合同運用(投資信託のしくみ)とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・ポートフォリオ・マネジメント
ひとことで言うと
- 合同運用とは、多くの投資家から集めた資金をひとつにまとめ、専門家がまとめて運用するしくみです。代表例が投資信託です。
- 少額でも分散投資ができ、専門的な運用を受けられる一方、運用管理費用などのコストがかかります。
この記事では、証券アナリスト1次「ポートフォリオ・マネジメント」の学習ポイントのひとつ「合同運用のしくみ」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅰ/ポートフォリオ・マネジメント |
|---|---|
| 大分類 | (4) 機関投資家の資産運用 |
| 協会の学習ポイント | 投資信託などの合同運用の仕組みと概要を理解する。 |
合同運用(投資信託)とは
一人ひとりの資金は少なくても、多くの人の資金を集めれば、数多くの銘柄に分散投資したり、専門家を雇って運用したりすることができます。このように資金をまとめて運用し、成果を出資額に応じて分け合うしくみが合同運用です。投資信託のほか、複数の企業年金の資産をまとめて運用する商品なども合同運用の一種です。
契約型投資信託のしくみ
日本の投資信託の多くは契約型で、次の3者が役割を分担しています。
- 委託者(投資信託委託会社=運用会社):運用の指図を行います。
- 受託者(信託銀行):信託財産を保管・管理します。財産は分別管理されるため、運用会社や信託銀行が破綻しても保護されるしくみになっています。
- 受益者(投資家):運用成果を受け取ります。販売は証券会社や銀行などの販売会社が担当します。
これに対し、投資法人という会社を設立し、投資家がその投資口を持つ形を会社型といい、不動産投資信託(REIT)などで使われています。
オープンエンド型とクローズドエンド型
投資家がいつでも基準価額で解約(換金)できるものをオープンエンド型、原則として解約できず、市場で売却して換金するものをクローズドエンド型といいます。取引所に上場し、株式のように市場で売買できる投資信託にはETF(上場投資信託)があります。
メリットとコスト
合同運用のメリットは、少額で分散投資ができること、専門家の運用を受けられること、売買や管理のコストを規模の経済で抑えられることです。一方で、購入時の手数料、保有中の運用管理費用(信託報酬)、解約時の信託財産留保額などのコストがかかります。特に信託報酬は毎年差し引かれるため、長期ではリターンに大きく影響します。
押さえておきたい公式
具体例で確認
純資産総額100億円、受益権総口数80億口の投資信託の基準価額は、100億 ÷ 80億 = 1.25円(1口あたり)なので、1万口あたり12,500円と表示されます。
次に、コストの影響を見てみます。信託報酬を差し引いた後の利回りが年2.0%のファンドと、同じ運用でコストが高く年0.5%しか残らないファンドがあるとします。100万円を10年間運用すると、前者は約121.9万円、後者は約105.1万円になります。毎年のわずかなコストの差が、長期では大きな差になることがわかります。
試験で問われやすいポイント
- 契約型投資信託の3者(委託者=運用会社、受託者=信託銀行、受益者=投資家)の役割の取り違え。
- 契約型と会社型、オープンエンド型とクローズドエンド型の違い。
- 基準価額の計算(純資産総額 ÷ 口数)と、1万口あたりで表示される点。
- 合同運用のメリット(分散投資、専門性、規模の経済)とデメリット(手数料・信託報酬などのコスト)。
- 信託財産は分別管理され、関係会社の破綻から保護されるしくみ。
要点まとめ
- 合同運用は多くの投資家の資金をまとめて専門家が運用するしくみ。
- 契約型投資信託は運用会社・信託銀行・投資家の3者で成り立つ。
- 基準価額は純資産総額を口数で割って求める。
- 分散投資や専門性のメリットと、信託報酬などのコストの両面を理解する。
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
