景気循環と景気動向指数とは?意味と試験で問われるポイント|証券アナリスト1次・市場と経済の分析
ひとことで言うと
- 景気循環とは、経済活動が拡張(回復・好況)と後退(後退・不況)を繰り返す現象で、転換点を山・谷と呼びます。
- 日本の代表的な景気指標は内閣府の景気動向指数で、先行系列・一致系列・遅行系列に分けて作成されます。
- 景気動向指数には、変化の大きさを見るCIと、変化の広がりを見るDIがあります。
この記事では、証券アナリスト1次「市場と経済の分析」の学習ポイントのひとつ「景気循環と景気指標」について、意味と試験で問われやすいポイントを解説します。
| 分野 | 1次 科目Ⅲ/市場と経済の分析 |
|---|---|
| 大分類 | (4) 景気循環と経済成長とその要因 |
| 協会の学習ポイント | 景気循環、景気循環の指標について説明できる。 |
景気循環とは
経済は一直線に成長するのではなく、生産・雇用・所得などが増える局面と減る局面を波のように繰り返します。これが景気循環です。景気の谷から山までを拡張期、山から谷までを後退期といい、谷から次の谷まで(または山から次の山まで)を1循環と数えます。
日本では、内閣府が景気動向指数などをもとに有識者の議論を経て、景気の山と谷の時期を景気基準日付として事後的に設定します。景気の転換点は、ある程度時間がたってから確定する点に注意が必要です。
景気動向指数:先行・一致・遅行
景気動向指数は、生産・雇用・消費などの多くの経済指標を、景気に対する動きのタイミングで3つに分けてまとめたものです。
- 先行系列:景気に先んじて動く指標(新規求人数、実質機械受注、新設住宅着工床面積、株価指数など)
- 一致系列:景気とほぼ同時に動く指標(生産指数、有効求人倍率など)
- 遅行系列:景気に遅れて動く指標(完全失業率、家計消費支出、法人税収入など)
CIとDI
CI(コンポジット・インデックス)は構成指標の変化率を合成したもので、景気の変化の大きさやテンポ(量感)を表します。現在はCIが中心に公表され、一致指数の動きから「景気の基調判断」が示されます。DI(ディフュージョン・インデックス)は、構成指標のうち改善している指標の割合で、景気の波及度(広がり)を表します。一致DIが50%を上回ると景気拡張、下回ると景気後退の目安とされます。
その他の景気指標
日本銀行の短観(全国企業短期経済観測調査)の業況判断DIは、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いたもので、企業の景況感を示す代表的な指標です。GDP統計も景気を確認する基本的な指標です。
押さえておきたい公式
具体例で確認
一致系列の指標が9つあり、3か月前と比べて6つが改善、1つが横ばい、2つが悪化したとします。
- 改善の数え方:6 + 1 × 0.5 = 6.5
- DI = 6.5 ÷ 9 × 100 ≒ 72.2%
50%を上回っているので、景気の改善が多くの分野に広がっていると判断できます。ただしDIは「どれだけ強く改善しているか」は示さないため、量感はCIで確認します。また短観で「良い」30%、「悪い」20%なら、業況判断DIは+10となります。
試験で問われやすいポイント
- 景気の局面(拡張・後退)と山・谷の定義、1循環の数え方が問われやすいです。
- 代表的な指標が先行・一致・遅行のどれに属するかが狙われやすいです(完全失業率は遅行系列など)。
- CI=量感・テンポ、DI=波及度という違いと、一致DIの50%基準を押さえましょう。
- DIの計算では横ばいを0.5として数える点に注意しましょう。
- 景気基準日付は事後的に設定されるという点も確認しておきましょう。
要点まとめ
- 景気循環=拡張と後退の繰り返し。転換点が山と谷
- 景気動向指数は先行・一致・遅行の3系列
- CIは変化の大きさ、DIは変化の広がりを表す
- 短観の業況判断DIは「良い」-「悪い」
証券アナリストアカデミーのYouTube(@cma-fa-academy)では、学習ポイントに沿って論点を1つずつ解説しています。
※学習ポイントは日本証券アナリスト協会「【2026年度】CMA資格の取得に求められる主要学習事項と学習ポイント」より引用しています。
