CFA®︎ Level 1「Portfolio Construction(ポートフォリオ構築)」の重要公式16本を、学習単元(Learning Module)ごとに整理しました。公式ごとに数式・記号の意味・使いどころ をまとめています。数式が横に長い場合は、横にスクロールしてご覧ください。
単元(LM)一覧 Portfolio Construction の重要公式(LM別) LM1 Portfolio Risk and Return: Part I(ポートフォリオのリスクとリターン Part I) 1. 投資家の効用関数(平均分散効用)
Investor Utility Function
U = E ( r ) − 2 1 A σ 2
U 効用(確実性等価に相当)
E ( r ) 期待リターン(小数表記)
A リスク回避係数(回避的>0、中立=0、選好<0)
σ 2 リターンの分散(標準偏差の2乗、小数表記)
使いどころ: 期待リターン、分散、リスク回避係数から投資家が各投資に感じる効用を数値化する式。複数の投資候補の比較・選択に使う。
2. 2資産ポートフォリオの期待リターン
Two-Asset Portfolio Expected Return
E ( R p ) = w 1 E ( R 1 ) + w 2 E ( R 2 ) , w 1 + w 2 = 1
E ( R p ) ポートフォリオの期待リターン
w 1 , w 2 資産1・2への投資比率(合計1)
E ( R 1 ) , E ( R 2 ) 各資産の期待リターン
使いどころ: 2資産の構成比率と各資産の期待リターンの加重平均として、ポートフォリオ全体の期待リターンを求める式。
3. 2資産ポートフォリオの分散・標準偏差
Two-Asset Portfolio Variance / Standard Deviation
σ p 2 = w 1 2 σ 1 2 + w 2 2 σ 2 2 + 2 w 1 w 2 ρ 12 σ 1 σ 2 , σ p = σ p 2 σ p 2 , σ p ポートフォリオ(p)の分散・標準偏差(リスク)
w 1 , w 2 資産1・2のウェイト
σ 1 , σ 2 資産1・2の標準偏差
ρ 12 資産1と2の相関係数(共分散なら Cov = ρσ₁σ₂ に置換)
使いどころ: 2資産の構成比率、各資産の標準偏差、相関係数から、ポートフォリオの分散と標準偏差を求める式。分散効果の大きさを表す。
4. 共分散と相関係数の関係
Covariance and Correlation Coefficient
Cov ( R 1 , R 2 ) = ρ 12 σ 1 σ 2 , ρ 12 = σ 1 σ 2 Cov ( R 1 , R 2 )
Cov ( R 1 , R 2 ) 2資産リターンの共分散(Cov = Covariance。上下限なし)
R 1 , R 2 資産1・2のリターン
ρ 12 資産1と2の相関係数(−1〜+1)
σ 1 , σ 2 資産1・2の標準偏差
使いどころ: 共分散と相関係数を相互に変換する式。ポートフォリオの分散やベータの計算に用いる。
5. 均等ウェイト・ポートフォリオの分散
Variance of an Equally Weighted Portfolio
σ p 2 = N σ 2 + N N − 1 Cov
σ p 2 ポートフォリオ(p)の分散
σ 2 個別資産の分散の平均
N 資産数
Cov 資産間の共分散(Cov = Covariance)の平均(相関で表すと ρσ̄²)
使いどころ: N資産を等しい比率で保有するときの分散を、平均分散と平均共分散から求める式。資産数の増加につれ平均共分散に近づく。
LM2 Portfolio Risk and Return: Part II(ポートフォリオのリスクとリターン Part II) 6. 資本配分線(CAL)
Capital Allocation Line (CAL)
E ( R p ) = R f + σ i E ( R i ) − R f σ p
E ( R p ) 組み合わせ後の期待リターン
R f リスクフリーレート(切片)
E ( R i ) , σ i リスク資産の期待リターンと標準偏差
σ p 組み合わせ後の標準偏差
σ i E ( R i ) − R f 傾き=リスクの市場価格(シャープ比)
使いどころ: 無リスク資産とあるリスク・ポートフォリオを組み合わせたときの、ポートフォリオのリスクと期待リターンの直線関係を表す式。
7. 資本市場線(CML)
Capital Market Line (CML)
E ( R p ) = R f + σ m E ( R m ) − R f σ p
E ( R p ) , σ p ポートフォリオの期待リターンと標準偏差
R f リスクフリーレート
E ( R m ) , σ m 市場ポートフォリオの期待リターンと標準偏差
使いどころ: 無リスク資産と市場ポートフォリオを組み合わせたときの、リスクと期待リターンの関係を表す式。資本配分線の特殊なケース。
8. レバレッジ・ポートフォリオ(借入投資)
Leveraged Portfolio on the CML
E ( R p ) = w 1 R f + ( 1 − w 1 ) E ( R m ) , σ p = ( 1 − w 1 ) σ m
E ( R p ) , σ p 組み合わせたポートフォリオ(p)の期待リターンと標準偏差
w 1 リスクフリー資産のウェイト(借入時は負)
R f リスクフリー(=貸出)レート。借入レートが異なる場合は借入レートに置換
1 − w 1 市場ポートフォリオのウェイト(1超ならレバレッジ)
