Learning Module 4「Guidance for Standard II: Integrity of Capital Markets(基準II:資本市場の健全性)」は、基準II(資本市場の健全性)の2項目、II(A)重要な未公表情報とII(B)相場操縦について、求められる行動、違反を防ぐ手続、適合と違反の見分け方を扱う単元です。

本記事では、最新版カリキュラムのLOS(Learning Outcome Statement)と、この単元の重要論点を日本語で整理しました。

LM4のLOS(学習目標)

LOSは、この単元で「できるようになるべきこと」として示されている学習目標です。LM4には3つのLOSがあります。

  1. LOS 1:職業上の誠実性が問題となる状況に、倫理規範と職業行為基準を適用するdemonstrate the application of the Code of Ethics and Standards of Professional Conduct to situations involving issues of professional integrity
  2. LOS 2:倫理規範と職業行為基準への違反を防ぐための実務と手続を推奨するrecommend practices and procedures designed to prevent violations of the Code of Ethics and Standards of Professional Conduct
  3. LOS 3:倫理規範と職業行為基準に適合する行為と違反する行為を識別するidentify conduct that conforms to the Code and Standards and conduct that violates the Code and Standards

LM4のまとめ

この単元の要点をまとめると、次のとおりです。

  • II(A):投資の価値に影響し得る重要な未公表情報を保有する者は、その情報に基づいて行動したり、他者に行動させたりしてはならない
  • 重要性(material)は、公表されれば価格に影響する可能性が高いか、合理的な投資家が投資判断の前に知りたいと考えるかで判断し、情報源の信頼性も考慮
  • 未公表(nonpublic)とは、市場に広く伝わっておらず、市場が反応する機会がない状態
  • モザイク理論:公開情報と重要でない未公表情報を組み合わせて得た結論は、重要な未公表情報に相当する内容でも利用可能
  • II(B):市場参加者を欺く意図で価格を歪めたり、取引量を人為的に膨らませたりしない。情報に基づく操作と取引に基づく操作がある
  • 違反防止の手続には、公表の促進、情報隔壁(ファイアウォール)、制限リスト・監視リスト、個人取引の管理などがある

以下、LOSごとに重要論点を整理します。

LOS 1:基準IIの2項目の内容と適用

基準IIは、市場参加者の信頼を支える資本市場の健全性を守るための基準です。重要な未公表情報の利用禁止と、相場操縦の禁止の2項目で構成されます。

  • II(A):重要な未公表情報に基づく取引や他者への推奨・伝達の禁止
  • 重要性:価格への影響可能性、合理的投資家の判断材料か、情報源の信頼性
  • 未公表:市場が情報に反応する機会を得ていない状態
  • II(B):価格の歪曲や人為的な取引量の増加による市場の欺瞞の禁止
  • 情報に基づく操作(虚偽情報の流布)と取引に基づく操作(見せかけの取引)

LOS 2:違反を防ぐ実務と手続

重要な未公表情報を扱う会社では、情報が不適切に伝わらない仕組みが推奨されます。

  • 発行体に対し、重要な情報の公表を促す
  • 情報隔壁(ファイアウォール)による部門間の情報伝達の管理
  • 制限リスト・監視リストの作成と従業員取引の監視
  • 部門の物理的な分離と人員の兼任の回避
  • 個人取引の制限と記録の保存

LOS 3:適合と違反の見分け方

判断の軸は、情報が重要かつ未公表か、そして行為に市場を欺く意図があるかです。

  • 公開情報と重要でない未公表情報の組み合わせ(モザイク理論)→ 違反ではない
  • 選択的開示された重要情報に基づく取引 → II(A)違反
  • 噂の流布による株価のつり上げと売り抜け → II(B)違反
  • 見せかけの取引で出来高を膨らませる → II(B)違反
  • 意図のない正当な取引戦略 → II(B)違反ではない

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