【証券アナリスト1次】職業倫理・行為基準とは?要するに何を学ぶのかを学習ポイントに沿って解説
証券アナリスト(CMA)1次試験の科目Ⅲで学ぶ「職業倫理・行為基準」。配点は大きくないものの、得点が一定水準に届かないと科目Ⅲそのものが不合格になる可能性がある、見落とせない分野です。「信任義務」「忠実義務」「注意義務」といった言葉が並び、「結局この分野で何ができるようになればいいの?」と感じる方も多いはずです。
この記事では、日本証券アナリスト協会が公表している「主要学習事項と学習ポイント」に沿って、職業倫理・行為基準で要するに何を学ぶのかを、学習ポイントを1つずつかみくだいて解説します。
職業倫理・行為基準で学ぶこと
- 行為基準の目的:協会の「証券アナリスト職業行為基準」が何のためにあり、CMAの業務をどんな法令・規則が取り巻いているのか
- 信任義務=忠実義務+注意義務:顧客から信頼されて仕事を任される専門家として負う義務の中身
- 具体的な行動の判断:利益相反の防止、根拠のある投資情報の提供、顧客に合った投資かどうかの確認など、実際の場面で何が求められるか
職業倫理・行為基準の基本情報
| 試験科目 | 1次 科目Ⅲ「市場と経済の分析・数量分析と確率・統計・職業倫理・行為基準」 |
|---|---|
| 試験での出題 | 第1問「職業倫理・行為基準」(10点)(2025年春・2024年秋の本試験の構成)。得点が一定水準に届かないと科目Ⅲが不合格になる可能性があります |
| 学習ポイント数 | 7項目(大分類2つ) |
| 2次とのつながり | 2次では「重要な行為基準の理解と具体的な業務における適切な行動と判断」として、『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』をもとに、具体的な事例で適切な行動を判断する力が問われます |
全体像:2つの大分類
| 大分類 | ひとことで言うと |
|---|---|
| (1) 証券アナリスト職業行為基準の意義 | 行為基準は何のためにあるのか、CMAが負う信任義務・忠実義務・注意義務とは何かという全体像をつかむ |
| (2) 職業的専門家である受任者としての信任義務の重要性 | 利益相反の防止や、投資情報の提供・適合性の確認など、義務を具体的な業務でどう果たすのかを理解する |
各大分類の表にある学習ポイント名をクリックすると、用語解説の記事で意味と試験で問われやすいポイントを確認できます。
(1) 証券アナリスト職業行為基準の意義
ポイント:この分野の「地図」にあたる部分です。協会の「証券アナリスト職業行為基準」の目的と、CMAが顧客に対して負う信任義務、それを支える忠実義務・注意義務の関係、そしてCMAの業務を取り巻く法令や協会の規則の全体像を押さえます。
| 学習ポイント | 学ぶ内容 |
|---|---|
| 職業行為基準の概要と目的 | CMAが守るべき行動のルールを定めた職業行為基準が、投資家の信頼と資本市場の健全さを守るためにあることを理解する |
| 信任義務と忠実義務・注意義務 | 顧客から信頼されて仕事を任される者として負う信任義務は、忠実義務と注意義務という2本柱で支えられているという関係 |
| CMAを取り巻く規制 | 行為基準だけでなく、金融商品取引法などの関係法令や協会の定款・規則もCMAの業務に関わることを知る |
| 忠実義務 | 自分や所属会社の利益よりも、顧客の利益を優先して誠実に行動しなければならないという義務の中身 |
(2) 職業的専門家である受任者としての信任義務の重要性
ポイント:(1)で学んだ義務を、実際の仕事の場面に当てはめます。忠実義務の面では利益相反をどう防ぐか、注意義務の面では専門家としての十分な注意を払い、根拠のある投資情報を提供し、顧客に合った投資かどうかを確かめることが求められます。
| 学習ポイント | 学ぶ内容 |
|---|---|
| 忠実義務と利益相反の防止 | 自分が株式などを実質的に保有している場合や自己取引の場面など、顧客と利益がぶつかる状況で顧客の利益を損なわないための行動 |
| 注意義務 | 専門家として当然求められる水準の注意を払い、慎重かつ適切に業務を行わなければならないという義務 |
| 注意義務と情報提供・適合性 | 十分な調査にもとづく根拠のある投資情報を提供することや、顧客の目的や状況に合った投資かどうかを確認することが、注意義務とどう結びつくか |
職業倫理・行為基準を学ぶときのコツ
1. 足切りを意識して確実に得点する
職業倫理・行為基準は配点こそ大きくありませんが、得点が一定水準に届かないと科目Ⅲが不合格になる可能性があります。「落とせない分野」と考えて、ほかの分野と同じように時間をとって準備しましょう。
2. 「誰の利益を守るための義務か」で考える
忠実義務も注意義務も、根っこにあるのは「顧客の信頼にこたえる」という考え方です。個々のルールを丸暗記するのではなく、その行動が顧客の利益を守ることにつながるかどうかという視点で整理すると、初めて見る事例でも判断しやすくなります。
3. 協会の職業行為基準を自分で読む
1次試験の土台になるのは、協会の「証券アナリスト職業行為基準」です。テキストの解説とあわせて基準そのものにも目を通し、言葉の使い方に慣れておきましょう。2次ではさらに『証券アナリスト職業行為基準 実務ハンドブック』をもとにした事例判断が求められるので、1次のうちから基本をしっかり押さえておくと役立ちます。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、ここで紹介した学習ポイントを1つずつ動画で解説しています。テキストとあわせて活用してください。
よくある質問
Q. 配点が小さいので後回しにしても大丈夫ですか?
おすすめしません。職業倫理・行為基準は、得点が一定水準に届かないと科目Ⅲが不合格になる可能性がある分野です。学習ポイントは7項目と少ないので、早めに一通り押さえておきましょう。
Q. 何を教材にして勉強すればいいですか?
1次では、協会の「証券アナリスト職業行為基準」の内容を理解することが基本です。テキストで信任義務・忠実義務・注意義務の関係を整理し、利益相反や適合性の確認などの具体的な場面をイメージしながら学びましょう。
Q. 学習ポイントとは何ですか?
日本証券アナリスト協会が「CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」として公表している、学習内容の一覧です。出題範囲の公式な目安になるので、テキストを読むときはどの学習ポイントを学んでいるのかを意識しましょう。
一緒に合格を目指しませんか
証券アナリストアカデミーでは、1次・2次の受験生が集まるコミュニティを運営しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」にもとづき、証券アナリストアカデミーが要約しています。
