ひとことで言うと

  • スポットレートは「今から n 年間」の割引債の利回り、フォワードレートは「将来のある時点から先の期間」について今決まる金利、パーイールドは価格がちょうど額面(100)になる利付債のクーポンレートです。
  • これらはすべてディスカウントファクター(割引債価格)を通じて結びついており、1つがわかれば他を計算できます。
  • 期間ごとの金利の並びを金利の期間構造、グラフにしたものを利回り曲線(イールドカーブ)といいます。

この記事では、証券アナリスト1次「数量分析と確率・統計」の学習ポイントのひとつ「利回り曲線と期間構造」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。

分野 1次 科目Ⅲ/数量分析と確率・統計
大分類 (2) リターン、利回り
協会の学習ポイント パーイールド、スポットレート、フォワードレートの利回り曲線と割引債価格(ディスカウントファクター)の期間構造を理解し、利回りなどの値を相互に換算できる。

金利の期間構造とは

金利は期間によって異なります。1年の金利と5年の金利、10年の金利は通常同じではありません。この「期間と金利の関係」を金利の期間構造といい、横軸に期間、縦軸に利回りをとって描いた曲線を利回り曲線(イールドカーブ)といいます。長い期間ほど金利が高い右上がりの形を順イールド、その逆を逆イールドと呼びます。

ディスカウントファクターとスポットレート

ディスカウントファクター(DFn)は、n年後に受け取る1円の今の価値で、額面1の割引債の価格にあたります。このDFnに対応する年率の複利利回りがn年のスポットレート rn です。期間ごとに異なるスポットレートで各キャッシュフローを割り引くのが、最も厳密な債券評価の方法です。

フォワードレート

フォワードレートは、「1年後から2年後までの1年間」のような将来の期間について、今の時点で確定できる金利です。「2年間運用する」ことと「まず1年運用し、1年後からの1年をフォワードレートで運用する」ことが同じ結果になるように決まります(無裁定の考え方)。順イールドのとき、フォワードレートはスポットレートより高くなります。

パーイールド

パーイールドは、各期のスポットレートで評価したときに価格がちょうど100(額面)になる利付債のクーポンレートです。パー(額面)で取引される利付債の最終利回りと言い換えられます。

押さえておきたい公式

DFn = 1 ÷ (1 + rn)nディスカウントファクターとスポットレート
(1 + r2)2 = (1 + r1) × (1 + f1,2)1年後から1年間のフォワードレートf1,2(DF1 ÷ DF2 − 1 と同じ)
パーイールド cn = (1 − DFn) ÷ (DF1 + DF2 + … + DFn)c × ΣDF + DFn = 1(価格が額面)から導かれる
記号 意味
rn n年のスポットレート(年率・複利)
DFn n年のディスカウントファクター(割引債価格)
f1,2 1年後から2年後までのフォワードレート
cn n年のパーイールド

具体例で確認

1年のスポットレートが1.0%、2年のスポットレートが1.5%とします。

  1. DF1 = 1 ÷ 1.01 ≒ 0.99010、DF2 = 1 ÷ 1.0152 ≒ 0.97066
  2. フォワードレート:1.0152 ÷ 1.01 − 1 ≒ 2.00%(スポットレートより高い=順イールド)
  3. 2年のパーイールド:(1 − 0.97066) ÷ (0.99010 + 0.97066) ≒ 1.50%(正確には約1.496%)

確認として、クーポン約1.496%の2年債を各スポットレートで割り引くと、価格はちょうど100になります。パーイールドは2年スポットレート(1.5%)よりわずかに低くなっていますが、これは1年目の利息が低い1年金利で割り引かれるためで、順イールドでは一般にこの大小関係になります。

動画で解説

この論点は、証券アナリストアカデミーのYouTubeで解説しています。テキストとあわせて確認してください(動画「パーイールド・スポットレート・フォワードレートの期間構造と相互換算を理解する」)。

試験で問われやすいポイント

  • スポットレートからフォワードレートを求める計算は代表的な計算問題です。
  • ディスカウントファクター・スポットレート・パーイールドを相互に換算させる問題に慣れておきましょう。
  • 順イールドでは フォワードレート>スポットレート>パーイールド、逆イールドでは逆の大小関係になる点が問われやすいです。
  • フォワードレートの計算で、スポットレートを期間分べき乗するのを忘れる誤りに注意しましょう。

要点まとめ

  • スポットレート=割引債の利回り、DFn=1÷(1+rn)n
  • フォワードレートは無裁定条件 (1+r2)2=(1+r1)(1+f1,2) から求める
  • パーイールド=価格が額面になる利付債のクーポンレート
  • 3つの利回りはディスカウントファクターを通じて相互に換算できる

証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。

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※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。