ひとことで言うと

  • オプションとは、決められた期日(または期間内)に、決められた価格(権利行使価格)で原資産を売買できる権利のことです。
  • 買う権利がコール、売る権利がプットで、買い手はプレミアム(オプション料)を払って権利を手に入れます。
  • 買い手には権利だけがあり、売り手には買い手が権利を行使したときに応じる義務があります。

この記事では、証券アナリスト1次「デリバティブ分析」の学習ポイントのひとつ「オプションの仕組みと種類」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅰ/デリバティブ分析
大分類 (3) オプション取引の仕組みと評価
協会の学習ポイント オプション取引の仕組みや種類について理解する。

オプションとは

先物や先渡は、満期に必ず売買しなければならない「約束(義務)」です。これに対してオプションは、売買するかどうかを買い手が選べる「権利」です。有利なときだけ権利を使い、不利なときは権利を放棄すればよいので、買い手の損失は支払ったプレミアムまでに限られます。

コールとプット

コール・オプションは原資産を権利行使価格で「買う」権利で、原資産価格が上がるほど価値が高まります。プット・オプションは原資産を権利行使価格で「売る」権利で、原資産価格が下がるほど価値が高まります。コールの買い・売り、プットの買い・売りの4つが基本のポジションです。

行使のタイミングによる種類

満期日にしか権利を行使できないものをヨーロピアン・タイプ、満期日までいつでも行使できるものをアメリカン・タイプと呼びます。国内の株価指数オプション(日経225オプションなど)はヨーロピアン・タイプです。

イン・ザ・マネーとアウト・オブ・ザ・マネー

いま権利を行使すると利益が出る状態をイン・ザ・マネー(ITM)、原資産価格と行使価格が等しい状態をアット・ザ・マネー(ATM)、行使しても利益が出ない状態をアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)と呼びます。コールは原資産価格>行使価格、プットは原資産価格<行使価格のときにITMです。

原資産によるいろいろなオプション

原資産には、個別株式、株価指数、国債先物、金利、通貨などがあります。取引所で取引される上場オプションのほか、条件を相対で決める店頭オプションもあります。

整理しておきたいポイント

ポジション 権利・義務 利益が出る相場
コールの買い プレミアムを払い、買う権利を持つ 原資産価格の上昇
コールの売り プレミアムを受け取り、売り渡す義務を負う 原資産価格が上がらない
プットの買い プレミアムを払い、売る権利を持つ 原資産価格の下落
プットの売り プレミアムを受け取り、買い取る義務を負う 原資産価格が下がらない

具体例で確認

株価が1,000円のA社株について、行使価格1,000円・満期3か月のコールを、プレミアム30円で買ったとします。

  • 満期に株価が1,100円なら、権利を行使して1,000円で買えるので、100円の得になります。プレミアム30円を差し引くと、損益は+70円です。
  • 満期に株価が900円なら、市場で買うほうが安いので権利を放棄します。損失は払ったプレミアム30円だけです。

このとき、コールの売り手は買い手と正反対の損益になります。株価が大きく上がると売り手の損失は際限なく膨らむ一方、利益は受け取ったプレミアム30円が上限です。

試験で問われやすいポイント

  • オプションの買い手は権利、売り手は義務を持つという関係と、プレミアムの受け払いの方向が問われます。
  • 買い手の最大損失はプレミアムに限られ、コールの売り手の損失は理論上無限大になりうる点がよく出ます。
  • ヨーロピアン(満期日のみ)とアメリカン(いつでも)の定義を取り違えないようにしましょう。
  • ITM・ATM・OTMの判定は、コールとプットで不等号の向きが逆になる点がひっかけになりやすいです。

要点まとめ

  • オプション=権利行使価格で売買する権利。コールは買う権利、プットは売る権利
  • 買い手はプレミアムを払って権利を得て、売り手はプレミアムを受け取って義務を負う
  • 行使時期によりヨーロピアンとアメリカンに分かれる
  • 行使して得になる状態がITM、ならない状態がOTM

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。