【CFA®︎ L1 Quants LM1】Returns of Financial Assets and Instruments を要点解説|トータル・リターン・算術平均と幾何平均・要求収益率

Learning Module 1「Returns of Financial Assets and Instruments(金融資産・金融商品のリターン)」は、トータル・リターンの構成(値上がり益とインカム)、算術平均と幾何平均の違い、要求収益率の構成要素、そして手数料・税金・インフレ・レバレッジを反映したリターンの見方を扱う、数量分析の入口となる単元です。
本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。
LM1のLOS(学習目標)
LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM1には2つのLOSがあります。
- LOS 1:リターンを記述・比較・解釈するdescribe, compare, and interpret returns
- LOS 2:要求収益率、リスクフリー・レート、リスク・プレミアム、インフレを記述・比較・解釈するdescribe, compare, and interpret required rates of return, risk-free rates, risk premia, and inflation
LM1のまとめ
この単元の要点をまとめると、次のとおりです。
- 金融資産・金融商品・金融指標のトータル・リターンは、値上がり益(価格リターン)と、配当・利息などのインカムから成る。価格リターンは市場環境で変動し、インカムは固定の場合も変動の場合もある
- 算術平均は値上がり・値下がりによる投資元本の変化を反映しない。幾何平均は複利の効果を反映する
- 要求収益率は、資金を投じる見返りとして投資家が最低限求めるリターン。実質リスクフリー・レート、インフレ率、各種リスク・プレミアムで構成され、株式と債券で中身が異なる(債券ではデフォルト・リスク、流動性、満期など)
- 手数料・税金・インフレ・レバレッジの影響を反映した、さまざまなリターン指標がある
以下、LOSごとに重要論点を整理します。
LOS 1:リターンを記述・比較・解釈する
投資のリターンは価格リターン(値上がり・値下がり)とインカム(配当・利息など)の合計=トータル・リターンです。複数期間をならすときは、複利を反映する幾何平均と単純な算術平均を使い分け、期間の違うリターンは年率換算や連続複利でそろえて比べます。
- トータル・リターン = (期末価格 − 期初価格 + インカム) ÷ 期初価格
- 算術平均は投資元本の増減を反映しない、幾何平均は複利を反映する(幾何 ≦ 算術)
- 年率換算:(1+期間リターン)^(1年あたりの期数) − 1
- 連続複利リターン = ln(期末価格 ÷ 期初価格)。期間ごとに足し算できる
LOS 2:要求収益率・リスクフリー・レート・リスク・プレミアム・インフレを記述・比較・解釈する
要求収益率は、投資家が資金を差し出す見返りとして最低限求めるリターンです。実質リスクフリー・レート+インフレ率+各種リスク・プレミアムで構成され、株式と債券でプレミアムの中身が違います。あわせて、超過リターン・実質リターン・グロス/ネット・税引後・レバレッジ付きリターンという“調整後”のリターンを使い分けます。
- (1+名目) = (1+実質)(1+インフレ率)。近似では 名目 ≒ 実質 + インフレ
- 債券のプレミアム:デフォルト・リスク、流動性、満期など
- 超過リターン = リターン − リスクフリー・レート(またはベンチマーク)
- ネット・リターン = グロス − 運用報酬・管理費(投資家の手取りに近い)
- 税引後リターン:値上がり益と配当・利息で税率が違う点に注意
- レバレッジ付きリターン = r + (借入額 ÷ 自己資金) × (r − 借入コスト)
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