E ( R m ) , σ m 市場ポートフォリオ(m)の期待リターンと標準偏差
使いどころ: 無リスク金利で借り入れて市場ポートフォリオに100%超を投資する場合のリターンとリスクを求める式。無リスク資産の比率は負となる。
9. 総リスクの分解(システマティック+非システマティック)
Decomposition of Total Risk (Single-Index Model)
σ i 2 = β i 2 σ m 2 + σ e 2 ⇒ σ e 2 = σ i 2 − β i 2 σ m 2
σ i 2 資産iの総分散(総リスク)
β i 資産iのベータ
σ m 2 , σ m 市場ポートフォリオ(m)の分散・標準偏差
β i 2 σ m 2 システマティック(市場)分散
σ e 2 非システマティック(固有)分散(e = 残差 error)
使いどころ: 資産の総分散を、ベータと市場の分散によるシステマティック分散と非システマティック分散に分解する式。
10. ベータ(システマティックリスク)
Beta
β i = σ m 2 Cov ( R i , R m ) = σ m ρ i , m σ i
β i 資産iのベータ(市場のベータ=1)
Cov ( R i , R m ) 資産iと市場のリターンの共分散(Cov = Covariance)
R i , R m 資産i・市場ポートフォリオ(m)のリターン
σ m 2 市場リターンの分散
ρ i , m 資産iと市場の相関係数
σ i , σ m 資産i・市場の標準偏差
使いどころ: 資産リターンと市場リターンの共分散を市場の分散で割る、または相関係数と標準偏差の比から、ベータを求める式。
11. マーケットモデル(超過・異常リターン)
Market Model / Abnormal Return
R i = α i + β i R m + e i , e i = R i − ( α i + β i R m )
R i 資産iの実現リターン
α i 回帰の切片(定数項)
β i 回帰の傾き=ベータ
R m 市場リターン
e i 企業固有リターン(異常リターン、残差)
使いどころ: アルファ、ベータと市場リターンから資産のリターンを予測し、実現リターンとの差として企業固有の(異常)リターンを求める式。
12. CAPM・証券市場線(SML)
CAPM / Security Market Line (SML)
E ( R i ) = R f + β i [ E ( R m ) − R f ]
E ( R i ) 資産iの期待(要求)リターン
R f リスクフリー・レート
β i 資産iのベータ
E ( R m ) 市場ポートフォリオの期待リターン
E ( R m ) − R f マーケット・リスク・プレミアム(SML = Security Market Line の傾き)
使いどころ: ベータで表されるシステマティック・リスクから、資本資産評価モデル(CAPM)により資産の期待リターン(要求収益率)を求める式。資本コストや証券の割安・割高の判断に使う。
13. シャープ・レシオ
Sharpe Ratio
SR = σ p E ( R p ) − R f
SR シャープ・レシオ(SR = Sharpe Ratio。=資本配分線の傾き)
E ( R p ) ポートフォリオ(p)の期待または実現リターン
R f リスクフリー・レート
σ p ポートフォリオの標準偏差(総リスク)
使いどころ: 総リスク(標準偏差)1単位あたりの超過リターンを求める式。ポートフォリオのリスク調整後の成績の比較に使う。
14. トレイナー・レシオ
Treynor Ratio
TR = β p E ( R p ) − R f
TR トレイナー・レシオ(TR = Treynor Ratio)
E ( R p ) ポートフォリオ(p)の期待または実現リターン
R f リスクフリー・レート
β p ポートフォリオのベータ(システマティック・リスク)
使いどころ: システマティック・リスク(ベータ)1単位あたりの超過リターンを求める式。十分に分散されたポートフォリオの評価に使う。
15. M²(リスク調整後パフォーマンス)
M-squared (Modigliani RAP)
M 2 = [ E ( R p ) − R f ]σ p σ m + R f = SR × σ m + R f
M 2 M²(Modigliani-Modigliani尺度):市場と同じ総リスクに調整した後のリターン
E ( R p ) ポートフォリオ(p)の期待または実現リターン
R f リスクフリー・レート
σ m 市場ポートフォリオ(m)の標準偏差
σ p ポートフォリオの標準偏差
SR ポートフォリオのシャープ・レシオ(SR = Sharpe Ratio)
使いどころ: ポートフォリオを市場と同じ総リスクに調整した場合のリターンを求める式。市場リターンとの差で超過成績を率で示す。
16. ジェンセンのアルファ
Jensen’s Alpha
α p = R p − { R f + β p [ E ( R m ) − R f ]}
α p ジェンセンのアルファ(正なら市場を上回る成績)
R p ポートフォリオ(p)の実現リターン
R f リスクフリー・レート
β p ポートフォリオのベータ
E ( R m ) 市場ポートフォリオ(m)の(期待)リターン
使いどころ: 実現リターンから、ベータに基づく資本資産評価モデル(CAPM)の期待リターンを差し引き、システマティック・リスク調整後の超過リターンを求める式。
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