経過利息とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・債券分析
ひとことで言うと
- 経過利息は、前回の利払日から受渡日までに発生した利息で、債券の買い手が売り手に支払います。
- 次の利払日にはクーポン全額が買い手に入るため、売り手が保有していた期間の分を先に精算しておく仕組みです。
- 市場で提示される価格(単価)は経過利息を含まない価格で、単価に経過利息を足したものが利含み価格です。
この記事では、証券アナリスト1次「債券分析」の学習ポイントのひとつ「経過利息と利含み価格」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/債券分析 |
|---|---|
| 大分類 | (2) 金利と債券価格評価 |
| 協会の学習ポイント | 経過利息や債券価格(利含み)を理解し、計算できる。 |
経過利息と利含み価格とは
なぜ経過利息を精算するのか
利付債のクーポンは、利払日にその時点の保有者へまとめて支払われます。利払日と利払日の間で債券が売買されると、買い手は保有期間が短くても次の利払日にクーポン全額を受け取り、売り手は保有していた期間の利息をまったく受け取れません。これでは不公平なので、売買の際に、前回の利払日から受渡日までの利息相当額(経過利息)を買い手が売り手に支払って精算します。
単価と利含み価格
日本の債券市場では、価格は額面100円あたりの経過利息を含まない価格(単価、いわゆる裸値)で提示されるのが一般的です。経過利息は日々少しずつ増えていき、利払日にゼロに戻るため、経過利息込みの価格で提示すると、金利が変わらなくても価格がのこぎりの歯のように動いてしまいます。単価で比べれば、金利変化による本来の価格の動きが見やすくなります。
実際に受け渡す金額は、単価に経過利息を加えた利含み価格をもとに計算します。理論的には、将来のキャッシュフローを受渡日から割り引いた現在価値が利含み価格にあたり、そこから経過利息を差し引いたものが単価になると整理できます。
日数の数え方
日本の国内債券では、経過利息は1年を365日として日割りで計算し、経過日数は前回利払日の翌日から受渡日までを数える(片端入れ)のが一般的です。海外の債券では日数の数え方(デイカウント)が異なる場合があります。
押さえておきたい公式
具体例で確認
クーポンレート年2%(年2回利払い)、額面1,000万円の国債を単価101.00円で購入し、前回の利払日から受渡日までの経過日数が73日だったとします。
- 額面100円あたりの経過利息:100 × 2% × 73 ÷ 365 = 0.40円
- 利含み価格:101.00 + 0.40 = 101.40円
- 受渡代金:1,000万円 × 101.40 ÷ 100 = 1,014万円(うち経過利息4万円)
次の利払日には、半年分のクーポン10万円(1,000万円 × 2% ÷ 2)が買い手に支払われます。買い手は先に売り手へ4万円を支払っているので、実質的に自分が保有した期間の分だけ利息を受け取ったことになります。
試験で問われやすいポイント
- 経過利息は「買い手が売り手に支払う」。支払う方向の取り違えに注意しましょう。
- 年2回払いでも、経過利息は年率のクーポンレートに経過日数 ÷ 365を掛けて計算します(半年分のクーポンを使うと二重に割ってしまうミスが起こりがちです)。
- 提示価格(単価)は経過利息を含まない価格で、受渡代金は単価 + 経過利息で決まること。
- 経過日数の数え方(前回利払日の翌日から受渡日まで)。
- 利回りから利含み価格を計算し、経過利息を差し引いて単価を求めるといった計算手順も確認しておきましょう。
要点まとめ
- 経過利息は、前回利払日から受渡日までの利息を買い手が売り手に払う精算金。
- 国内債券では 額面 × クーポンレート × 経過日数 ÷ 365 で計算するのが一般的。
- 市場の提示価格は経過利息を含まない単価。
- 利含み価格 = 単価 + 経過利息 で受渡代金が決まる。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
