リスク・パリティとは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト2次・ポートフォリオ・マネジメント
ひとことで言うと
- リスク・パリティは、各資産がポートフォリオ全体のリスクに占める寄与(リスク寄与)を均等にする配分手法です。
- 最小分散法は、ポートフォリオ全体の分散(リスク)が最も小さくなるように配分する手法です。
- どちらも見積もりの難しい期待リターンを使わない「リスクに基づく資産配分」で、推定誤差に強い一方、低リスク資産に偏りやすいといった特徴があります。
この記事では、証券アナリスト2次「ポートフォリオ・マネジメント」の学習ポイントのひとつ「リスク・パリティと最小分散法」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/ポートフォリオ・マネジメント |
|---|---|
| 大分類 | (2) 投資政策とアセット・アロケーション |
| 協会の学習ポイント | リスクに基づく資産配分手法(リスク・パリティ、最小分散法など)の概念と利用について理解する。 |
リスク・パリティと最小分散法とは
平均・分散アプローチでは期待リターンの見積もりが不可欠ですが、期待リターンは推定誤差が大きく、最適配分を不安定にする原因になります。そこで、期待リターンを使わず、リスク(標準偏差と相関)の情報だけで配分を決めるのがリスクに基づく資産配分です。リスクの推定は期待リターンに比べれば安定しやすいため、結果も安定しやすくなります。
リスク・パリティ
金額で株式60%・債券40%に配分しても、株式の変動が債券よりはるかに大きいため、全体リスクの大半は株式から生じます。リスク・パリティは、資産ごとのリスク寄与を等しくすることで、リスクの面で本当に分散されたポートフォリオを目指します。結果として低リスク資産(債券など)の比率が高くなり、目標リターンを確保するためにレバレッジをかけることもあります。その場合、金利上昇で債券が下落する局面などでは損失が大きくなりうる点に注意が必要です。
最小分散法
最小分散法は、効率的フロンティアの左端にあたる最小分散ポートフォリオを選ぶ手法です。期待リターンを考慮しないため、推定誤差の影響を受けにくい一方、リスクが最も低い資産や相関の低い資産に集中しやすく、分散が不十分になることがあります。最小分散ポートフォリオでは、各資産のリスク寄与の割合が投資比率と一致するという性質があります。
押さえておきたい公式
具体例で確認
株式(標準偏差18%)と債券(標準偏差6%)、相関0.2の2資産で3つの配分を比べます。
| 配分方法 | 株式比率 | ポートフォリオの標準偏差 | 株式のリスク寄与割合 |
|---|---|---|---|
| 株式60%・債券40% | 60% | 約11.52% | 約91.8% |
| リスク・パリティ | 25% | 約6.97% | 50% |
| 最小分散 | 約4.5% | 約5.95% | 約4.5% |
- リスク・パリティ:w1 × 18 = w2 × 6 より、株式 6 ÷(18 + 6)= 25%、債券75%。
- 最小分散:w1 =(36 − 0.2 × 18 × 6)÷(324 + 36 − 2 × 0.2 × 18 × 6)= 14.4 ÷ 316.8 ≒ 4.5%。
金額では60%でも、60/40配分のリスクの9割強は株式から来ていることがわかります。リスク・パリティは株式と債券のリスク寄与を半々にし、最小分散はさらに債券に集中した配分になります。
試験で問われやすいポイント
- リスクに基づく資産配分が期待リターンを使わない理由(推定誤差への頑健性)を説明できるようにしましょう。
- リスク寄与の定義と、2資産のリスク・パリティ配分・最小分散配分の計算は、計算過程を示せるように練習しておきましょう。
- リスク・パリティは低リスク資産の比率が高くなり、レバレッジを使うことがある点、その弱点(金利上昇局面など)が問われやすいです。
- 最小分散法は特定の資産に集中しやすい点など、各手法の長所・短所を比較して記述させる形に備えましょう。
要点まとめ
- リスクに基づく資産配分は期待リターンを使わず、リスク情報だけで配分する。
- リスク・パリティは各資産のリスク寄与を均等にする。
- 最小分散法は全体の分散を最小化し、低リスク資産に偏りやすい。
- 金額の配分とリスクの配分は大きく異なることに注意する。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
