ひとことで言うと

  • 百分率損益計算書は、売上高を100%として、費用や各段階の利益を売上高に対する割合で表した損益計算書です。
  • 売上総利益率・売上高営業利益率・売上高経常利益率などの売上高利益率を並べることで、どこで利益が増減したかを分析できます。

この記事では、証券アナリスト1次・科目Ⅱ「財務分析」の学習ポイントのひとつ「百分率損益計算書」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅱ/財務分析
大分類 (10) 財務分析の基礎
協会の学習ポイント 百分率損益計算書を作成し、売上高利益率を使った分析ができる。

百分率損益計算書とは

百分率損益計算書(構成比損益計算書)とは、損益計算書の各項目を売上高で割り、売上高を100%としたときの割合で表示したものです。金額のままでは、規模の違う企業同士や、売上高が大きく変化した年度同士を比べにくいですが、百分率にすれば「売上1円当たり、どこにいくら使い、いくら残ったか」という構造を直接比較できます。

売上高利益率の段階

日本の損益計算書は、利益を段階的に表示します。それぞれを売上高で割ったものが、段階ごとの売上高利益率です。

  • 売上総利益率(粗利益率):製品・商品そのものの付加価値や価格競争力を示します。裏返しが売上原価率です。
  • 売上高営業利益率:販売費及び一般管理費まで差し引いた、本業の収益力を示します。
  • 売上高経常利益率:受取利息や支払利息などの営業外損益を含めた、経常的な収益力を示します。
  • 売上高当期純利益率:特別損益や税金も含めた、最終的な収益性を示します。

分析の進め方

複数年度の百分率損益計算書を並べると、利益率の変化がどの段階で生じたかが分かります。たとえば営業利益率が下がったとき、売上原価率の上昇(原材料高や値下げ)が原因なのか、販管費率の上昇(広告費や人件費の増加)が原因なのかを切り分けられます。経常利益率と営業利益率の差からは金融収支の影響を、税引前利益と経常利益の差からは特別損益の影響を読み取ることができます。

押さえておきたい公式

各項目の構成比 = 各項目の金額 ÷ 売上高 × 100(%)売上高 = 100%
売上総利益率 = 1 − 売上原価率売上高営業利益率 = 売上総利益率 − 販管費率

具体例で確認

ある企業の前期と当期の損益計算書(単位:億円)を百分率で表します。

項目 前期 当期
売上高 5,000(100%) 6,000(100%)
売上原価 3,500(70.0%) 4,380(73.0%)
売上総利益 1,500(30.0%) 1,620(27.0%)
販売費及び一般管理費 1,000(20.0%) 1,140(19.0%)
営業利益 500(10.0%) 480(8.0%)
経常利益 450(9.0%) 450(7.5%)
税引前当期純利益 400(8.0%) 450(7.5%)
当期純利益 280(5.6%) 315(5.25%)

売上高は20%増え、当期純利益も増えていますが、百分率で見ると営業利益率は10.0%から8.0%へ低下しています。原因を探ると、販管費率は1ポイント改善した一方で、売上原価率が3ポイント上昇しています。つまり、増収は値下げや原価高を伴っており、本業の採算は悪化したと読めます。当期純利益の増加は、前期にあった特別損失(50億円)がなくなった影響が大きいことも分かります。

試験で問われやすいポイント

  • 各項目を売上高で割って構成比を求める計算と、各段階の売上高利益率の名称・意味。
  • 営業利益率の変化を、売上原価率と販管費率の変化に分けて説明させる設問。
  • 増収・増益でも利益率が低下しているケースなど、金額と比率で評価が分かれる場面の読み取り。
  • 営業利益と経常利益の差(営業外損益)、経常利益と税引前利益の差(特別損益)が何を意味するかも確認しておきましょう。

要点まとめ

  • 百分率損益計算書は、売上高を100%として各項目を構成比で示したもの。
  • 売上総利益率・営業利益率・経常利益率・純利益率で、段階ごとの収益性が分かる。
  • 時系列や企業間で並べ、利益率の変化の原因を段階別に特定する。
  • 金額の増減だけでなく、比率の変化をあわせて読むことが大切。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。