Learning Module 12「Yield-Based Bond Convexity and Portfolio Properties(コンベクシティとポートフォリオ)」は、債券価格と利回りの非線形な関係をとらえるコンベクシティとコンベクシティ調整、デュレーションとコンベクシティを用いた価格変化率の推定、そしてポートフォリオのデュレーションとコンベクシティの計算方法とその限界を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM12のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM12には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:コンベクシティを計算・解釈し、コンベクシティ調整を説明するcalculate and interpret convexity and describe the convexity adjustment
  2. LOS 2:債券のデュレーションとコンベクシティが与えられたとき、所定の利回り変化に対する債券価格の変化率を計算するcalculate the percentage price change of a bond for a specified change in yield, given the bond’s duration and convexity
  3. LOS 3:ポートフォリオのデュレーションとコンベクシティを計算し、これらの指標の限界を説明するcalculate portfolio duration and convexity and explain the limitations of these measures

LM12のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • コンベクシティは、オプションのない固定利付債について、利回り変化が価格に与える2次(非線形)の影響を測る補完的なリスク指標で、コンベクシティ調整は修正デュレーションによる直線的な価格推定に加算される
  • オプションのない固定利付債のコンベクシティは常に正で、利回り低下時の値上がりはデュレーションだけの推定より大きく、利回り上昇時の値下がりは小さくなる。そのためコンベクシティは投資家にとって価値がある
  • コンベクシティと債券の特徴の関係はデュレーションと同じで、満期が長いほど、クーポンが低いほど、YTMが低いほどコンベクシティは大きい
  • マネー・コンベクシティは、年率コンベクシティにフル・プライスを掛けたもので、ポジションのコンベクシティを金額または額面に対する割合で表す
  • ポートフォリオのデュレーションとコンベクシティは、(1)ポートフォリオ全体のキャッシュフローの受取時点の加重平均として求める方法と、(2)構成債券のデュレーションとコンベクシティの加重平均として求める方法がある
  • 第1の方法は理論的には正しいが実務では使いにくく、第2の方法は実務でよく使われるものの、まれにしか起きないイールド・カーブの平行移動を暗黙の前提としている

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:コンベクシティとコンベクシティ調整

コンベクシティは、価格と利回りの曲線の曲がり具合(2次の効果)を表す指標です。デュレーションだけでは価格変化を直線で近似するため、利回り変化が大きいほど誤差が生じ、それを補うのがコンベクシティ調整です。

  • オプションのない固定利付債のコンベクシティは常に正
  • 正のコンベクシティ:値上がりはデュレーションの推定より大きく、値下がりは小さい
  • 満期が長い、クーポンが低い、YTMが低いほどコンベクシティは大きい
  • 近似コンベクシティ:利回りを上下に同じ幅だけ動かしたときの価格から算出
  • マネー・コンベクシティ = 年率コンベクシティ × フル・プライス
ApproxCon = (PV₋ + PV₊ − 2 × PV₀) / ((ΔYield)² × PV₀)

LOS 2:デュレーションとコンベクシティによる価格変化の推定

利回り変化に対する価格変化率は、修正デュレーションによる1次の項コンベクシティによる2次の項を足し合わせて推定します。コンベクシティ項は利回り変化の2乗に比例するため、利回りの上昇・低下どちらでもプラスに働きます。

  • 1次の項:−年率修正デュレーション × 利回り変化
  • 2次の項:+½ × 年率コンベクシティ ×(利回り変化)²
  • 利回り変化は小数で代入(例:50bp=0.0050)
  • 金額ベースでは、マネー・デュレーションとマネー・コンベクシティを使って同様に推定
%ΔPV_Full ≈ (−AnnModDur × ΔYield) + ½ × AnnConvexity × (ΔYield)²

LOS 3:ポートフォリオのデュレーション・コンベクシティと限界

ポートフォリオのデュレーションは、ポートフォリオ全体のキャッシュフローから求める方法と、各債券のデュレーションを時価ウエイトで加重平均する方法で計算できます。実務では後者が一般的ですが、すべての満期の利回りが同じ幅だけ動く平行移動を暗黙に前提としている点が限界です。

  • 方法1:ポートフォリオ全体のキャッシュフロー利回りを用いたキャッシュフロー受取時点の加重平均(理論的に正しいが使いにくい)
  • 方法2:各債券のデュレーション・コンベクシティの時価加重平均(実務で一般的)
  • 方法2はイールド・カーブの平行移動を前提としており、実際のカーブ変化は平行とは限らない
  • 方法1はオプション付き債券などキャッシュフローが不確実な債券には適用しにくい
ポートフォリオ・デュレーション ≈ Σ wᵢ × Dᵢ(wᵢは時価ウエイト)

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