証券アナリスト(CMA)2次試験で出題される「職業倫理・行為基準」。1次で学んだ行為基準の意義をふまえ、2次では具体的な事例の中で「この行動は許されるのか」を判断する力が問われます。「ルールを覚えればいいの?それとも考え方?」と迷う方も多いはずです。

この記事では、日本証券アナリスト協会が公表している「主要学習事項と学習ポイント」に沿って、2次の職業倫理・行為基準で要するに何を学ぶのかを、学習ポイントを1つずつかみくだいて解説します。

職業倫理・行為基準で学ぶこと

  • 重要な行為基準の意味:投資情報の提供、適合性の確認、不実表示の禁止、利益相反、未公開の重要な情報の5つの柱が、なぜ必要なのかを説明できるようにする
  • 業務ごとの判断力:アナリスト業務・金融商品の営業・資産運用のそれぞれの場面で、どう行動すべきかを判断する
  • 足切りを避ける確実な得点:一定水準に達しないと総得点にかかわらず不合格になるため、確実に得点できる状態にする

職業倫理・行為基準の基本情報

試験科目 2次「職業倫理・行為基準」
試験での出題 午前・午後の総合試験の中で出題(記述式)。配点は40点台半ば。一定水準に達しないと総得点にかかわらず不合格
学習ポイント数 8項目(大分類1つ)
1次とのつながり 1次では(1)証券アナリスト職業行為基準の意義と、(2)職業的専門家である受任者としての信任義務の重要性を学びます。2次ではその土台の上で、個々の行為基準を具体的な業務の場面に当てはめて判断する力を身につけます

全体像:1つの大分類

大分類 ひとことで言うと
(3) 重要な行為基準の理解と具体的な業務における適切な行動と判断 重要な行為基準の意義を理解し、アナリスト・営業・運用の各業務の具体的な場面で正しく判断できるようにする

各大分類の表にある学習ポイント名をクリックすると、用語解説の記事で意味と試験で問われやすいポイントを確認できます。

参考:1次も含めた大分類の全体像

協会の「主要学習事項と学習ポイント」では、1次と2次で大分類に同じ通し番号を使っています。2次の職業倫理・行為基準に(1)と(2)が出てこないのは、これらを1次で学ぶためです。2次は1次の内容を前提に出題されるので、全体の流れを参考に確認しておきましょう。

大分類 扱う試験 ひとことで言うと
(1) 証券アナリスト職業行為基準の意義 1次のみ 行為基準は何のためにあるのか、CMAが負う信任義務・忠実義務・注意義務とは何かという全体像をつかむ
(2) 職業的専門家である受任者としての信任義務の重要性 1次のみ 利益相反の防止や、投資情報の提供・適合性の確認など、義務を具体的な業務でどう果たすのかを理解する
(3) 重要な行為基準の理解と具体的な業務における適切な行動と判断 2次のみ 重要な行為基準の意義を理解し、アナリスト・営業・運用の各業務の具体的な場面で正しく判断できるようにする

1次で学ぶ内容は【証券アナリスト1次】職業倫理・行為基準の記事で学習ポイントごとに解説しています。

(3) 重要な行為基準の理解と具体的な業務における適切な行動と判断

ポイント:2次の職業倫理はこの大分類ひとつです。前半の5項目で重要な行為基準の「意義(なぜ必要か)」を、後半の3項目で業務ごとに特に重要な行為基準を学びます。学習には協会の『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』を使い、事例を読んで判断する練習が中心になります。

学習ポイント 学ぶ内容
投資情報の提供等の意義 レポートや推奨は、十分な調査と合理的な根拠にもとづき、事実と意見を区別して提供する――投資家が安心して判断材料にできるようにするためのルール
投資の適合性の確認等の意義 顧客の投資目的・財産の状況・知識や経験を確認し、それに合った投資を勧める――「良い商品」でも顧客に合わなければ不適切になるという考え方
不実表示の禁止等の意義 事実と異なる説明や誤解を招く表示をしない、確実に儲かるかのような断定的な表現をしない――信頼を守るための基本
利益相反の防止・開示等の意義 自分や会社の利益と顧客の利益がぶつかる場面では顧客の利益を優先し、避けられない利害関係は開示する
未公開の重要な情報の利用禁止の意義 株価に影響しうる未公表の重要な情報を入手しても、それを使って売買したり他人に伝えたりしない――市場の公正さを守るルール
アナリスト業務で重要な基準 投資情報を提供するアナリストとして、調査の独立性と客観性、合理的な根拠、利害関係の開示、未公開情報の扱いなど、特に守るべき基準
営業業務で重要な基準 金融商品を勧める営業の場面で、適合性の確認、リスクの十分な説明、不実表示や断定的判断の提供の禁止など、特に守るべき基準
資産運用業務で重要な基準 顧客の資産を預かって運用する立場として、顧客の利益を最優先し、取引の公平な取扱いや利益相反の管理を行うなど、特に守るべき基準

職業倫理・行為基準を学ぶときのコツ

1. 足切りを意識して、確実に得点できる状態にする

2次の職業倫理は、一定水準に達しないと他の分野でどれだけ得点しても不合格になります。範囲は学習ポイント8項目と絞られているので、取りこぼしのない状態を目標に早めに仕上げましょう。

2. 条文の暗記より「なぜそのルールがあるのか」

記述式の事例問題では、どの行為基準に関係するのか、なぜ問題なのかを説明する力が求められます。それぞれの基準が顧客や市場の何を守るためにあるのかを自分の言葉で説明できるようにしておくと、初めて見る事例にも対応しやすくなります。

3. 実務ハンドブックの事例を「自分ならどうするか」で読む

『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』の事例は、答えを読む前にいったん自分で判断してみるのがおすすめです。アナリスト・営業・運用のどの立場の話かを意識しながら読むと、後半3項目の理解も深まります。

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、ここで紹介した学習ポイントを1つずつ動画で解説しています。テキストとあわせて活用してください。

よくある質問

Q. 2次の職業倫理はなぜ重要なのですか?

一定水準に達しないと、総得点にかかわらず不合格になるためです。配点は40点台半ばで、学習ポイントも8項目と範囲が絞られているので、確実に得点できるよう準備しておきましょう。

Q. 1次で学んだ内容とどう違いますか?

1次では行為基準の意義や受任者としての信任義務といった考え方の土台を学びます。2次では、具体的な業務の事例に行為基準を当てはめ、どう行動すべきかを記述式で判断・説明する力が問われます。

Q. 何を使って勉強すればいいですか?

協会の『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』が中心です。行為基準の内容と事例を読み込み、学習ポイントの8項目それぞれについて、意義と具体的な場面での判断を説明できるようにしましょう。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」にもとづき、証券アナリストアカデミーが要約しています。