複利計算と実効利子率とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・数量分析と確率・統計
ひとことで言うと
- 複利とは、元本だけでなく、すでに付いた利息にも次の利息が付く計算方法です。
- 実効利子率は、年2回・毎月など複利の回数が違う金利を、年1回複利に換算した年率です。
- 表示上の年利(名目年利)が同じでも、複利の回数が多いほど実効利子率は高くなります。
この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「複利計算と実効利子率」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計 |
|---|---|
| 大分類 | (1) お金の時間価値 |
| 協会の学習ポイント | 複利計算について理解し、実効利子率の計算ができる。 |
複利計算と実効利子率とは
単利と複利の違い
単利は、毎期の利息を当初の元本に対してだけ計算する方法です。年利5%で100万円を3年預けると、利息は毎年5万円ずつで合計15万円です。一方、複利では、1年目に付いた利息を元本に組み入れ、2年目はその合計額に利息が付きます。期間が長くなるほど、複利と単利の差は大きくなります。ファイナンスの現在価値計算は、原則として複利を前提にしています。
複利の回数と名目年利
「年利4%・半年複利」という金利は、半年ごとに4%÷2=2%の利息が付き、それが元本に組み入れられることを意味します。この「4%」のように、1回あたりの金利に年間の回数を掛けた表示上の年利を名目年利(表面金利)といいます。
実効利子率で比べる
半年複利では、後半の半年に「前半の利息に付く利息」が生まれるため、1年間で実際に増える割合は4%より少し大きくなります。この実際の年間の増加率を実効利子率(実効年利)といいます。複利の回数が異なる金融商品を比べるときは、名目年利ではなく実効利子率にそろえて比べるのが正しい方法です。
連続複利
複利の回数を限りなく増やしていった極限が連続複利です。このとき実効利子率は er − 1 となります(eは自然対数の底で約2.718)。連続複利はデリバティブの価格理論などでよく使われます。
押さえておきたい公式
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| PV / FV | 現在価値 / 将来価値 |
| r | 名目年利 |
| m | 1年あたりの複利の回数(半年複利なら2、月複利なら12) |
| n | 年数 |
具体例で確認
例1:複利の回数による違い
名目年利4%で100万円を3年間運用します。
- 年1回複利:100万円 × 1.043 = 1,124,864円
- 半年複利:100万円 × 1.026 ≒ 1,126,162円
例2:実効利子率の計算
- 年4%・半年複利:1.022 − 1 = 0.0404 → 4.04%
- 年4%・連続複利:e0.04 − 1 ≒ 4.08%
- 月1%の複利(名目年利12%):1.0112 − 1 ≒ 12.68%
名目年利が同じでも、複利の回数が増えるほど実効利子率が上がることが確認できます。
動画で解説
この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(この論点の解説動画)。
試験で問われやすいポイント
- 年m回複利の場合、1回あたりの金利はr÷m、回数はm×nになる点を正しく処理できるかが問われやすいです。
- 実効利子率の公式 (1+r÷m)m−1 を使った計算は頻出の基本問題です。
- 複利回数が多いほど実効利子率は高くなる(名目年利以上になる)という方向の関係に注意しましょう。
- 単利と複利を取り違えるひっかけや、連続複利 er の扱いにも注意しましょう。
- 複利回数の異なる商品の比較は、名目年利ではなく実効利子率で行う点がポイントです。
要点まとめ
- 複利は利息にも利息が付く計算で、ファイナンスの基本前提
- 年m回複利では1回の金利r÷m、回数m×nで計算する
- 実効利子率=(1+r÷m)m−1、連続複利ならer−1
- 複利回数が多いほど実効利子率は高くなる
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
