Learning Module 4「Sources of Equity Returns(株式リターンの源泉)」は、現金配当・自社株買い・株式分割・株式併合の特徴と用途、配当支払いの時系列、そして株式の価格リターンとトータル・リターンの計算を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM4のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM4には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:配当、自社株買い、株式分割、株式併合の特徴と用途を説明するdescribe features and uses of dividends, share repurchases, stock splits, and reverse stock splits
  2. LOS 2:配当支払いの時系列を説明するdescribe dividend payment chronology
  3. LOS 3:株式の価格リターンとトータル・リターンを計算するcalculate price and total return for equity securities

LM4のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 定期的な現金配当は定期的なインカムの源泉で、課税対象となる
  • 自社株買いは株主の富に対して配当と同様の効果を持つが、株価の下支えにもなり、一部の投資家にとって柔軟性と税効率に優れる
  • 株式分割と株式併合は発行済株式数を変え、株価も比例して変わるが、株主の富、株式の時価総額、投資家の持分には影響しない
  • 現金配当が宣言されると、以後の配当を受け取らずに売買される日(権利落ち日)が定められ、その日に株価は通常その配当額だけ下落する
  • 配当を受け取る株主は支払日より前の日付(基準日)で確定し、その日の保有株数に基づいて配当が支払われる
  • 保有期間リターンの源泉は、現金分配と、期間中の株価の上昇(下落)
  • 株価は、保有期間中に期待される現金分配と、保有期間末の期待売却価格の現在価値に等しいはず

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:配当・自社株買い・株式分割・株式併合

現金配当は株主への定期的なインカムで課税対象です。自社株買いは売却を選んだ株主だけが現金を受け取る分配手段で、株主全体の富への効果は同額の配当と同等です。株式分割株式併合は株数と株価を比例的に変えるだけで、株主の富や持分比率は変わりません。

  • 定期配当は成熟企業で多く、配当の安定維持は経営陣の自信を示すシグナル。特別配当や清算配当もある
  • 自社株買いの理由:割安のシグナル・株価の下支え・負債比率の変更、分配の金額と時期の柔軟性、配当課税が重い市場での税効率、ストック・オプション行使による株数増への対応、EPSの引上げ
  • 買い戻した株式は配当、議決権、EPS計算の対象外
  • 株式配当(bonus issue):新株を交付するが、価値も持分比率も変わらずインカムではない
  • 株式分割:取引に適した株価水準の維持。株式併合:取引所の最低株価要件の充足や、再建局面での株価水準の調整

LOS 2:配当支払いの時系列

取締役会(必要に応じて株主)の決議後、宣言日→権利落ち日→基準日→支払日の順に進みます。権利落ち日以降の買い手は配当を受け取れないため、他の条件が同じなら株価はその日に配当額だけ下落します。

  • 宣言日(declaration date):配当額などを公表
  • 権利落ち日(ex-dividend date):配当なしで取引される最初の日
  • 基準日(record date):配当を受け取る株主を確定する日。権利落ち日との間隔は取引の決済期間によって決まる
  • 支払日(payment date):配当を株主に送金
  • 権利落ち日の株価変化=−1株当たり配当+市場全体の変化+企業固有の変化

LOS 3:価格リターンとトータル・リターン

保有期間リターンは、株価の値上がり(値下がり)現金配当から成ります。株式分割などがあれば株数と1株当たり配当をそろえて計算し、配当を再投資する場合は追加取得した株数を反映します。

  • 無配株:価格リターンのみ r =(P₁ − P₀)÷ P₀
  • 配当込み:r =(P₁ − P₀ + D₁)÷ P₀
  • 株式分割・併合は保有期間リターンに影響しない(価格と配当を同じ比率で調整)
  • 配当再投資:配当支払日の株価で D ÷ P 株を追加取得し、期末の保有株式の価値で計算
  • 理論株価=期待配当の現在価値+保有期間末の期待売却価格の現在価値
トータル・リターン r =(P₁ − P₀ + D₁)÷ P₀

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