Learning Module 8「Yield and Yield Spread Measures for Floating-Rate Instruments(変動利付商品の利回りとスプレッド)」は、変動利付債(FRN)のクォーテッド・マージンと要求マージン(ディスカウント・マージン)の関係と価格評価、そしてディスカウント・レートやアドオン・レートで表示されるマネー・マーケット商品の利回り計算と換算を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM8のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM8には2つのLOSがあります。

  1. LOS 1:変動利付商品のイールド・スプレッド指標を計算・解釈するcalculate and interpret yield spread measures for floating-rate instruments
  2. LOS 2:マネー・マーケット商品の利回り指標を計算・解釈するcalculate and interpret yield measures for money market instruments

LM8のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • 変動利付商品は、観察される市場参照金利(MRR)にクォーテッド・マージンを加えた金利を支払う債務商品で、あらかじめ決めた日にMRRの変化を反映して金利が見直される
  • クォーテッド・マージンは参照金利に上乗せ(または差し引き)される所定のスプレッド、要求マージン(ディスカウント・マージン)は投資家が求めるスプレッド
  • 要求マージンは発行体・銘柄固有(ボトムアップ)のリスクを反映し、固定利付債のイールド・スプレッドに相当する。変動利付債がパーで取引されていれば両マージンは等しい
  • マネー・マーケット商品は当初満期が1年以内で、長期債とは異なる慣行で表示され、ディスカウント・レート方式かアドオン・レート方式で表示される
  • マネー・マーケットのディスカウント・レートは利息収入を額面(満期価値)で割ったもので、購入価格が額面を下回る場合は投資家のリターンを過小に示す
  • 慣行的なマネー・マーケット利回りは、長期証券と比較しやすいよう換算できる

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:変動利付債のスプレッド指標

変動利付債(FRN)は、市場参照金利(MRR)+クォーテッド・マージンでクーポンが決まります。投資家が求める要求マージン(ディスカウント・マージン)がクォーテッド・マージンと等しければパー、より大きければディスカウント、小さければプレミアムで取引されます。

  • クォーテッド・マージン:発行時に決められたMRRへの上乗せ幅
  • 要求マージン(ディスカウント・マージン):現在の信用力・流動性などを反映して投資家が求める上乗せ幅
  • 要求マージン>クォーテッド・マージン:ディスカウント、<:プレミアム、=:パー
  • 信用力が低下すると要求マージンが上がり、価格は下落
  • 価格計算ではクーポンにMRR+クォーテッド・マージン、割引率にMRR+ディスカウント・マージンを用いる
PV = Σ [(MRR+QM)×FV/m] / (1+(MRR+DM)/m)^i + FV / (1+(MRR+DM)/m)ᴺ

LOS 2:マネー・マーケット商品の利回り

マネー・マーケット商品は、ディスカウント・レート(割引発行、額面基準)かアドオン・レート(元本に利息を上乗せ、元本基準)で表示されます。1年の日数(360日・365日)の慣行も異なるため、比較する際は同じ基準の利回りに換算します。

  • ディスカウント・レート方式:財務省短期証券(T-bill)、コマーシャル・ペーパーなど
  • アドオン・レート方式:CD(譲渡性預金)、レポ取引など
  • ディスカウント・レートは額面基準のため、投資家の実際のリターンを過小評価する
  • 年換算の日数:360日基準か365日基準か
  • 比較のため、365日基準のアドオン・レート(債券等価利回り)に換算する
ディスカウント方式:PV = FV × (1 − 日数/年日数 × DR)、アドオン方式:PV = FV / (1 + 日数/年日数 × AOR)

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