CFA®︎ Level 2「Fixed Income(債券)」で使われる重要用語を、学習単元(Learning Module)ごとに英語・日本語訳・意味の3点セットで整理しました。全5単元・47語を収録しています。英語の協会テキストを読むときの辞書代わりにお使いください。
単元(LM)一覧
Fixed Income の重要用語(LM別)
LM1 The Term Structure and Interest Rate Dynamics(金利の期間構造と金利変動)
Spot Rate
スポット・レート
ゼロクーポン債の利回りで、現時点から特定の将来時点までの金利を表す。各時点のキャッシュフローの割引に用いる。
Forward Rate
フォワード・レート
将来のある時点から始まる一定期間に適用される金利を、現時点で合意したもの。スポット・レートから無裁定の関係で導かれる。
Bootstrapping
ブートストラップ法
パー・レートなど利付債の利回りから、短い年限から順にスポット・レートを逐次的に導出する手法。
Rolling Down the Yield Curve
イールドカーブのロールダウン
右上がりで安定したカーブのもと、投資期間より長い債券を購入し、残存期間の短縮に伴う利回り低下による値上がり益を狙う戦略。
Swap Spread
スワップ・スプレッド
スワップ・レートと同じ年限の国債利回りとの差。経済全体の信用リスクや流動性リスクの大きさを反映する。
I-Spread
Iスプレッド
債券の利回りと同じ年限のスワップ・レートとの差。スワップ・カーブを基準に債券の信用・流動性リスクを測る。
Local Expectations Theory
局所期待仮説
満期にかかわらず、どの債券も短期の保有期間ではリスクフリー・レートと同じリターンを生むとする期間構造理論。
Liquidity Preference Theory
流動性選好仮説
フォワード・レートは予想将来スポット・レートに、長期債を保有するリスクへの対価である流動性プレミアムを加えたものとする理論。
Preferred Habitat Theory
特定期間選好仮説
投資家は選好する年限を持つが、十分なプレミアムがあれば他の年限にも移動するとする期間構造理論。
Key Rate Duration
キー・レート・デュレーション
特定の年限の金利だけが変化したときの債券価格の感応度。イールドカーブの形状変化に対するリスクの把握に使う。
LM2 The Arbitrage-Free Valuation Framework(無裁定評価の枠組み)
Arbitrage-Free Valuation
無裁定評価
裁定機会が存在しないように資産を評価する考え方。債券の価値は各キャッシュフローを対応するスポット・レートで割り引いた合計となる。
Value Additivity
価値の加法性
各部分の価値の合計が全体の価値に等しいという原理。成り立たない場合、ストリッピングや再構成による裁定が可能になる。
Binomial Interest Rate Tree
二項金利ツリー
各期に1期間フォワード・レートが上昇・下落の2状態に分岐すると仮定した金利モデル。ボラティリティの仮定に基づき構築する。
Calibration
キャリブレーション
オプションのない債券をツリーで評価した価値が市場価格に一致するように、ツリーの金利を調整する作業。
Backward Induction
後ろ向き帰納法
満期から現在に向かって、各ノードの価値を次期2ノードの価値の期待値を割り引いて順に求める評価手順。
Pathwise Valuation
パスワイズ評価
ツリー上の各金利パスでキャッシュフローを割り引いて現在価値を求め、全パスの平均を債券価値とする方法。
Monte Carlo Method
モンテカルロ法
多数の金利パスをランダムに生成し、各パスの現在価値を平均して評価する方法。MBSなど経路依存の証券に用いる。
Equilibrium Term Structure Model
均衡期間構造モデル
経済の基本的な変数から金利の動きを記述するモデル。CIRやバシチェックが代表例で、平均回帰を含む。
Arbitrage-Free Term Structure Model
無裁定期間構造モデル
観察される市場価格を所与として、それと整合するように金利の動きを設定するモデル。ホー・リーやKWFが代表例。
LM3 Valuation and Analysis of Bonds with Embedded Options(オプション付き債券の評価と分析)
Callable Bond
コーラブル債
発行体が満期前に所定の価格で償還できる権利を持つ債券。価値はストレート債の価値からコール・オプションの価値を差し引いたもの。
Putable Bond
プッタブル債
投資家が満期前に所定の価格で発行体に売り戻せる権利を持つ債券。価値はストレート債の価値にプット・オプションの価値を加えたもの。
Extendible Bond
エクステンダブル債
投資家が当初の満期到来時に満期を延長する権利を持つ債券。延長後の満期を持つプッタブル債と同等の構造となる。
Option-Adjusted Spread (OAS)
オプション調整後スプレッド(OAS)
