫理 科目Ⅲの一部(一定水準未満で不合格の可能性) 配点40点台半ば・足切りあり

いちばん大きな違いは「選ぶ」から「書く」への変化です。答えの数字が合っているだけでなく、どの式を使い、どう考えたかを採点者に伝える力が求められます。また年1回しかチャンスがないため、1回あたりの重みが1次より大きくなります。

2次試験の対策ポイント

配本に沿った具体的な学習スケジュールは2次試験の勉強法で詳しく解説しています。

2次試験の制度・科目・勉強法は、動画でも解説しています(約23分)。

1. 計算の過程を「書いて」練習する

記述式では、途中の式や考え方も採点の対象です。例題や練習問題を解くときから、電卓の答えだけでなく使った公式と途中の数値を紙に書く習慣をつけましょう。

2. 用語を自分の言葉で説明できるようにする

「デュレーションとは何か」「なぜ分散投資でリスクが下がるのか」といった問いに、2〜3文で説明できるかを確認します。1次のように選択肢から選ぶのではなく、ゼロから説明を組み立てる力が必要です。

3. 6時間を書き切る時間配分をつくる

午前・午後あわせて6時間の長丁場です。本番と同じ時間で通して解く練習をして、どの問題に何分使うかの感覚をつかんでおきましょう。

4. 職業倫理は早めに一周する

足切りがある以上、職業倫理は「最後に詰め込む」分野ではありません。実務ハンドブックを早めに読み、ケースに対して行為基準を当てはめる練習を重ねておきましょう。

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、2次の学習ポイントに沿った論点解説も配信しています。テキストとあわせて活用してください。

2次合格のあと:CMAを名乗るには

2次試験に合格し、証券分析業務などの実務経験が3年以上ある方は、協会の「検定会員」として入会でき、CMA(日本証券アナリスト協会認定アナリスト)を名乗れます。実務経験が3年未満の方は「検定会員補」に登録し、要件を満たした時点で検定会員になれます。

さらに世界で通用する資格を目指すなら、CFA®(米国証券アナリスト)へのチャレンジもおすすめです。証券アナリストで学ぶ内容はCFA®と重なる部分が多く、2次まで学んだ知識はそのままCFA®の土台になります。

分野別:各分野で学ぶ内容

各分野で学ぶ内容を、協会の学習ポイントに沿ってかみくだいた記事を用意しています。テキストを読む前の全体像づかみに活用してください。

よくある質問

Q. 1次試験に合格したら、すぐに2次試験を受けられますか?

いいえ。1次の3科目に合格したあと、第2次レベル講座を受講し、受講年度の翌年から2次試験を受験できます。

Q. 2次試験は何回まで受けられますか?

受講年度の翌年から原則として計3回です。この期間内に合格しない場合は、講座を再受講する必要があります。

Q. 午前だけ、午後だけの受験はできますか?

できません。合格には午前と午後の両方の受験が必要です。

Q. 職業倫理の足切りは何点ですか?

具体的な基準点は公表されていません。職業倫理・行為基準の得点が一定水準に達しない場合、総得点にかかわらず不合格になります。

Q. 2次に合格すればすぐにCMAを名乗れますか?

CMAを名乗るには、2次合格に加えて証券分析業務などの実務経験が3年以上必要です。3年未満の方は検定会員補として登録できます。

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※記載の情報は2026年9月時点で日本証券アナリスト協会が公表している内容にもとづきます。最新情報は協会の公式サイトでご確認ください。