確定拠出年金(DC)とNISAとは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト2次・ポートフォリオ・マネジメント
ひとことで言うと
- 確定拠出年金(DC)は、拠出額(掛金)が決まっていて、将来の給付額は加入者自身の運用成果で決まる年金制度です。企業型DCと個人型DC(iDeCo)があります。
- NISA(少額投資非課税制度)は、一定の枠内で購入した株式や投資信託の配当・分配金や売却益が非課税になる制度です。
- DCは「拠出時・運用時・給付時」の3段階の税制優遇がある代わりに原則60歳まで引き出せず、NISAはいつでも売却できるという違いが重要です。
この記事では、証券アナリスト2次「ポートフォリオ・マネジメント」の学習ポイントのひとつ「DCとNISA」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 2次 証券分析とポートフォリオ・マネジメント/ポートフォリオ・マネジメント |
|---|---|
| 大分類 | (5) 個人投資家の資産運用 |
| 協会の学習ポイント | 確定拠出年金制度(DC)の仕組みや少額投資非課税制度(NISA)について理解する。 |
確定拠出年金(DC)とNISAとは
確定拠出年金(DC)の仕組み
確定拠出年金は、掛金を拠出して加入者ごとの個人別口座で積み立て、加入者自身が選んだ運用商品(預金、保険商品、投資信託など)で運用する制度です。給付額は運用成果によって変わるため、運用リスクは加入者が負います。これに対し、確定給付型(DB)は給付額があらかじめ決まっており、運用リスクは企業(年金基金)側が負います。
- 企業型DC:企業が掛金を拠出し、従業員が運用します。規約により加入者が上乗せ拠出(マッチング拠出)できる場合もあります。
- 個人型DC(iDeCo):個人が自分で加入し、自ら掛金を拠出します。
税制面では、①拠出時は掛金が所得控除(企業拠出分は損金算入)の対象、②運用中の利息・配当・売却益は非課税、③受取時は一時金なら退職所得控除、年金なら公的年金等控除の対象、という優遇があります。一方で、老後資金のための制度であるため、原則として60歳までは引き出せません。拠出限度額は加入者の区分によって異なり、制度改正で見直されることもあるため、最新の情報を確認することが大切です。転職時には、年金資産を移換して持ち運べる(ポータビリティ)点も特徴です。
NISAの仕組み
NISAは、上場株式や投資信託などの配当・分配金と売却益が非課税になる制度です。2024年からの制度では、長期・積立・分散投資に適した投資信託を対象とするつみたて投資枠(年120万円)と、上場株式なども対象とする成長投資枠(年240万円)があり、両者は併用できます。非課税保有期間は無期限で、生涯の非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)です。売却した場合は、その簿価分の枠が翌年以降に再利用できます。一方、損失が出ても他の口座の利益と損益通算できない点には注意が必要です。
整理しておきたいポイント
| 項目 | 確定拠出年金(DC) | NISA |
|---|---|---|
| 主な目的 | 老後資金の形成 | 資産形成全般 |
| 拠出・投資時の税 | 掛金が所得控除の対象 | 控除なし |
| 運用益 | 非課税 | 非課税 |
| 受取時 | 退職所得控除・公的年金等控除の対象 | 非課税(売却自由) |
| 引出し | 原則60歳まで不可 | いつでも可能 |
| 運用リスク | 加入者が負う | 投資者が負う |
具体例で確認
所得税と住民税を合わせた税率が20%の会社員が、iDeCoに月2万円(年24万円)を拠出するとします。
- 掛金は全額所得控除の対象となるため、年間の税負担は24万円×20%=4.8万円軽くなります。
- 運用益には課税されないため、非課税のまま複利で運用できます。
同じ人が、NISAで投資した100万円が200万円に値上がりした時点で売却した場合、通常の課税口座なら利益100万円に約20%(復興特別所得税を含めて20.315%)の税金、約20.3万円がかかりますが、NISAではこれが非課税になります。ただし、DCは60歳まで引き出せないため、住宅資金や教育資金など途中で使う可能性のある資金はNISA、老後資金はDCといった使い分けが考えられます。
試験で問われやすいポイント
- DCとDBの違い(給付額が決まっているか、運用リスクを誰が負うか)。
- DCの3段階の税制優遇(拠出時・運用時・給付時)と、原則60歳まで引き出せない制約。
- NISAの仕組み(つみたて投資枠と成長投資枠、非課税期間、枠の再利用)と、損益通算ができない点。
- DCでは加入者自身が運用商品を選ぶため、投資教育や適切なデフォルト商品の設定が課題になること。
- 2次の記述式では、税制優遇の効果を計算させたり、個人の目的に応じたDCとNISAの使い分けを説明させたりする形が考えられます。
要点まとめ
- DCは掛金が決まっていて給付は運用次第、運用リスクは加入者が負う。
- DCは拠出・運用・給付の各段階で税制優遇があるが、原則60歳まで引き出せない。
- NISAは運用益が非課税で、いつでも売却でき、枠の再利用も可能。
- 目的と資金の使用時期に応じて、DCとNISAを使い分ける。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