ツリーのすべての金利に一定のスプレッドを加え、評価額を市場価格に一致させるスプレッド。組込オプションの影響を除いた上乗せ幅を表す。
Effective Duration
実効デュレーション
ベンチマーク・カーブを平行移動させたときの債券価格の変化率。キャッシュフローが金利で変わるオプション付き債券の感応度指標。
One-Sided Duration
片側デュレーション
金利の上昇時のみ、または低下時のみを想定して計算したデュレーション。オプション付き債券の非対称な価格反応を捉える。
Effective Convexity
実効コンベクシティ
金利変化に伴うデュレーションの変化を捉える、オプション付き債券向けの指標。コーラブル債は低金利局面で負となり得る。
Capped Floater
キャップ付き変動利付債
クーポンに上限がある変動利付債。投資家が発行体にキャップを売った形で、価値はストレート変動利付債からキャップの価値を差し引いたもの。
Conversion Ratio
転換比率
転換社債1単位を転換したときに受け取る普通株式の数。額面を転換比率で割ると転換価格となる。
Market Conversion Premium
市場転換プレミアム
転換社債の価格を転換比率で割った市場転換価格が、現在の株価を上回る部分。株式を直接買う場合との比較での上乗せ分を表す。
LM4 Credit Analysis Models(信用分析モデル)
Expected Exposure
期待エクスポージャー
デフォルトが起きた時点で損失にさらされると見込まれる債権の額。期待損失の計算の出発点となる。
Loss Given Default (LGD)
デフォルト時損失(LGD)
デフォルトが起きた場合に回収できずに失われる金額。期待エクスポージャー ×(1 − 回収率)で求める。
Hazard Rate
ハザード率
前期までデフォルトしていないことを条件とした、当該期間のデフォルト確率。各期のデフォルト確率と生存確率の計算に用いる。
Credit Valuation Adjustment (CVA)
信用評価調整(CVA)
各期の期待損失の現在価値の合計。リスクのない債券の価値からCVAを差し引くと、リスクのある債券の価値となる。
Notching
ノッチング
同じ発行体でも債務の優先順位や担保の違いに応じて、個別の債券の格付けを発行体格付けから上下に調整すること。
Credit Migration
格付け推移
発行体や債券の信用格付けが時間とともに変化すること。スプレッドの変化を通じて債券の期待リターンに影響する。
Structural Model
構造モデル
企業の資産価値と負債の構造からデフォルトを説明する信用リスク・モデル。株主の有限責任をオプションとして表現する。
Reduced-Form Model
誘導モデル
デフォルトを外生的な事象として扱い、観察可能な市場データからデフォルト確率を推定する信用リスク・モデル。
Term Structure of Credit Spreads
信用スプレッドの期間構造
満期ごとの信用スプレッドの関係。投資適格債では右上がり、低格付債では平坦や逆イールドになりやすい。
LM5 Credit Default Swaps(クレジット・デフォルト・スワップ)
Credit Default Swap (CDS)
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)
プロテクションの買い手がプレミアムを支払い、参照企業にクレジット・イベントが起きた場合に売り手から損失の補償を受ける契約。
Reference Entity
参照企業
CDSで信用リスクの対象となる企業。この企業にクレジット・イベントが生じると補償の支払いが発生する。
Credit Event
クレジット・イベント
CDSの支払いを発生させる事象。破産、支払不履行、リストラクチャリングが該当し、決定委員会が認定する。
Cheapest-to-Deliver Obligation
最割安受渡債券
CDSの現物決済で引渡し可能な債券のうち最も安価なもの。プロテクションの買い手はこの債券を引き渡すことが合理的となる。
Upfront Premium
アップフロント・プレミアム
CDSスプレッドと標準クーポンの差を契約開始時に一括で調整する支払い。おおむねスプレッドの差 × デュレーションで近似される。
Protection Leg
プロテクション・レッグ
CDSで売り手が買い手に支払う補償のキャッシュフロー。その期待現在価値はハザード率とデフォルト時損失率から求める。
Premium Leg
プレミアム・レッグ
CDSで買い手が売り手に支払うプレミアムのキャッシュフロー。プロテクション・レッグとの価値の差がCDSの価値となる。
Index CDS
インデックスCDS
複数の参照企業を束ねたポートフォリオを対象とするCDS。構成企業間の相関リスクを反映する。
CDS Basis
CDSベーシス
同じ参照企業の債券の信用スプレッドとCDSスプレッドとの差。流動性やカウンターパーティ・リスクなどの違いから生じる。
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